ひとりでも!
ひとりから!
エンパワーメント
子どもの権利とは
資料室
リンク集
あの人この一冊

JANIC NGOサポート募金
NGOアリーナ 寄付サイト
募金サイト イーココロ!
powerd by フェアトレード&オーガニックショップ福猫屋

【 カンボジアだより 】

こんにちは。甲斐田です。
近年、カンボジアでは、残念なことに子どもたちを利用する孤児院ビジネスがますますさかんになっています。
私たちシーライツは、観光客に子どもの権利を最優先しないような孤児院を訪問するのは控えてほしいとメッセージを伝えるチャイルドセーフ・キャンペーンを、カンボジアのNGO、フレンズ・インターナショナルとともに行なっています。孤児院を訪ね、子どもたちの助けになりたいと思う気持ちは、とてもわかります。けれども、子どもに良かれと思ってやったことでも、長期的にみると孤児院訪問が必ずしも子どもたちのためになっていないことがあるのをこの記事によって知っていただけたらと思います。

【懸念が広がるカンボジアの「孤児院ツアー」】

2011年7月27日 TAIPEI TIMES / AFP通信 
タン・チン・ソティ記者
http://www.asafeworldforwomen.org/children/c-asia-pacific/ch-cambodia/967-cambodias-orphan-tourism-sparks-concern.html

短期間ボランティアたちには、善意があるかもしれない。しかし最も傷つきやすい子どもたちを危険に晒していると、子ども保護の専門家は話す。

DawncomAFP.jpg

©Dawncom/AFP

写真AFP通信より。

シェムリアップ:カンボジア観光の中心シェムリアップにある泥だらけの中庭の壁に、何百人ものかつてのボランティアたちの写真が並ぶ。彼らはかつて孤児院の子どもたちにとって馴染みのある顔であったが、今はもう去ってしまっている。

アコド孤児院にある色彩豊かなこのギャラリーは、この貧しい国の子どもたちに時間と技術を提供する休日の観光客が増えていることを示すよい例である。しかし、専門家は彼らのしていることは効果があるというよりもむしろ害になっていると心配する。

ニューヨークから来た20代の学生であるマリッサ・サラウディは、アンコールワットの近くで、3歳から18歳までの60人以上の孤児を抱えるアコド孤児院で英語を教える数多くのボランティアの1人だ。

孤児院で働くため週50ドルを支払っているこの若いアメリカ人は、旅行途中に2、3日滞在しようと計画する。しかし、彼女は、彼女のように現れては消えるボランティアと接することが子どもたちにとってつらいことだとわかっている。
「孤児院を訪れてはすぐに去るボランティアがたくさんいるのです。」と彼女は話す。

一人来ては、一人去る

「孤児院は、ボランティアにすぐに去ってしまうことを子どもたちには知らせない方が良いと話しています。決して『1週間で出ていくの。』と言ってはなりません。その類のことは言ってはだめと言うのです。なぜなら子どもたちの機嫌を損ねてしまうから。ただ(何も告げずに)来なくなるほうがましだと言われます。」

短期間のボランティアたちには、善意があるかもしれない。しかし最も傷つきやすい子どもたちを危険に晒している、と子ども保護の専門家は話す。

世話をしてくれる人が変わると子どもは喪失感を抱く

「子どもの世話をする人が頻繁に変わる事は子どもに喪失感をもたらし、すでに心に傷を負った子どもたちにとっては、喪失感がずっと続くことになります。」と、ユニセフの子ども保護の専門家、ヨランダ・ヴァン・ウェスタリングはAFPに話した。

「さらに、周知のとおり多くの場合ボランティアは、身元審査を受けることなく孤児院にやって来るので、頻繁に見知らぬ人に子どもたちを晒すことは、暴力、虐待の危険を子どもたちに与えています。」


年間1万人以上の訪問者を魅了するアンコールワットへの出入口として、この活気の無い川辺の街には、観光客の波が途絶えることはない。
そして、多くの人びとは、アジアで最も貧しい国の一つであるこのカンボジアで、単なる観光に留まらず何かをしたいと感じる。

ホテル、カフェ、みやげ物屋の掲示板には、大きく目を見開いた子どもたちが学校や孤児院の為に、時間とお金を自分たちのために寄付するよう旅行者に呼びかけるポスターが貼られている。

「訪問者は貧困を目の当たりにし、気の毒に思います。」と、地域の団体とボランティアをマッチングする機関「グローバルティア」のプロジェクトマネージャー、アシュリー・チャプマンは話した。

