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2011年9月アーカイブ

こんにちは。
インターンの深川です。
夏休みの二か月があっという間に過ぎ、8月いっぱいでインターンを任期修了しました。

 

子どもの権利が守られる社会を築き上げる上で、シーライツが大切にしている「エンパワーメント」という考え方は、学問的な知識としてはもっていたつもりでしたが、どのようにして現場で実践されているのかを今回のインターンを通して知ることができ、たいへん勉強になりました。まわりの大人だけでなく、子どもたちが自分のもっている権利を理解し、主張でき、自らがそれらの権利を守れるように「エンパワ―」する教育やトレーニングを行う重要性を改めて考えさせられました。子どもが職業訓練を受けられる権利は子どもの権利条約第28条で定められています。国際機関や海外のNGOへの「援助依存症」が世界各地で深刻化し、警鐘が鳴っている中、現地の人が海外援助の依存から抜け出し、自立するために「エンパワーメント」はますます必要不可欠になるでしょう。

子もたちが貧困から脱出し、強制労働や人身売買の被害に遭わないようにするためには、具体的にどのような形で「エンパワ―メント」を進めるべきか、大きな課題です。例えば、子どもの「エンパワーメント」を実現する重要なステップとして、まず国が責任をもって子どもが全員、基礎教育を受けられるように環境を整えることが挙げられます。さらに、基礎教育を受けた後、学問を続けたい子どもには勉強を続けるチャンスを与え、そうでない子どもには職業訓練の機会を提供することなども、主な選択肢として考えられます。

今回ご紹介する新聞記事は、シーライツが2004年から支援してきたフレンズ(カンボジア語でミッサムラン)が若者に対して行っている職業訓練の成果と課題に焦点を当てています。専門的な技術を身につけて自立した生活を送れるようになった若者は数多くいるのですが、路上で物を売ったり、物乞いの生活を強いられてきたストリートチルドレンに職業訓練を提供し、ひとりだちできるようにしていくことはたやすくはありません。職業訓練によって得られる長期的な利益を理解してもらうこととその技術で一生涯収入を得られるようにすることは大変難しいことですが、フレンズはその難題に日々取り組んでいます。

 

「貧しい人にとって職業訓練を受けることは最良の選択肢なのだろうか」
プノンペン・ポスト紙 2011年8月10日号
Is acquiring vocational skills the best option for poor people?
10 August, 2011 Phnom Penh Post

プノンペン在住のキム・ソフィアさんは、オリンピックマーケット近くの活気のある通りに小さな店を借りて、自分の美容院として経営している。驚くべきことに、彼女はまだ19歳。さらに、彼女は8年生で学校を中退していた。

「私は勉強には興味がないのです」「学生だった頃、私はよく友達と学校をサボって、カラオケに行ったり、バイクに乗ったりして遊んでいました」と彼女は記者に話した。

もっと悪いこともしていたと彼女は告白したが、詳しい話は控えた。

娘のこのような状況を把握し、もっと悪い目には遭わせたくない、とキム・ソフィアさんの両親は彼女に職業訓練をさせるべきと決めた。

彼女は昔からおめかしをして、お化粧をするのが好きだったので、自宅近くの美容院で修業を始めた。それから一年の見習い期間中、彼女は300ドルを稼ぎ、今では、優れたヘアー・スタイリスト及びメイクアップ・アーティストとなった。まさに多才なビューティー・クィーンだ。

「学んだ技術でけっこう稼げるんです」とキム・ソフィアさんは笑顔で話した。

 

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                  ©Phnom Penh Post

専門的な技術を身につけることは、金銭目的以外の理由でも、従来の公教育に代わる、価値のある選択肢になり得る。ソフィアさんのように、専門的なスキルを学ぶことは、人生を正しい道へ戻すことにもつながる。

若者が一銭も払わずに、新たに職業訓練を受けられる場所が数多く存在する。

ブッティー(仮名、23歳)は、以前麻薬中毒に悩まされ、家族とも悪い関係にあった。現在、彼は、ストリートチルドレンが新たに幸せな生活を送れることを目標に活動しているNGOのミッサムランMith Samlanh(訳者注:フレンズ・インターナショナルの前身でいまはパートナー団体)のもとで、ヘアー・スタイリストになる訓練を受けている。

「中学生の時、両親が離婚したんだ」と一人っ子のブッティーは打ち明けた。ヘアー・スタイリストという大好きな職業の訓練を始めてからもう三年以上経ち、近ごろは自分のヘアー・サロンを開きたいと願っている。

