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【イベント報告 】

今回のスタディツアーは、学校が冬休みに入る時期を利用して実施しました。
大学生3名、社会人6名が参加しました。
1日目は、成田空港を出発し、ベトナム・ホーチミンへ。
カンボジアへと向かうバスの中では、ベトナム人のガイドさんから、ベトナムの歴史や経済発展の様子を聞くことができました。

 
P1020469.jpg 【ベトナムとカンボジアのボーダー(国境)を徒歩で越えて、スバイリエン州バベットに着きました】


2日目は、スバイリエン州クサエコミューンの農村を訪れました。
9月~10月の大雨・洪水の被害が心配されましたが、クサエコミューンは大きな被害はなかったということで、笑顔で日本からきた参加者を迎えてくれました。
天水に頼った農業を行うこの地域では、洪水や旱魃などの影響で農業だけで生計をたてるのが困難で、首都プノンペンや隣国のベトナムに出稼ぎに行く住民が多くいます。中には、家計を助けるために子どもたちまでもが出稼ぎや物乞いに行きます。その過程で人身売買に巻き込まれるケースもあり、とても危険です。
訪問したクサエ小学校で、このような児童労働と人身売買を防ぐためにネットワーク(SBPN=School Based Prevention Network)をつくって活動する中学生と交流し、活動についての発表を聞きました。子どもたちは、恥ずかしがりながらも、今後の活動として、もっとネットワークを強めて啓発活動を活発におこなっていきたいと話してくれました。

DSC_0240.jpg午後は、同じ地域で、シーライツとパートナーNGO・HCC(Healthcare Center for Children)から学校に通い続けられるようにと学用品の支給を受けている女の子の家庭と収入向上のための農業技術支援などを受けている家庭を訪問しました。支援を受けているにもかかわらず、過去3ヶ月間学校にきていない少女がいるというので訪問すると、6人の弟がいたところにさらに赤ちゃんが生まれ、母親がわりの家事を行わなければならなかったとのこと。しかし、その少女は学校に戻りたいと強く願っており、母親ももう落ち着いたので学校に復学させたいということから学校に復学の申請をしていると聞き、ほっとしつつ、必ず学校に戻るよう励ましながらその家庭をあとにしました。

  DSC_0329.jpgほかの少女たちからも「学校に行くのが楽しい」、また両親から「子どもには学校にできるだけ長く通い続けてほしい」という声を聞いて、啓発活動が住民たちに浸透しつつあることを実感しました。


3日目は、スバイリエン州からプノンペンへ。性的虐待に遭い、家族と一緒に住むことができないなどの問題を抱えた少女たちが共同生活を送る「グッデイセンター」というHCCの施設を訪問しました。この日はちょうどクリスマス。少女たちは今までクリスマスをお祝いしたことがないということで、日本からクリスマスツリーやオーナメント、プレゼントを持参して、少女たちと一緒に飾り付けをしたり、クリスマスソングを歌ってお祝いしました。

4日目は、プノンペンでシーライツのパートナーNGOを訪問しました。
「幼い娼婦だった私へ」の著者ソマリー・マムさんが創設したNGO「アフェシップ」では、買春宿などで性的搾取されていた女性たちを救出し、ケアし、教育や職業訓練を提供し、社会に復帰させるという一連の活動を行っていますが、スタッフからの説明で、買春宿から救出された女性たちが社会復帰する過程の困難や、政府や警察と連携して人身売買を防止していくことの重要性を学びました。この日は偶然、代表のソマリーさんと会うことができました。彼女から、「『変化のための声(Voice for Change)』の女の子たちに会っていって」、と言われ、ソマリーマム財団のオフィスを訪問すると、元気いっぱいの若い女性グループが歓迎してくれました。彼女たちは被害に遭った女性の中で社会復帰を果たし、今はアフェシップのスタッフになるための訓練を受けている女性たちでした。とても気さくなソマリーさんと困難を乗り越えて自信にあふれている女性たちを通して、女性たちが明るく力強く前進している姿を嬉しく思いました。

洋裁所「アフェシップ・フェアファッション(AFF)」では、職業訓練を終え、縫製の仕事で生計を立てている元被害当時者の女性たちが働く様子と、洋裁所内に設けられた幼い子どもを預かる保育室(シーライツが支援している保育事業)を視察しました。またマネージャーのロタさんと10年くらいAFFで働き、今は保育室も利用しているという女性から、AFFでは様々な福利厚生が取り入れられていて、被害当事者の女性たちが安心して働ける環境が整っているという説明を受けました。

DSC_0764のコピー.jpg「フレンズ・インターナショナル」は、都市部や観光地の路上で暮らす子どもたち(ストリートチルドレン)を支援している国際NGOです。特にシーライツは、旅行者による性的虐待などから路上の子どもたちを守る取り組み「チャイルドセーフ・ネットワーク事業」を支援しています。フレンズ・インターナショナルのオフィスでは、スタッフからカンボジアのストリートチルドレンの現状を聞いたり、子どもを守る活動に賛同しているトゥクトゥク(バイクタクシー)の運転手さんへのインタビューを通して、カンボジアでは、貧困から路上生活を送る子どもが多く、日常的に様々な危険にさらされていること、現地の大人たちの子どもを守る活動に、私たち旅行者も協力できるということを学びました。

