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2009年9月アーカイブ

Tomdy Center Modified_1.jpg甲斐田です。

前回に引き続き、シーライツが支援するアフェシップの創設者であるソマリー・マムさんに関する記事を会員の小味さんに翻訳していただきましたのでお届けします。今回はソマリーさんが、人身売買の被害に遭った女性たちをどのようにエンパワーしようとしているか、そして、彼女がドナーから支援を得るにあたってどのような苦労をしているかが描かれています。

8月にシーライツ主催のスタディツアーでアフェシップの施設の保育室(シーライツ支援)を訪問し、保育室を利用しながら職業訓練を受けている若いお母さんたちと交流をもちました。短い交流でしたが、訪問した私たちが、体験を乗り越えて力強く生きていこうとしている彼女たちを応援したいという気持ちが伝わったのか、別れるとき、女性たちは笑顔と涙で見送ってくれて、私たちもとても励まされました。

写真はそのときの様子です。

AFESIPのトムディセンターで保育サービスを利用する女性たち。右は保育士のニエットさん。ニエットさんはアフェシップの職員と結婚し、もうすぐお子さんが生まれます。©C-Rights

 

困難の中から立ち上がってきたヒーロー~ソマリー・マムとのインタビュー
An unlikely hero: Interview with Somaly Mam
2009年6月5日
INSEAD(訳注:フランスとシンガポールにキャンパスを持つビジネススクール・大学院)
出典:UNIAP Cambodia News Digest May 29,2009

 

ソマリー・マムは、努力家で、精力的で、影響力のある、疲れを知らないリーダーだ。これが、タイム誌の「世界に最も影響を与えた100人」さらにCNNヒーローに選ばれた理由でもある。
ソマリー・マムは、ヒーローっぽくない。彼女自身が人身売買の被害者で、12歳の時にカンボジアの買春宿に売られた。約10年後、あるフランス人の援助関係者の助けで逃げ出し、1993年にパリへ渡った。2年後、カンボジアに帰国して、「Agir Pour les Femmes en Situation Precaire (AFESIP)-困難な状況に置かれた女性のための活動」を創立した。39歳の今、彼女とその団体は、カンボジアや他のアジア諸国で、何千人もの子どもや女性たちを救出し、教育を保障し、職業訓練を提供している。世界中で、人身売買に対するキャンペーンも実施している。先日、ソマリー・マムはシンガポールのINSEADのアジア・キャンパスにおける講演会に先立って、'INSEAD Knowledge'(訳注:動画やニュースレターを配信しているサイト)のインタビューに応じた。

 

「私たちは(人身売買の被害者に)どうやったら立ち上がって闘えるのかを説明します。彼女たちに、立ち上がって世界中に希望があることを示そう、と話しています。」数々の困難を経験したにも関わらず、ソマリー・マムは希望に溢れている。彼女が最も苛立つことは、汚職への対処である。人身売買業者と組織だった犯罪グループは、裁判所や警察に影響を及ぼし、彼女の仕事を振り出しに戻してしまう。「彼らはお金があり、何でもお金で解決できてしまう」と言う。

マムの団体は、草の根レベルで活動し、人身売買被害者である女性や子どもたちを助けている。彼女は、地球規模の問題解決には、ローカルNGOと大きな国際機関の双方の協働が必要だと信じてはいるが、その調整には、行動する時間よりもはるかに話し合いの時間が多いと感じている。マムの時間の過ごし方は、大きなNGO職員の過ごし方とは違う。彼女にとっては一日一日が貴重だが、大きなNGOにとっては、1日も1年もそんなに長い時間ととらえられていない。「買春宿にいれば、1日はとても長いのです。」とマムは言う。

 

AFESIPはお金も必要だけれど、同時に、世界全体を啓発するボランティアや援助も必要としている。「どの女性もどの子どもも虐待されたくない」と彼女は言う。「もし風俗街で彼女たちとすれ違っても、見下さないでほしい。」それ以上に、人身売買との闘いで必要なのは、男性への教育だろう。「本当にこの問題を終わりにしたかったら、需要をなくさなければなりません。」

 

AFESIPによって救出された女性や子どもたちは、安心できる居場所、教育、職業訓練を得てやっと、永久に買春宿と縁を切ることができる。「彼女たちに法律家になってほしい。自らの大変な経験をふまえて、決して買収されることはないでしょう。」とマムは言う。
彼女は、Lexis-Nexisが、財団に貢献してくれたことを評価する。資金支援だけでなく、助成金申請書作成の専門技術、技術支援、専門家たちの時間も提供してくれた。ある中堅管理職は、仕事時間の半分を彼女のサポートに費やしてくれたそうだ。

