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2012年1月アーカイブ

こんにちは。シーライツスタッフの小和瀬です。シーライツは、カンボジアのNGO・HCCと協働で、カンボジア・スバイリエン州で、子どもの出稼ぎや児童労働を防止するための事業を2006年より続けています。
貧困家庭では、家族全員を養っていくのに十分な収入が得られないため、大人だけでなく子どもまでもが、都市部へと出稼ぎや物乞いに行きます。その結果、子どもたちは、学校を休んだり、やめてしまったりすることになり、教育を受ける機会を失ってしまいます。出稼ぎや物乞いの途中で、搾取や暴力などの人身売買の被害に遭うケースもあります。
シーライツは、最貧困家庭の子ども、特に人身売買のリスクが高い少女が学校に通い続けることができるよう、学用品や制服、主食となるお米を配布する「通学支援」と、家庭の収入を増やすために、家庭菜園の指導、農耕牛の貸出、マイクロクレジットを支援しています(「生計向上支援」)。

今回は、スバイリエン州・コンポンロー郡クサエコミューンで先月訪問した支援対象の家庭の様子をご紹介します。

interview(2).jpg  通学支援を受けている少女・クッチャンター(仮名)は、15歳で小学校6年生。彼女には他に11歳で小学校3年生になる妹と、もっと幼い妹がいます。
父親は43歳で農業をしていますが、足が悪く、0.5ヘクタールの自分の農地を耕すのも困難です。母親は40歳で、父親の農業を手伝っています。
父親は、中学校1年生までの教育を受けていますが、母親は小学校4年生までしか教育を受けておらず、もう、読み書きをほとんど覚えていないと言います。
0.5ヘクタールの土地で農業をやっていても、家族が食べる半年分のお米しか収穫できません。しかし農業以外には収入がありません。
18歳になる彼女の兄は、2ヶ月前に学校を辞めて、精米を請け負う工場で働き始めました。

interview(1).jpgのサムネール画像彼女はシーライツ(C-Rights)とHCCの通学支援を受けて、今、毎日学校に通っています。学校では、クメール語(国語)、算数、理科、社会を勉強しています。家から学校までは歩いて15分。生まれてから今まで、学校と家の往復以外、遠くへ行ったことはないと言います。
「学校は中学校を卒業するまでは続けたい」、「将来は、テレビで見たことのある仕立屋さんになりたい」と話しています。


interview(3).jpg通学支援を受けているのに、学校に行っていない11歳の少女・チャンター(仮名)。
彼女は、他に6人の男の兄弟がいます。
彼女が学校に通えなかった理由は、母親が妊娠し、赤ちゃんが生まれたからでした。その赤ちゃん以外にも弟が6人います。
自分の農地を持っていない彼女の父親と母親は、日雇い労働者として他人の畑で働いて収入を得ています。1日の稼ぎは10,000リエル(約2.5ドル)。
母親が妊娠し、畑での仕事や家事ができなくなったので、彼女が長期間にわたって学校を休み、母親の代わりに畑仕事と家事全般をやることになりました。
カンボジアでは、娘は家族を助けるものと考えられているので、学校に通うよりも家族のために働くことが優先されます。
また、「家族計画」という考え方や避妊具の使用が普及していないために、貧しいにもかかわらず子どもが多く、生活がさらに苦しくなってしまうのです。
私たちが訪問したとき、彼女は目を輝かせて学校には戻りたいと話してくれました。生まれた赤ちゃんも大きくなったので、母親も実はもうチャンターを学校に戻したいのだけど、学校からまだ許可が出てないとのことでした。15日学校を休むと特別な許可が出ないと学校を再開できないのだそうですが、今、申請をしているとのこと、一日も早く許可がおりるといいねと話しました。
チャンターは高校まで学校を続けて、将来は中学校の先生になりたいと思っています。

 


生計向上の支援を受けている家庭
父親は、37歳で農業をしています。ある時、病気になり、注射を打ってもらったところ、片手が不自由になってしまったということです。母親は40歳。娘は10歳で小学校3年生です。
C-Rightsと HCCから、野菜の種をもらい、家庭菜園で育てています。
特に、空芯菜や菜っ葉を育てています。
空芯菜は植えてから15日で収穫できるので、乾季の12月~2月の間に2回収穫できます。菜っ葉は農薬が必要になるので、お金と手間がかかります。
家庭菜園という小さな規模なので、収穫できる野菜の量はとても少ないのですが、村の中で野菜を売ると、1束500リエル(約8円)くらいの収入になります。
得られた収入で、娘の学用品を買ってやることができたそうです。
しかし、今年(2011年)は、大洪水の影響で全く、野菜が育たなかったと残念そうでした。

interview(4).jpgでも、C-RightsとHCCから借りている雌牛から子牛が生まれ、今、生後1ヶ月たったところです。
以前に、1頭生まれたのですが、病気で死んでしまったので、元気に育ってほしい、と期待しています。