「彼ら(訪問者)は、何かをしたいと思うようになり、子どものプロジェクトに何時間か訪れ、おもちゃやお金を寄付するかもしれません。そして、休日の写真を記念におさめ、自分たちは役に立ったと満足するのです。」と話す。

いわゆるボランティア観光業が繁栄すると、子どもたちを収容する施設も同様に繁栄する。

ユニセフによると、過去6年間でカンボジア国内での孤児院の数は、およそ2倍の269になり、12,000人の子どもたちを収容しているという。

社会から取り残された都会の子どもたちと若者に働きかける地域団体、フレンズ・インターナショナルによると、観光によって孤児院の数が増加しているという。

プノンペンやシェムリアップなどの大都市では、孤児院訪問は「観光名所」になってきているとフレンズ・インターナショナルのオルタナティブケア・プロジェクトマネージャー代理、マリー・コーセルは話した。

この観光業が、結果として非常に貧しいが、実際は少なくとも一人は親がいる多くの子どもたちを(孤児院)施設に収容することを促していると話した。

10分の1の施設だけが公営で、残りは存続するために慈善寄付に頼っている。

シェムリアップのアコド孤児院では、サラウディが1本しかない木の木陰に子どもたちを集めて午後の活動(授業)を行っている。

彼女の手本にしたがって、孤児たちは草で帽子を作り、夜の伝統的なクメールダンスショーで着る円錐形の帽子や衣装に、緑や黄色のペンキで色を塗る。


毎日開催される30分のイベントは、子どもの出演者に対し感謝の気持ちを込めて、寄付をする観光客で賑わう。

「子どもたちは自分たちの生活のために、観光客に対し物乞いや、ショーを開催することにより、自ら資金調達をするのを期待されている子どもたちについてのリスクを心配しています。」と、ヴァン・ウエスタリング氏は話した。

「子どもたちはベストを尽くさねばならず、また、もしそうしなければ自分たちの施設での生活のために十分な資金が集まらないということを聞かされているのです。」と、ヴァン・ウエスタリングは話した。「そのような安全とは言えない環境で生きることが子どもたちにとってどういうことか少し考えれば想像することができるでしょう。」

孤児院で短期間のボランティア活動をしようかと思案している観光客に対する彼女のアドバイスは単純だ。「孤児院には行かないで、献血でもした方がいいです。子どもに昼間の活動を提供し、夜には子どもを家に帰すような地域ベースの団体を援助することです。」

アリゾナ州出身である、50代のインテリアデザイナー、ベスティー・ブリテンハムと、彼女の15歳になる娘アレックスは、上記のように、毎晩子どもたちを家族の元へ帰すような、グレイス・ハウス・コミュニティー・センターで3週間、ボランティア教師として過ごした。

数か月前から旅行を計画していたこの母と娘は、評判の良いセンターでボランティアをする事は、自分たちの国(アメリカ)より、わずかな資源や機会しかない国に変化をもたらす良い機会であると話す。

アコド孤児院のボランティアのように、ベスティーは休日(ボランティアとして時間とお金をかけて)働けることの特権に対して対価を払う。しかし、その経験から否定的側面は見当たらない。

「このようなボランティアをするときは、自分のお金を使って、自分自身が大きく成長するとともに、子どもたちに教えることができます。こんなことは値段がつけられるようなものではなく、貴重な経験です。」と彼女は話す。

(櫻井智子・訳 2011/8/13)

こんにちは。
インターンの深川です。
夏休みの二か月があっという間に過ぎ、8月いっぱいでインターンを任期修了しました。

 

子どもの権利が守られる社会を築き上げる上で、シーライツが大切にしている「エンパワーメント」という考え方は、学問的な知識としてはもっていたつもりでしたが、どのようにして現場で実践されているのかを今回のインターンを通して知ることができ、たいへん勉強になりました。まわりの大人だけでなく、子どもたちが自分のもっている権利を理解し、主張でき、自らがそれらの権利を守れるように「エンパワ―」する教育やトレーニングを行う重要性を改めて考えさせられました。子どもが職業訓練を受けられる権利は子どもの権利条約第28条で定められています。国際機関や海外のNGOへの「援助依存症」が世界各地で深刻化し、警鐘が鳴っている中、現地の人が海外援助の依存から抜け出し、自立するために「エンパワーメント」はますます必要不可欠になるでしょう。

