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2011年3月アーカイブ

離任のご挨拶

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                        筒井さん.jpg                  カンボジア事務所スタッフ(左から長島、筒井、チョムロン) @シーライツ

カンボジア事務所の筒井です。任期満了にともない、3月いっぱいをもちまして離任することとなりましたことを、この場をお借りして支援者のみなさまにご報告いたします。私にとって、カンボジアでの職務はチャレンジの連続であり、自信の獲得と喪失の浮き沈みの激しい期間でした。まったく新しい土地であったカンボジアが、2年という時間の流れとともに、善し悪しひっくるめて愛すべき対象へと変わりました。業務上に限らず日常生活においても、私の「常識」が通用せず憤慨することもあれば、心優しい手を差し伸べられ感動することも多々ありました。今後の私の義務は、カンボジアで得た経験を新しいチャレンジの場で活かすことであり、そうすることで感謝の気持ちを還元したいと思います。これもみなさまのご支援あっての賜物です。心よりお礼申し上げます。最後になりましたが、引き続きシーライツをよろしくお願いいたします。

カンボジア事務所の筒井です。

プラサー小学校分校建設から早くも1年が経過しました。時がたつというのは本当に早いものです。このプロジェクトは"ぽけっと"のみなさまが「カンボジアに学校を建設し、現地の子どもたちへより良い教育の機会を提供すること」を目標として集められたご寄付によって始められたものです。今回は、校舎完成後1年たったということで、モニタリングに行ってきました。

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現在も問題なく立派な校舎@シーライツ

校舎建設の事前調査のころは42名だった児童数が、完成から1年がたち現在は61名(うち35名が女子)まで増え、今後も増えることが予想されています。また、教師の数も1名から2名に増えました。午前に1、2年生、午後に3年生が授業を受けています。教師によると、校舎にこれまで構造的な問題は何も見つかっていません。教室の壁には、建設したばかりの時には見られなかった地図や出席表などが張られ、充実した学習状況がうかがわれました。

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絵を描く子どもたち@シーライツ

支援した教科書はすでに配布され、新たに政府から支給された教科書が本棚に保管されていました。遊具については、ブランコが高く上がりすぎることを心配した教師が木材によって補強し、さらに安全性が保たれるようになりました。

 

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ブランコで遊ぶ子どもたち@シーライツ

校舎完成とともに渡された自転車でこぐタイプのシクロクリーン(濾過機)は継続してきちんと使用されており、子どもと教師らに安全な飲料水を提供し続けています。使用方法は実演して伝えていましたので、これまでのところフィルター交換などに支障はでていませんが、使用マニュアルをクメール語に翻訳して次回訪問する時に渡す予定です。シクロクリーンは校舎内に保管され、開校されているときは毎日使用されています。付近の住民からも親しんで利用されている様子でした。以下は、子どもからの声です。

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濾過機から水を汲み子ども@シーライツ

子どもからの声:
「新しい学校で勉強できてとてもうれしいです!勉強したいので、毎日学校に来ています。」「少しずつ文字が読めるようになってきました。学校の先生もとてもやさしいのでうれしいです。将来は、先生になって子どもたちに勉強を教えたいです!」
「井戸のお水はにおいがしておいしくないけど、シクロクリーンを使うとにおいもしなくてとってもおいしいです!学校に来ると毎日使っています。ときどき、お家から入れ物を持ってきて、シクロクリーンのお水をくんで、お家のみんなで飲んでいます。」

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全員集合写真@シーライツ

児童数の増加に伴い教師も増えたこと、学習教材が充実していたこと、校舎の壁のペインティングがきれいに残っていたこと、植えられた苗木が順調に育っていたこと、教師が子どもたちに信頼されていたこと、なにより子どもたちが勉強できて幸せそうであったことをとても嬉しく思いました。

カンボジア事務所の筒井です。

先月、スタディツアーを終えてすぐ、参加型評価ファシリテーターの田中博(たなか ひろし)さんにカンボジアまで来ていただきました。JICAの「NGO海外プロジェクト強化のためのアドバイザー派遣制度」を活用して指導していただけることになりました。今回は、田中さんに研修いただいた参加型評価についてお話ししたいと思います。

田中さんの「参加型評価で改善!のブログ」は以下のリンクをどうぞ!
http://blog.livedoor.jp/sankagatahyouka/archives/4152633.html