生計向上支援を受けている家庭
父親は37歳、母親は31歳で農業をしています。
小学生の娘が2人いて、上の娘は通学支援も受けています。

父親と母親は、土地を借りて農業をし、収穫した作物を売ったお金で、土地代を支払っています。借地は0.5ヘクタールと狭く、収穫できるお米は4、5ヶ月分です。
残りの時期は、建設労働者として働いて収入を得ています。

interview(7).JPGC-RightsとHCCの支援で、菜っぱと空芯菜を育てています。(写真の左側の黄緑色の部分が菜っぱです)
自分たちが食べる野菜が収穫でき、余った分を売ることもできるようになりました。
野菜を売った収入は40,000~100,000リエル(10~15ドル)になり、食料品や衣服、娘の学用品を購入するのに使っています。

借りている雌牛が子牛を産み、だいぶ大きくなりました。
子牛は、今、250ドルくらいで売れる大きさですが、雌牛なので、売らずに手元に残したいそうです。母牛の方は、2頭目を半年後に出産する予定です。
将来は、牛を売ることで収入を安定させて、子どもたちを学校に通い続けさせたいと思っています。

interview(6).jpg10家庭で作る自助グループでは、各家庭が毎月2,000リエル(0.5ドル)を出し合って、マイクロクレジットを運営しています。自分たちがお金を借りられる順番がまわってきたら、豚を購入したいと思っています。

生活が厳しいなか、どの家庭も親が娘たちを学校に通わせたいと思っていることが感じられ、少女たちも学校に通い続ける意欲がありました。

書き損じハガキ、使い残したハガキで子どもを守る活動に参加しよう!!

 

年賀状などで書き損じたり、使い残したハガキをご寄付ください。

シーライツにて、カンボジアの子どもたちを人身売買や児童労働から守るための取り組みに、大切に使用させていただきます。

DSCF1676.jpgのサムネール画像 DSCF1692.jpgのサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

写真(左上):通学支援を受けることになった少女たちに学用品を授与しているところ
  (右上):少女たちへ授与した学用品の一例です

 

【参加方法】
書き損じハガキや使い残したハガキを封筒に入れ、シーライツ東京事務所までお送りください。
恐れ入りますが、送料のご負担をお願いいたします。


送付先:
〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3階
(特活)国際子ども権利センター 

 

※郵便局発行であり未投函の官製ハガキに限ります。 
使用済みのハガキはご遠慮ください。

今回のスタディツアーは、学校が冬休みに入る時期を利用して実施しました。
大学生3名、社会人6名が参加しました。
1日目は、成田空港を出発し、ベトナム・ホーチミンへ。
カンボジアへと向かうバスの中では、ベトナム人のガイドさんから、ベトナムの歴史や経済発展の様子を聞くことができました。

 
P1020469.jpg 【ベトナムとカンボジアのボーダー(国境)を徒歩で越えて、スバイリエン州バベットに着きました】


2日目は、スバイリエン州クサエコミューンの農村を訪れました。
9月~10月の大雨・洪水の被害が心配されましたが、クサエコミューンは大きな被害はなかったということで、笑顔で日本からきた参加者を迎えてくれました。
天水に頼った農業を行うこの地域では、洪水や旱魃などの影響で農業だけで生計をたてるのが困難で、首都プノンペンや隣国のベトナムに出稼ぎに行く住民が多くいます。中には、家計を助けるために子どもたちまでもが出稼ぎや物乞いに行きます。その過程で人身売買に巻き込まれるケースもあり、とても危険です。
訪問したクサエ小学校で、このような児童労働と人身売買を防ぐためにネットワーク(SBPN=School Based Prevention Network)をつくって活動する中学生と交流し、活動についての発表を聞きました。子どもたちは、恥ずかしがりながらも、今後の活動として、もっとネットワークを強めて啓発活動を活発におこなっていきたいと話してくれました。

DSC_0240.jpg午後は、同じ地域で、シーライツとパートナーNGO・HCC(Healthcare Center for Children)から学校に通い続けられるようにと学用品の支給を受けている女の子の家庭と収入向上のための農業技術支援などを受けている家庭を訪問しました。支援を受けているにもかかわらず、過去3ヶ月間学校にきていない少女がいるというので訪問すると、6人の弟がいたところにさらに赤ちゃんが生まれ、母親がわりの家事を行わなければならなかったとのこと。しかし、その少女は学校に戻りたいと強く願っており、母親ももう落ち着いたので学校に復学させたいということから学校に復学の申請をしていると聞き、ほっとしつつ、必ず学校に戻るよう励ましながらその家庭をあとにしました。