子もたちが貧困から脱出し、強制労働や人身売買の被害に遭わないようにするためには、具体的にどのような形で「エンパワ―メント」を進めるべきか、大きな課題です。例えば、子どもの「エンパワーメント」を実現する重要なステップとして、まず国が責任をもって子どもが全員、基礎教育を受けられるように環境を整えることが挙げられます。さらに、基礎教育を受けた後、学問を続けたい子どもには勉強を続けるチャンスを与え、そうでない子どもには職業訓練の機会を提供することなども、主な選択肢として考えられます。

今回ご紹介する新聞記事は、シーライツが2004年から支援してきたフレンズ(カンボジア語でミッサムラン)が若者に対して行っている職業訓練の成果と課題に焦点を当てています。専門的な技術を身につけて自立した生活を送れるようになった若者は数多くいるのですが、路上で物を売ったり、物乞いの生活を強いられてきたストリートチルドレンに職業訓練を提供し、ひとりだちできるようにしていくことはたやすくはありません。職業訓練によって得られる長期的な利益を理解してもらうこととその技術で一生涯収入を得られるようにすることは大変難しいことですが、フレンズはその難題に日々取り組んでいます。

 

「貧しい人にとって職業訓練を受けることは最良の選択肢なのだろうか」
プノンペン・ポスト紙 2011年8月10日号
Is acquiring vocational skills the best option for poor people?
10 August, 2011 Phnom Penh Post

プノンペン在住のキム・ソフィアさんは、オリンピックマーケット近くの活気のある通りに小さな店を借りて、自分の美容院として経営している。驚くべきことに、彼女はまだ19歳。さらに、彼女は8年生で学校を中退していた。

「私は勉強には興味がないのです」「学生だった頃、私はよく友達と学校をサボって、カラオケに行ったり、バイクに乗ったりして遊んでいました」と彼女は記者に話した。

もっと悪いこともしていたと彼女は告白したが、詳しい話は控えた。

娘のこのような状況を把握し、もっと悪い目には遭わせたくない、とキム・ソフィアさんの両親は彼女に職業訓練をさせるべきと決めた。

彼女は昔からおめかしをして、お化粧をするのが好きだったので、自宅近くの美容院で修業を始めた。それから一年の見習い期間中、彼女は300ドルを稼ぎ、今では、優れたヘアー・スタイリスト及びメイクアップ・アーティストとなった。まさに多才なビューティー・クィーンだ。

「学んだ技術でけっこう稼げるんです」とキム・ソフィアさんは笑顔で話した。

 

cambodia(2).jpg

                  ©Phnom Penh Post

専門的な技術を身につけることは、金銭目的以外の理由でも、従来の公教育に代わる、価値のある選択肢になり得る。ソフィアさんのように、専門的なスキルを学ぶことは、人生を正しい道へ戻すことにもつながる。

若者が一銭も払わずに、新たに職業訓練を受けられる場所が数多く存在する。

ブッティー(仮名、23歳)は、以前麻薬中毒に悩まされ、家族とも悪い関係にあった。現在、彼は、ストリートチルドレンが新たに幸せな生活を送れることを目標に活動しているNGOのミッサムランMith Samlanh(訳者注:フレンズ・インターナショナルの前身でいまはパートナー団体)のもとで、ヘアー・スタイリストになる訓練を受けている。

「中学生の時、両親が離婚したんだ」と一人っ子のブッティーは打ち明けた。ヘアー・スタイリストという大好きな職業の訓練を始めてからもう三年以上経ち、近ごろは自分のヘアー・サロンを開きたいと願っている。

 

camboda(1).jpg                 ©Phnom Penh Post

このような成功例がある一方で、自分勝手な若者が生産的な国民に変わるのは決して簡単ではない。政府や、国内や海外の団体によって、技術や職業訓練が無償で提供されているが、いくつかの理由によって、全く参加する意欲を見せない若者や子どももいる。

貧しい家庭の子どもは、家族を養うために働かないといけないため、技術訓練コースに参加させるのは難しいと、NGOのフレンズ・インターナショナルのコミュニケーションズ・マネージャー、クッ・ピアルンさんは言う。

「家庭状況が厳しいため、技術訓練を受けることを躊躇するストリートチルドレンがいる。家族のために、路上で物を売ったり、物乞いをせざるを得ず、休むことはできないのだ」と、クッ・ピアルンさんは言う。このような子どもたちの親は、技術を身につけることによって得られる長期的、かつ多くの利益ではなく、小さな商売で得られる短期的な利益のことしか考えていない、と付け加えた。