 

camboda(1).jpg                 ©Phnom Penh Post

このような成功例がある一方で、自分勝手な若者が生産的な国民に変わるのは決して簡単ではない。政府や、国内や海外の団体によって、技術や職業訓練が無償で提供されているが、いくつかの理由によって、全く参加する意欲を見せない若者や子どももいる。

貧しい家庭の子どもは、家族を養うために働かないといけないため、技術訓練コースに参加させるのは難しいと、NGOのフレンズ・インターナショナルのコミュニケーションズ・マネージャー、クッ・ピアルンさんは言う。

「家庭状況が厳しいため、技術訓練を受けることを躊躇するストリートチルドレンがいる。家族のために、路上で物を売ったり、物乞いをせざるを得ず、休むことはできないのだ」と、クッ・ピアルンさんは言う。このような子どもたちの親は、技術を身につけることによって得られる長期的、かつ多くの利益ではなく、小さな商売で得られる短期的な利益のことしか考えていない、と付け加えた。

ミッサムランは、24歳以下の子どもたち1600人に、無償で教育と職業訓練を提供している。

「私達のチームは、常にもっと多くの子どもたちをここに呼んで、学べるようにしています」とクッ・ピアルンさんは言う。

労働・技術訓練省は、子どもや若者、また貧困で苦しんでいる大人、障害者、および他にも弱い立場にいる大人たちのために、実用的なスキルをもっと学べるよう、技術・職業訓練を強化するプロジェクトを開始した。訓練は、国内生産力を改善し、正規、および非正規の雇用を増やし、農村地域の雇用も増やすことを目的としている。

このプロジェクトの目的は単純だ:貧困を減らし、経済市場の需用に応えられる、熟練した労働力を提供すること。2015年までには、主に次の三つの部門に卒業生を送り込むことを目ざしている:機械工業、建設業、さらに情報・コミュニケーション技術産業。また、地方の訓練センターで学ぶ女性の数を増やし、自営業を促進しようとしている。

美容師とネイルの訓練を受けているスレイ・ポウさん(19歳)は、かつて孤児だった。他の人のために働き、いつか自分のお店を開けるように技を磨く、と語っている。

「習得したスキルによって、よりよい生活が送れるようになることを願っています」と彼女は明るく話していた。
(翻訳 深川久美子)

カンボジアの子ども支援をとおして子どもの権利を考える

国際子ども権利センター(C-Rights)×カンボジアの教育を支える会(PACE)
共催セミナー

「途上国に学校を建てるだけでいいの?~学校建設の先に必要なこと」

 『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』という映画が向井理さん主演で9/23から公開されているのをご存じですか。現在日本では国際協力団体が多く存在し、この映画の公開にも見られるように、カンボジアに対する支援に注目が集まっています。 

bokuseka2.jpgカンボジアは現在、急速な経済成長を遂げています。しかしその一方で、経済開発にともない農民が十分な補償を得られないまま自らの土地を奪われ移住させられるという、土地問題が各地で起きています。NPO法人カンボジアの教育を支える会(PACE)が支援するコンポン・スプー州の小学校周辺では、民間企業による大規模なプランテーション計画によって強制移住に遭い、小学校に通うことができなくなった子どもが数多くいます。移住させられた土地に学校はもちろん病院も田畑もありません。このような状況でさまざまな子どもの権利が守られていません。

本セミナーでは、映画『僕たちは世界を変えることができない~』の原作者・葉田甲太さん(現在は医師)と同じく現役大学生を中心として活動しているPACEが、現地活動を通して実際にみてきた子どもの置かれている状況を説明し、その後、子どもたちの権利の擁護を目指してカンボジアで活動しているNPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)代表理事の甲斐田万智子が子どもの権利の視点からこの問題について解説します。

今必要とされている支援について深く考えるきっかけの場になると思います。国際協力に興味がある方、実際に関わっている方をはじめ、葉田甲太さんの本を読んだり映画を観てカンボジアに興味を持った方もぜひご参加ください!

当日の司会・進行は、東洋大学人間科学総合研究所所属・社会学部教授の森田明美先生です。

※葉田さんは、建設後の小学校維持のため、今なお尽力されていらっしゃいます。

 

■日時:2011年10月29日(土)午後2時から4時

■会場:東洋大学・白山キャンパス 5号館2階5201教室
(〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20)
(アクセス)・都営地下鉄三田線白山駅 「正門・南門」A3出口より徒歩5分、
「西門」A1出口より徒歩5分
・東京メトロ南北線本駒込駅 「正門・南門」1番出口より徒歩5分
(地図)http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan_j.html

■報告者:NPO法人カンボジアの教育を支える会(PACE)
認定NPO法人国際子ども権利センター/C-Rights 代表 甲斐田万智子

■主催:国際子ども権利センター(C-Rights)、カンボジアの教育を支える会(PACE)、東洋大学人間科学総合研究所

■参加費:一般700円 PACE及びC-Rights会員500円 (当日受付にて)