  DSC_0329.jpgほかの少女たちからも「学校に行くのが楽しい」、また両親から「子どもには学校にできるだけ長く通い続けてほしい」という声を聞いて、啓発活動が住民たちに浸透しつつあることを実感しました。


3日目は、スバイリエン州からプノンペンへ。性的虐待に遭い、家族と一緒に住むことができないなどの問題を抱えた少女たちが共同生活を送る「グッデイセンター」というHCCの施設を訪問しました。この日はちょうどクリスマス。少女たちは今までクリスマスをお祝いしたことがないということで、日本からクリスマスツリーやオーナメント、プレゼントを持参して、少女たちと一緒に飾り付けをしたり、クリスマスソングを歌ってお祝いしました。

4日目は、プノンペンでシーライツのパートナーNGOを訪問しました。
「幼い娼婦だった私へ」の著者ソマリー・マムさんが創設したNGO「アフェシップ」では、買春宿などで性的搾取されていた女性たちを救出し、ケアし、教育や職業訓練を提供し、社会に復帰させるという一連の活動を行っていますが、スタッフからの説明で、買春宿から救出された女性たちが社会復帰する過程の困難や、政府や警察と連携して人身売買を防止していくことの重要性を学びました。この日は偶然、代表のソマリーさんと会うことができました。彼女から、「『変化のための声(Voice for Change)』の女の子たちに会っていって」、と言われ、ソマリーマム財団のオフィスを訪問すると、元気いっぱいの若い女性グループが歓迎してくれました。彼女たちは被害に遭った女性の中で社会復帰を果たし、今はアフェシップのスタッフになるための訓練を受けている女性たちでした。とても気さくなソマリーさんと困難を乗り越えて自信にあふれている女性たちを通して、女性たちが明るく力強く前進している姿を嬉しく思いました。

洋裁所「アフェシップ・フェアファッション(AFF)」では、職業訓練を終え、縫製の仕事で生計を立てている元被害当時者の女性たちが働く様子と、洋裁所内に設けられた幼い子どもを預かる保育室(シーライツが支援している保育事業)を視察しました。またマネージャーのロタさんと10年くらいAFFで働き、今は保育室も利用しているという女性から、AFFでは様々な福利厚生が取り入れられていて、被害当事者の女性たちが安心して働ける環境が整っているという説明を受けました。

DSC_0764のコピー.jpg「フレンズ・インターナショナル」は、都市部や観光地の路上で暮らす子どもたち(ストリートチルドレン)を支援している国際NGOです。特にシーライツは、旅行者による性的虐待などから路上の子どもたちを守る取り組み「チャイルドセーフ・ネットワーク事業」を支援しています。フレンズ・インターナショナルのオフィスでは、スタッフからカンボジアのストリートチルドレンの現状を聞いたり、子どもを守る活動に賛同しているトゥクトゥク(バイクタクシー)の運転手さんへのインタビューを通して、カンボジアでは、貧困から路上生活を送る子どもが多く、日常的に様々な危険にさらされていること、現地の大人たちの子どもを守る活動に、私たち旅行者も協力できるということを学びました。

DSC_0836.jpg【ストリートチルドレンを守るトレーニングを受け、認定のシャツを着たトゥクトゥクの運転手さん】

5日目の午前は、4日間の行程を振り返り、参加者から感想や質問などをあげてもらいました。こうして、参加者同士で意見交換をすることによって、カンボジアの女性や子どもたちについての理解がさらに深まるという声を今年も参加者からいただきました。
午後は、半日かけてプノペンからアンコール遺跡群のあるシェムリアップまでバスで移動です。長時間の移動ですが、緑が美しいカンボジアの風景やガイドさんの楽しいお話であっという間です。

6日目は、旅のクライマックス、アンコール・ワットを見学。ほかにアンコール・トムも訪れました。

DSC_1195.jpgそして、7日目に朝、無事に帰国いたしました。


乾季にあたるカンボジアの12月は、とても過ごしやすく、体調を大きく崩すこともなく、各訪問箇所でじっくり活動を視察したり、観光を満喫することができました。
参加者からは「貧困家庭を訪問したり、ストリートチルドレンを守る活動に協力しているトゥクトゥクの運転手さんから話を聞いて、とても衝撃を受けました。私も何か支援をしたいと思います」「日本との環境や考え方の違いに戸惑いましたが、カンボジアのすてきな部分をたくさん見ることができて、参加して本当によかったです」という感想をいただきました。


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