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2011年6月アーカイブ

【報告】2011年通常総会

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シーライツでは、2011年度通常総会を6月25日に開催しました。

総会は、昨年と同様にJICA広尾センター(JICA地球ひろば)で行われ、正会員総数63名のうち48人の出席(うち書面表決者23人、表決委任者20人)がありました。

最初に、2010年度の事業と決算についての報告がされ、承認されました。以下はその主なものです。
・国税庁より認定NPO法人として認定された。
・就業規則ほか各種規定を見直し、育児・介護休業規程などを新たに整備した。
・カンボジアで新たに4つのコミューンで子どもの人身売買・児童労働防止事業を実施。、10の子どものネットワークと4つの地域リーダーによるネットワークを結成し、野菜栽培、蛙・魚養殖、牛飼育、貯蓄組合の研修を40世帯に実施し、牛40頭を支給。貧困家庭の少女50名に通学支援として学用品、100名にお米を支給した。
・過去5年間のカンボジアの事業の成果を見るために外部評価、参加型評価を実施した。
・カンボジアに渡航する日本人旅行者を対象にストリートチルドレンを守るキャンペーン活動を実施し、2万人にトラベラーガイドを配布した。

次に、2011年度事業計画・予算案の説明があり、修正を加えた上で承認されました。
今年度は「子どもとともに子どもに対する暴力をなくす」ことをテーマにカンボジアと日本国内で子どもの権利普及活動を普及させていくという方針が発表されました。
以下はその一部です。
・「外務省NGO連携無償資金協力」(現在審査中)が採択されることを目指し、カンボジア・スバイリエン州における人身売買および児童労働防止事業をシーライツ独自で実施していく。ベトナムに物乞いに出される子どもがほかの子どもへ啓発活動が実施できるようはたらきかけること、貧しい家庭が十分な食糧を得られるように農業技術を高めるトレーニングを行うことなどを新しく始める。
・日本国内において、チャリティーイベントやワークショップを頻繁に実施したり、ツイッターなどのソーシャルメディアを活用することで、子どもの権利普及と支援者拡大をはかっていく。

最後に、役員の選出が承認され、総会は無事に終了しました。

※資料は、以下をご覧ください。
2010年度事業報告(PDF)
2010年度決算報告(PDF)
2011年度事業計画(PDF)
2011年度事業予算(PDF)

 

国際子ども権利センター(C-Rights)では、8月6日に、ヒューマン・ライツ・ウォッチの日本ディレクターの土井香苗さんをお迎えし、子どもの人権をグローバルに考えることの大切さについてお話を聞きます。
また、C-Rights(シーライツ)代表理事の甲斐田万智子より、カンボジアで売られたり、児童労働の被害に遭っている子どもたちとその子どもたちの権利を守るためのシーライツの活動についてお話します。
トークセッションでは、二人がそれぞれ国際人権と子どもの人権にどのようにして熱い思いで取り組むようになったのかを語り合います。

当日は、お野菜中心の体に優しいお食事をご用意しております。
本イベントの参加費の収益は、カンボジアの子どもたちが人身売買の被害にあわないで、学校に通えるよう支援するシーライツの事業に使われます。

 

【スピーカー】

doi_kanae.jpgのサムネール画像土井 香苗
(ヒューマン・ライツ・ウォッチ 日本ディレクター)
1975年8月神奈川県生まれ。1996年に司法試験に合格後、大学4年生の時、NGO ピースボートのボランティアとして、アフリカで一番新しい独立国・エリトリアに赴き、1年間、エリトリア法務省で法律作りのお手伝いのボランティア。その後、1998年東京大学法学部卒。2000年司法研修所終了。2000年から弁護士。普段の業務の傍ら、日本にいる難民の法的支援や難民認定法の改正のロビーイングやキャンペーンにかかわる。2006年6月米国ニューヨーク大学ロースクール修士課程終了(国際法)。2007年、米国ニューヨーク州弁護士。2006年から、国際NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチのニューヨーク本部のフェロー。2007年から日本駐在員。2008年9月から日本代表。2009年4月に東京オフィスを明治大学駿河台キャンパス内に設立。2010年4月よりCS 朝日ニュースター「ニュースの深層」のキャスター、2011年3月からはテレビ朝日「サンデーフロントライン」のニュース選定委員も務める。2010年エイボン女性賞受賞。2011年Yong Global Leader (YGL)。著書に「巻き込む力 すべての人の尊厳が守られる世界に向けて」(小学館2011年)、「"ようこそ"といえる日本へ」(岩波書店2005年)、「テキストブック 現代の人権 第3版」(日本評論社2004年)など。