ミッサムランは、24歳以下の子どもたち1600人に、無償で教育と職業訓練を提供している。

「私達のチームは、常にもっと多くの子どもたちをここに呼んで、学べるようにしています」とクッ・ピアルンさんは言う。

労働・技術訓練省は、子どもや若者、また貧困で苦しんでいる大人、障害者、および他にも弱い立場にいる大人たちのために、実用的なスキルをもっと学べるよう、技術・職業訓練を強化するプロジェクトを開始した。訓練は、国内生産力を改善し、正規、および非正規の雇用を増やし、農村地域の雇用も増やすことを目的としている。

このプロジェクトの目的は単純だ:貧困を減らし、経済市場の需用に応えられる、熟練した労働力を提供すること。2015年までには、主に次の三つの部門に卒業生を送り込むことを目ざしている:機械工業、建設業、さらに情報・コミュニケーション技術産業。また、地方の訓練センターで学ぶ女性の数を増やし、自営業を促進しようとしている。

美容師とネイルの訓練を受けているスレイ・ポウさん(19歳)は、かつて孤児だった。他の人のために働き、いつか自分のお店を開けるように技を磨く、と語っている。

「習得したスキルによって、よりよい生活が送れるようになることを願っています」と彼女は明るく話していた。
(翻訳 深川久美子)

2010年度末に、スバイリエンにおける子どもの人身売買・児童労働防止活動のこれまでの成果と課題をふりかえる調査をおこないました。その結果、改善点や支援家庭のニーズがいくつか明らかになりました。今年4月からは、その改善点を実施するために、2010年度の事業地域(スバイリエン州チャントリア郡チャンリア、トゥールスデイ、サムラン、メサードゴークの4つのコミューン)でフォローアップ事業を行っています。
生計向上のための支援をおこなっている自助グループに聞き取りをしてわかった彼らのニーズの1つは、小規模なビジネスを始めたいと考えていることでした。しかし、貯蓄組合で積み立てたお金はビジネスを始めるには少額すぎるため、シーライツから元金を支援してほしいという希望が出されました。もう一つはビジネスを始めるためにトレーニングを受けたいということでした。フォローアップ事業ではその両方を6月に行いました。そこで今年6月に4つの自助グループを対象に小規模ビジネス研修を実施しました。
牛銀行と貯蓄グループ活動のフォローアップにおいては、孫ふたりを一人で育てているおばあちゃんなど、活動が直面する難しさについての報告が届きましたので、ご紹介します。
最後に生計向上支援と通学支援によって学校に行っている少女たちの一部をご紹介します。なお、今回の報告はカンボジア駐在の臨時スタッフの上田美紀とカンボジア人スタッフのブッティーからの報告をインターンの深川久美子が翻訳してまとめました。

1.小規模ビジネス研修
6月7日から10日にわたり、地域開発ワーカーのブッティーは、農村の貧困削減の専門機関からソッカーさんを講師に迎え、一緒に小規模ビジネスの研修を行いました。上記の4つのコミューンのタイマウ村、ドンタイ村、チェイ村、ディクラホム村の各自助グループ10世帯から全員40名が参加し、そのうち、17名が女性でした。
研修では、「収入向上」とは具体的に何を意味し、収入を向上させるためには、小規模ビジネスをどのようにして立ち上げ、うまく経営するべきかなどの説明がされました。研修の始めと終わりにそれぞれ約15分の事前テスト・事後テストが実施され、研修成果を確認しましたが、タイマウ村、ドンタイ村では9名が、チェイ村、デイクラホム村では5名が事後テストで合格するほど知識を得ていました。この小規模ビジネス研修が実際に各村でどのような成果を出すか、今後もフォローアップをします。

 