■定員:50名(先着順)

■申込締切:10月25日(火)

■参加申込・お問い合わせ:国際子ども権利センター(C-Rights)
※本文に(1)お名前 (2)所属(大学名) (3)参加人数 ※複数名の場合は、全員のお名前・所属をお書きください (4)連絡先メールアドレス 又は、電話番号 をお書きいただき、info@c-rights.org へお送りください。

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認定NPO法人 国際子ども権利センター(シーライツ)
Mail: info@c-rights.org  HP: http://www.c-rights.org
〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3F
Tel&Fax: 03-5817-3980

今回は学生14名、社会人2名の合計16名で行ってまいりました。

1日目、成田空港からベトナム・ホーチミンへ。
シーライツのスタディツアーは、ホーチミンからベトナムの国境Moc Bai(モックバイ)までバスで移動し、カンボジアの国境・Bavet(バベット)を歩いて入国します。

IMG_7232.jpg  2日目は、ベトナムとの国境沿いのスバイリエン州チャントリア郡の農村を視察しました。
このあたりは、農業だけで生計をたてるのが困難なため、首都プノンペンや隣国のベトナムに出稼ぎに行く住民が多い地域です。中には、家計を助けるために子どもたちまでもが出稼ぎや物乞いに行きます。子どもたちが学校を辞め、出稼ぎ・物乞いとして働くのは児童労働にあたります。また、出稼ぎや物乞いに行く過程で人身売買に巻き込まれるケースもあり、とても危険です。
今回は、Me Sa Thngakという地域の小学校で、このような児童労働と人身売買防止のネットワーク活動(SBPN=School Based Prevention Network)に取り組む小・中学生と交流し、活動についての発表を聞きました。

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午後は、同じ地域で、シーライツとパートナーNGO・HCC(Healthcare Center for Children)から収入向上のための農業技術支援などを受けている家庭を訪問したり、学校に通い続けられるようにと学用品の支給を受けている女の子の家庭を訪問しました。どの家庭も貧しいですが、私たちの訪問を温かく迎えてくれました。

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3~4日目は、プノンペンに入り、パートナーNGOを訪問しました。
「フレンズ・インターナショナル」は、都市部や観光地の路上で暮らす子どもたち(ストリートチルドレン)を支援している国際NGOです。特にシーライツは、旅行者による暴力、搾取などから路上の子どもたちを守る取り組み「チャイルドセーフ・ネットワーク事業」を支援しています。フレンズ・インターナショナルのオフィスでは、スタッフから説明を受けたり、子どもを守る活動に賛同しているトゥクトゥク(バイクタクシー)の運転手さんへのインタビューを通して、カンボジアでは、貧困から路上生活を送る子どもが多いこと、彼・彼女たちが日常的に様々な危険にさらされていること、社会復帰へ向けた長期的な取り組みについてなどを学びました。

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「幼い娼婦だった私へ」の著者ソマリー・マムさんが創設したNGO「アフェシップ」では、買春宿などで性的搾取されていた女性たちを救出し、ケアし、教育や職業訓練を提供し、社会に復帰させるという一連の活動を行っていますが、スタッフからの説明で、買春宿から女性を救出することの困難や心身ともに傷ついた被害者の女性が自立していくことの大変さを学びました。

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系列の洋裁所「アフェシップ・フェアファッション」では、職業訓練を終え、縫製の仕事で生計を立てている元被害者の女性たちが働く様子と、洋裁所内に設けれた幼い子どもを預かる保育室(シーライツが支援している保育事業)を視察しました。

5日目は、半日かけてプノペンからアンコール遺跡群のあるシェムリアップまでバスで移動です。6時間もかかりますが、車窓から見えるカンボジアの景色は楽しいものです。人々の暮らしや美しい風景、日本語ガイドさんの楽しい案内・・・、これもシーライツのスタディツアーならではのものです。

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6日目は、旅のクライマックス、アンコール・ワットを見学。ほかにも、アンコール・トムやタ・プロームを訪れました。そして、7日目に朝、無事に帰国いたしました。

P1020068.jpg今回のツアーでは、海外旅行が初めてでドキドキしながら参加された方や、日ごろから途上国の問題や現状に対して関心が高い方など、バックグラウンドやツアー参加の目的が全く異なるメンバーが7日間を一緒に過ごしたのですが、最後には、皆さん意気投合し、「カンボジアが好きになりました」、「自分にできる支援を考えたいと思います」というご感想をいただきました。

次回のスタディツアーは2012年3月を予定しております。


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