 

kaida_machiko.jpgのサムネール画像甲斐田 万智子
(認定NPO法人 国際子ども権利センター 代表理事)
1960年生まれ。日本ユニセフ協会、イギリスのサセックス大学開発問題研究所修士課程、インド滞在をへて1996年に国際子ども権利センター(C-Rightsシーライツ)に参加。インドの児童労働問題に取組む。子どものエンパワーメントのために子どもの参加の権利を普及。2003年から4年間カンボジアに駐在し、カンボジアの子どもの人身売買、児童労働をなくす活動に従事。子どものときに人身売買の被害に遭い、人身売買根絶に取組むアフェシップを創設したソマリー・マムさん(『幼い娼婦だった私へ』文芸春秋社の著者)に出会う。昨夏に帰国。共著に『国際協力を仕事として』(弥生書房)、編著に『立ち上がる世界の子どもたち』(ポプラ社)など。立教大学・桜美林大学非常勤講師。

 

認定NPO法人 国際子ども権利センター(C-Rights)について
1997年から昨年までインドの児童労働問題に取組むプロジェクトを実施。ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査報告書『見えない鎖につながれて ~インドの債務児童労働』(明石書店)、『小さな変革 ~インドシルクという鎖につながれる子どもたち』(創成社)2003年からカンボジアで子どもの人身売買・児童労働防止事業を実施。国内ではワークショップなどを通じて国連子どもの権利条約を普及。カンボジアへの旅行者にはたらきかけるチャイルドセーフ事業も実施。

【プログラム】 
1.ごあいさつ
2.土井香苗さんのスピーチ
3.甲斐田万智子スピーチ
4.歓談・お食事
5.「Human Rights土井香苗×Child Rights甲斐田万智子」トークセッション
6.質疑応答

【日時】
2011年8月6日(土) 午後3時から5時

【会場】
シーズフォートC's fort  HP:http://csfort.fumotoya.com/
東京都港区北青山3-9-2 AQUA1F
Tel:03-6427-4600
☆アクセス:東京メトロ千代田線 表参道 A1 出口 徒歩3分
      東京メトロ銀座線・半蔵門線 表参道 B2 出口 徒歩3分 
Map:http://csfort.fumotoya.com/access.html


【参加費】
お一人様 5,000円
(軽食・2ドリンク付き) ※税・サービス料金含む 
※小学生以下のお子様(乳幼児含む)をお連れになる場合は、別途ご相談ください。
◆重要◆お申し込み受付け後、事前にお振込をいただきます。(5日以内)
なお、一度お振込いただいた参加費の返金は致しかねます。ご了承ください。
但し、ご家族やご友人にお譲りいただくことは可能です。必ず、変わられた方のお名前をシーライツ事務局までお知らせください。

【申し込み締切】
定員(40名)になり次第、お申込受付を終了致します。

【お申込み・お問合せ】
認定NPO法人 国際子ども権利センター(シーライツ)事務局
◆お電話の場合:03-5817-3980 (平日午前10時から午後4時)
◆Eメールの場合:件名に「チャリティートーク申し込み」、
本文に(1)お名前 (2)参加人数(複数名の場合は、全員のお名前をお書きください) (3)ご住所 (4)連絡先電話番号
をお書きいただき、info@c-rights.orgへお送りください。
同アドレスより、参加費のお振込口座番号などのご案内をいたしますので、迷惑メール設定をされている方は解除願います。


【主催】NPO法人 国際子ども権利センター(シーライツ)
〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3階
Tel & Fax: 03-5817-3980
E-Mail:info@c-rights.org

カンボジア事務所の長島です。

前回ご紹介した、子どもを守るためのヒントが書かれた、カンボジアへの旅行者用リーフレット「チャイルドセーフ・トラベラーガイド~カンボジアのストリートチルドレンを助ける7つの方法」で触れている孤児院ツアーについて、「孤児院ツアーって一体なに?」と聞かれたことがあります。カンボジアでは、観光客を積極的に招き入れて寄付を募り、子どものためにお金を集めるのではなく、子どもを使ってお金を儲ける孤児院ツアーが存在します。例えば、空港からタクシーに乗った時、運転手に孤児院に行かないかしつこく誘われ、行ってみると寄付をお願いされた人の話を聞いたことがあります。タクシーの運転手は孤児院から仲介料をもらっているそうです。孤児院ツアー・ビジネスは年々拡大していると言われていて、ユニセフによると、カンボジアの孤児院の数が過去5年で倍増しているそうです。今回は、その背景にはどういうことがあるのかが分かる記事を紹介したいと思います。

カンボジアの孤児院で生活している子どもは、両親または片親がいない(死別または、身よりがいない)、親はいるが貧困や虐待などの事情で孤児院に預けられている状況(*)で、記事にあるように大半の子どもには片親がいます。愛情を持って子どもを育てている孤児院ももちろんあり、学校に行けず働かされたり、売られたり、差別されたりするよりは施設で育った方がいいという考えもあります。子どもひとりひとりの状況によって何がその子にとってベストかは違いますが、子どもを施設で養育することは、最後の選択肢であるべきです。その代わりに、可能な限りコミュニティーで育つことができるように、養育者の収入や育児能力の向上を支援することがベストだとシーライツは考えます。