cambodia(1).jpg2.支援事業のモニタリングとフォローアップ事業:牛銀行活動と貯蓄グループ
6月13日から23日にわたり、ブッティーは、スバイリエン州チャントリア郡のチュレ、プレイコキー、チャントリア、トゥールスデイ、メサートゴーク、サムランのコミューン、バベット市のバティ・コミューン、コンポンロー郡のタナオ・コミューンで、①自助グループの収入向上、②牛銀行、③女の子の学校への出席率が改善されたかどうかの3点を確認するためにモニタリングを行いました。
牛銀行
牛銀行に関しては、子牛が生まれてうまくいっているグループがある一方で、親牛が感染病で死亡したり、逃げてしまったりして、牛銀行活動がうまくいかなくなり、活動を一時的に停止してしまったコミューンもあることが判明しました。
カンボジアの農村では、さまざまな理由でおばあちゃんに育てられている子どもを見かけます。プレイコキー・コミューンのティダ(仮名)(14歳)と弟のウェスナー(9歳)もおばあちゃんのサブーンさん(56歳)に育てられています。というのも、お母さんは病気で亡くなり、お父さんは家を出ていってしまったからです。シーライツはこの家庭に牛を支給しましたが、サブーンさんには稲作をする土地がなく、自家製のお菓子を売ったり、稲刈りの手伝いをしながら孫たちを養ってきました。
ブッティーが訪問したところ、残念なことに、ティダが学校へ毎日通っていないことがわかりました。サブーンさんに理由を尋ねると、「孫たちには学校へ通ってほしいけれども、食べ物さえ毎日確保できない今のままでは難しいです」との答え。ブッティーがHCCの施設にティダを預けることを勧めましたが、「家事の手伝いと老後の面倒をみてほしいため、預けることはできない」と断わられたそうです。このままだとティダは学校をやめざるを得なくなってしまうかもしれません。サブーンさん家族が安定した生活を送り、孫二人を学校へ通わせることができるようにサブーンさんの収入が上がるためにどうすればいいか、今後しっかり考えて解決策をみいだしたいと思っています。

 

cambodia(3).jpg貯蓄グループ
村の銀行から借金をすると、高い利子を課せられ、万が一借金が返済できなくなったら家を没収されてしまう可能性があります。このような最悪な状況を避けるために、自助グループ単位で積立金を集め、そこからお金を貸出す貯蓄組合をつくっていますが、金銭的に苦しい状況にある家族が助け合うことによって、対象家庭が貧困から抜けだすことをめざしています。たとえば、タイマウ村のヘム・ティンさんは、気管支炎にかかってしまった娘の薬を購入するために50,000リエル(約12ドル)を借りました。
しかし、貧しい家庭にとって2000リエル(40円)を積み立てることも簡単ではありません。プーマオーム村で、対象家庭を1軒ずつ訪問して直接話を聞いたところ、グループリーダーが集金をしに回った時、積立金を納めなかった家族があったり、積極的に積立ている家族が、積立を疎かにしている家族がいることを知り、活動を止めてしまったこともありました。さらに、このグループの積立金額が十分ではなかったため、何人かのメンバーは村の銀行からお金を借りていたことが判明しました。このような悪循環を止めるために、ブッティーは、グループリーダーに、毎月必ずミーティングを開き、各家庭の積立の状況を確認し、お互いアイディアを出しあうことを勧めました。

3.子どもたちの声
このように、収入向上支援においてはさまざまな困難に直面しますが、うまくいっている家庭の少女たちは元気に学校に通っています。そんな少女たちの一人を紹介します。サムラオン小学校6年生のコーン・ソフィアちゃん(仮名 13歳)は、「お父さんは以前工事現場で働いていたけれど、今は病気で働いていません。私が学校へ通えるように、お母さんがお父さんの代わりに村に出て、いろんなものを売って生活しています。私の家族はシーライツとHCCから牛や野菜の種、稚魚をもらって、とても助かっています。将来の夢は先生になることです。」と手紙に書いていました。
シーライツは収入向上の支援以外にも、通学支援として、お米を支給していますが、その対象となっている子どもたちの声も紹介したいと思います。チャン・ロムドルちゃん(仮名10歳)は「私は学校が大好きです。これからもずっと通いたいと思います。大きくなったら先生か看護師になりたいです。先生になることができれば、家族を支えるために収入を得ることができるからです。もしくは看護師になってお母さんが病気の時に世話をしてあげたいと思います。」と話してくれました。また、リー・チャンナ ちゃん(仮名 13歳)は、「私は、たくさんのことを学べるから学校が大好きです。中でも私は算数が一番得意です。将来は、工場で働きたいと思います。なぜなら、家族がお腹いっぱい食べられるように食べ物を買いたいからです。」と話していました。

 


cambodia(4).jpgシーライツは、カンボジアの子どもたちが出稼ぎに行かなくてもすむように、今後も現地の大人と子どもたちの声に耳を傾けながら、困難を乗り越えて、収入向上と通学支援活動を続けていきます。


| 2ページ目/全19ページ |

寄付のお願い
最近の記事
カテゴリー
月別アーカイブ
 Copyright(C) (特活)国際子ども権利センター All rights reserved.