 

マムと彼女の団体は、世界的なセレブ、アンジェリーナ・ジョリーやスーザン・サランドンなどからの世間の注目を引くサポートも受けている。こうした人の影響力と人脈は、多くの人の関心を集めるために役立つと、マムは言う。「私が欲しいのはお金だけではなく、みなさんに来てもらって、私の世界を見て欲しいのです。この世界はとても底が深くて、私は5千人の少女を救出したけれども、まだまだたくさんいるんです。」そして、より小さな子どもが人身売買業者に狙われるようになってきていると、マムは付け加える。

 

ドナーや援助関係者への対応は、死の恐怖より頭の痛いことだと、マムは言う。「分をわきまえて話さなければならないけど、私はそういう教育を受けることができませんでした。」「彼らに私を理解してもらうことは大変骨が折れますが、これは私の課題です。」
「私のゴール? 子どもたちを助けて幸せにすること」カンボジアの現場で、マムは少女たちを少しずつ、でも着実に助けている。

(翻訳・小味かおる 2009年8月2日)

就任のご挨拶

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Nagashima_Blog.JPGこんにちは、カンボジア事務所長の筒井です。今日はいいお知らせがあります。ついに、念願の新しい駐在員がカンボジア事務所に着任しました!さっそく、彼女に自己紹介を始めてもらいたいと思います。これまでは、ブログの更新が滞っていましたが、今後は2人で協力して、定期的更新を目指します!

 

初めまして。8月末よりカンボジア事務所に赴任いたしました、長島千野(ながしま・ちや)と申します。今後、筒井と一緒に「カンボジアだより」を担当させていただきます。それでは簡単に自己紹介させていただきます。

 

米国の大学を卒業後、日本に帰国して半導体の企業で約5年働いておりました。そのかたわら、貧困・人権問題などに関心があり、自分に出来る些細なことでも、と思いNGOでファンドレイジング等のボランティアを行っておりました。シーライツで仕事をする決意をした理由は、もっと多くの時間を「大切」と思えることに費やしたい、企業で働いている自分は、自分らしさに欠けるという思いが積み重なったからです。児童労働反対世界デ-のイベントでシーライツと出会い、子どもの人身売買、性的搾取、児童労働などの被害を出さないようにする「予防」の活動の方に力を入れていること、また日本人が直接支援するのでなく、カンボジアの文化を良く理解している現地パートナーNGOと協働でプロジェクトを行っていることに共感し、現地で活動したいという気持ちから、カンボジア事務所で働こうと思いました。 カンボジアでの性的搾取の加害者に多くの日本人がいることも、シーライツのカンボジアの活動に関わりたいと強い思いを抱いた理由の一つです。

 

プロジェクト地やパートナーNGOを実際に訪問し、頑張っている子どもたちやパートナーNGOのスタッフの姿を見たとき、本当に嬉しく思いました!子どもの人身売買、性的搾取、児童労働を予防するネットワークメンバーの子どもたちは、自分自身とコミュニティーの人びとを守ろうと一所懸命活動していて、その姿がとても誇らしげでした。そんな子どもたちと周りの大人たちの力になれるように、頑張っていきたいです。

 

さて、カンボジアに来て早1ヶ月が経ちました。私は、米国とヨーロッパ諸国しか行ったことがなかったので、来る前は何かと不安だったのですが、不思議なことに着いた瞬間からあまり違和感がありませんでした。街は想像していたより栄えていて、交通手段(バイクタクシーとバイクに2輪座席がついたトゥクトゥクしかないので)以外はあまり不便さを感じません。そして会う人ほぼ全員(特にカンボジア人)に、「カンボジア人だと思った!」と言われ、いつもクメール語で話し掛けられ、なんだかここが自分の祖国のような気さえしてきた今日この頃です。

 

皆さまには、今後より多くの現地の情報配信を行っていけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

2009年6月、米国務省の人身売買報告書2009が発表されました。
カンボジアは、2008年には政府の努力がみられるとして、ランク2に引き上げられていましたが、2009年は、人身売買にかかわった者の処罰や被害者保護に対して、後退が見られるという理由から、再びランク2監視リスト(監視対象国)となりました。

 ≪参考≫
ランク1米国「人身売買被害者保護法」に基づく最低基準を十分に満たしている
ランク2:同基準を満たしていないが、同基準到達のため相当の努力をしている
ランク2監視リスト:同基準を満たすために相当の努力をしている一方成果が出ていない
ランク3:同基準を満たしておらず改善努力もなされていない


2009年人身売買報告書 -カンボジア2009 (和訳) PDFファイル

Trafficking in Persons Report 2009 - Cambodia (原文)


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