旅行している時に、孤児院訪問を勧誘されたら、この問題について考えてみてください。わたしたち、ひとりひとりの行動が、子どもが搾取されたり、親が子どもを安易に手放してしまうことを助長する可能性があるからです。

 

カンボジアの孤児院は善意ある旅行者の財布を狙う
The Independent 2011年3月25日
プノンペン ロバート・カーマイケル記者
http://www.independent.co.uk/news/world/asia/cambodias-orphanages-target-the-wallets-of-wellmeaning-tourists-2252471.html

カンボジア政府は、国内の12,000人の孤児の大半に少なくともどちらか一人の親がいることが明らかになった後、250施設以上の孤児院に対して調査を始めた。政府は、調査が完了するまでは子どもたちが適切に養育されているかどうかは分からないと話した。

海外からのNGOは、親が子どもを手放しやすくなるように孤児院が子どもに食料、住まい、加えてカンボジアでは特に大切な教育を約束するという甘い言葉を親にかけているのではないかと考えている。子どもを預かることのできたこれらの孤児院では、呼びかけに応じて施設を訪問する慈善団体や欧米の観光客からの多大な寄付を期待できるのである。
子どものための国連機関であるユニセフのカンボジア事務所所長リチャード・ブライドル氏は、調査では両親共に亡くしているのは孤児院の子どもたちの28パーセントであることが明らかになっており、少なくともどちらか一人の親をもつ残りの何千人もの子どもたちがなぜ施設内での養護下に置かれるのか疑問であると話した。ユニセフは、過去5年間で孤児院の数が153施設から269施設と倍近くに増えたことに懸念を示している。そのうちわずか21施設が公的施設で、残りは民間団体によって運営されており、その大半は宗教的奉仕活動に基づいたものなのである。

「施設におけるケアの主な支援者は海外のドナーであり、多くの施設は支援者を引き付けるため観光業に転向し、それによって子どもたちを危険に陥れている」とブライドル氏は話す。

過去5年間にわたるカンボジアの養護施設数の増加率は、同じ期間にカンボジアを訪問した旅行者の数の増加と一致する。カンボジアの三大観光地であるプノンペン、遺跡群のあるシェムリアプ、海岸リゾートのシアヌークヴィルへの訪問客は通常、民間の孤児院を訪れ寄付をしないかというリクエスト攻めに遭う。

ゲストハウスはたいてい旅行客に特定の孤児院を訪れるようにお願いするポスターを掲げている。プノンペンのある孤児院訪問を薦めるポスターには、英語を教え子どもたちと遊ぶことから、食料やおもちゃ、学用品や現金を寄付することにいたるまで、「いろいろなかたちで」助けることができると書いてある。別の孤児院では「カンボジアの子どもたちはあなたの助けを求めています!」と訴える掲示をしていた。ブライドル氏は、「善意を持って訪れた観光客やボランティアでさえ、子どもたちを家族から引き離すシステムを支えている」と話す。

「ユニセフはかつて孤児院は意味があったと認識しているが、施設における保護は最終手段とすべきだ。ひとり親もしくは地域住民によって養育されたほうが子どもたちにとって遥かに良く、コストも低くすむからだ。」とブライドル氏は話す。

ストリートチルドレン問題に取り組むNGOのフレンズ・インターナショナルのセバスチャン・マロ代表は、「孤児院観光ビジネスは、子どもたちを悪用する皮肉なマーケティング策略に過ぎない。このシステムは非常に単純で、みすぼらしく、寂しそうに見える子ども数名を施設に置き、観光客の気を引こうとしているだけだ」と話す。

観光客が渡したお金は通常子どもたちのためにはならない。理由は「そうしないと商売にならないからです。お金はどこかに行き、子どもたちは貧困に置かれたままで、みすぼらしいまま。それが観光客をより引きつけ、荒稼ぎをすることにつながるのだ」と話す。

(多田衣美子・訳 2011年4月25日)
*カンボジア語では、両親または片親がいない、何らかの事情で親から手放された子どものことを「
コッマー・コンプリア」と言い、そういった子どもたちが生活している施設は「マンドール・コッマー・コンプリア」と呼ばれています(マンドールはセンターという意味)。英語に訳すと「orphanage」という言葉は、現在、日本では、孤児院という言葉は使われず、「児童養護施設」という表現されるようになっていますがここではカンボジアでの文脈に合わせて「孤児院」と訳してあります。また、ユニセフの定義する孤児は、「片親または両親を失った子ども」で、フレンズ・インターナショナルは「死別または失踪により両親を失った子ども」です。

▼チャイルドセーフ・トラベラーガイドはこちらからダウンロードできます。
http://www.c-rights.org/childsafe/

▼カンボジアの孤児院について詳しく知りたい方はフレンズ・インターナショナルの「カンボジア孤児院の誤解と現実」をご覧ください。
http://www.friends-international.org/ourprojects/myth-realities_detail.asp

 


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