シーライツがカンボジアで実施しているどのプロジェクトにも、達成しようとする目標があり、そのための活動も計画され、予算、期間、人材の投入などが決められています。簡単にいうと、誰がどのくらいの期間、どれくらいのお金を使って何をどのように進めるか、という流れがそれぞれのプロジェクトにあります。その過程には、プロジェクトの進捗具合がうまくいっているか確認する「モニタリング」と、プロジェクトの成果がきちんとあがっているか調査する「評価」が組み込まれています。評価で浮かび上がった成果と問題点は、フォローアップによって改善されたり、新しいプロジェクトに反映されていきます。

評価はプロジェクトのあらゆる段階で実施することがありますが、今回、田中さんにサポートいただいたのはスバイリエンのプロジェクトで、今年度新たに対象地とした4コミューンの評価です。評価は、プロジェクトのうまくいっているところやそうでないところを明らかにし、改善するための作業です。それは評価実施者にとっても学びの過程であり、明らかになったプロジェクトの成果や問題点は、いずれは支援者のみなさまに公開することになります。参加型評価の一番の特徴は、プロジェクトの受益者である住民と関係者も参加するという点です。私たちシーライツのスタッフだけではなく、住民・関係者も一体となりプロジェクトの評価を実施しました。そうすることにより、住民と関係者の主体性が強化され、よりよいプロジェクトの実施に向けて当事者がエンパワーされます。

 
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参加型評価研修の様子©シーライツ

 

 

ファシリテーターの田中さんには、お忙しいところ恐縮でしたが、2週間という過密日程でご指導をお願いしました。全体の流れとしては、まず田中さんよりシーライツとパートナーであるHCCのスタッフに対して参加型評価の研修を実施していただき、何をどのように評価するのかという評価の目標を設定し、そのためのデータ収集の準備を行いました。


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SBPNのグループディスカッション
©シーライツ

 

2月21日から23日まで3日間、実際にスバイリエンでフィールド調査を行いました。今回の調査はカンボジア人スタッフを中心に進められ、インタビューもグループディスカッションのファシリテーターもカンボジア人スタッフが重要な役割を務めました。しっかりした質問票を事前に作成し、インタビューとファシリテートの予行練習を行っていたこともあり、全体をとおして調査は順調でした。SBPN(啓発のための子どものネットワーク)は4校、CBPN(啓発のためのおとなのネットワーク)は13名、生計向上支援は15名(インタビュー自体は13回)、通学支援は15名インタビューを実施しました。

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研修終了後の打ち上げ©シーライツ

 

調査が終わったら、収集されたデータの集計です。膨大なデータを相手とする骨の折れる作業でした。普段、データの集計や分析を行わないフィールド・スタッフは若干苦戦していましたが、次第に慣れていき、今回の研修はカンボジア人スタッフの能力向上にも大きく貢献したと思います。最後に、集計されたデータの分析に移りました。日本人とカンボジア人、あるいは上司と部下の垣根を越えて、活発な議論が繰り広げられました。

SBPNの子どもたちは、研修で学んだことをよく覚えており、とても熱心に活動していました。通学をやめてしまった児童の家庭を訪問して、学校に来るよう説得し、復帰したケースも実際にありました。問題点としては、メンバーが学校を卒業した後にどのようにネットワークを維持するのか、そのルールをもっと分かりやすくすることと、子どもたちの活動をサポートするための教材が不足している点などがあげられました。CBPNのおとなたちも、地域の月例会や家庭訪問で子どもの権利や人身売買の危険性などについて積極的に情報を伝えてくれていました。おとなたちは子どもたちの活動もサポートしてほしいのですが、そのためには改めて研修を行わなければならず、今後もフォローアップが必要であることが分かりました。

生計向上の支援をうけた家庭の子どもたちはしっかり学校に通っており、家庭菜園の支援は特に効果がありました。今後は、育てた野菜をどのように販売して現金収入につなげるかが課題です。通学支援をうけた子どもたちも、全員学校に通い続けていました。ほとんどの子どもが、成績もあがったと答えており、字が読めるようになったり、より勉強熱心になりました。これまでは通学支援をうけている子どもたちには子どもの権利の研修を提供してこなかったので、これからは研修を実施したり、SBPNの活動に参加してもらうことが重要であることが分かりました。

このように、もちろん問題点も見つかりましたが、それ以上によい成果があがっていることが最終的に判明し、私たちは次に計画しているプロジェクトに対して自信を深めることができました。

評価報告書が完成次第、支援者のみなさまとも何らかのかたちでさらに具体的な成果と問題点を共有する予定です。田中さん、お忙しいところどうもありがとうございました!


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