DSC_0836.jpg【ストリートチルドレンを守るトレーニングを受け、認定のシャツを着たトゥクトゥクの運転手さん】

5日目の午前は、4日間の行程を振り返り、参加者から感想や質問などをあげてもらいました。こうして、参加者同士で意見交換をすることによって、カンボジアの女性や子どもたちについての理解がさらに深まるという声を今年も参加者からいただきました。
午後は、半日かけてプノペンからアンコール遺跡群のあるシェムリアップまでバスで移動です。長時間の移動ですが、緑が美しいカンボジアの風景やガイドさんの楽しいお話であっという間です。

6日目は、旅のクライマックス、アンコール・ワットを見学。ほかにアンコール・トムも訪れました。

DSC_1195.jpgそして、7日目に朝、無事に帰国いたしました。


乾季にあたるカンボジアの12月は、とても過ごしやすく、体調を大きく崩すこともなく、各訪問箇所でじっくり活動を視察したり、観光を満喫することができました。
参加者からは「貧困家庭を訪問したり、ストリートチルドレンを守る活動に協力しているトゥクトゥクの運転手さんから話を聞いて、とても衝撃を受けました。私も何か支援をしたいと思います」「日本との環境や考え方の違いに戸惑いましたが、カンボジアのすてきな部分をたくさん見ることができて、参加して本当によかったです」という感想をいただきました。

12月18日、下北沢のカフェ「Instep Light」でフォトジャーナリスト・安田菜津紀さんをお迎えして、フォトワークショップを開催しました。このイベントでは、安田さんが参加者に写真やジャーナリズムについてのお話をされるだけではなく、参加者が自身で撮影した写真を持ち寄って、その写真についての想いを発表し、安田さんからコメントや技術的なアドバイスを受ける、という内容でした。

 

111218kaida.jpg初めに、シーライツの代表理事・甲斐田から、シーライツが目指す「子どもにやさしい社会」をつくるための取り組みやカンボジアでの活動と「シーライツ・特別サポーター」になっていただいた安田さんに、カンボジアの子どもに寄り添うことの大切さを多くの人に知ってもらえるよう協力していただいていること、などが紹介されました。


111218yasuda(1).jpgそのあと、安田さんからプロフィールやフォトジャーナリストのお仕事についてのお話がありました。

参加者の多くが、国際協力に関心が高い若い方でした。全員で自己紹介をした後に写真の発表となりました。発表の時間は一人5分。初めは緊張されていましたが、次第にスクリーンに映し出される写真のエピソードを熱心に発表されていました。今回は、持ち寄っていただく写真に特にテーマを設定していなかったのですが、海外(ケニア、イギリス、フィリピン、カンボジア、中国、メキシコなど)で撮られた写真を使い、現地の人々との交流について触れる発表が多かったです。一方で、東日本大震災の被災地の写真や日本の風景の写真を取り上げて、震災や日本国内の問題について発表された方もいらっしゃいました。

 

111218hayami.jpg一人一人の発表が終わると、安田さんから「ここがよかった」「次はこういうカットを取り入れてみては?」などのコメントやアドバイスがありました。
逆に、参加者からは「どうしたら人物の『いい表情』が撮れますか?」や『風景や物を深みのある写真として撮るにはどうしたらよいですか?』というような「安田さんにぜひ、聞いてみたかった」という質問が挙げられ、その質問に対しても安田さんがとても丁寧に答えてくださいました。

最後に、東日本大震災の際に賛否が分かれたという、フォトジャーナリストが「伝えることを優先するために混乱の被災地で取材をするのがよかったのか」それとも「報道倫理や被災者支援を優先するために、敢えて現地には行かない方がよかったのか」というテーマについてディスカッションしました。

111218discussion.jpg皆さんからは、「被災者への想いやりや気づかい、謙虚な気持ちを忘れなければよいのでは?」「テレビや新聞に載らない弱い立場や小さい声を取材して伝えてもらえたらとてもありがたい。」、「被災地で『こんな状況で瓦礫撤去などを手伝わずに取材活動をしていてよいのだろうか』という葛藤は絶対につきまとう。仕方ない。」「地震や津波の被害を国内・外に伝え、後世に残すためにできる限りの取材をしてほしい。」といような意見がありました。

 

111218yasuda(2).jpg最後に安田さんから、「写真は、いろいろな事を伝えることができるだけでなく、人の心に寄り添うことができる。時には一枚の写真が人の心を救うことだってできる。」「ぜひ、想いを込めてまた、写真を撮っていただければうれしい」というメッセージが伝えられました。

 

次回の安田菜津紀さんをお迎えしてのイベントは2012年3月に開催する予定です。

詳細が決まりましたら、HPやメルマガでお知らせいたします。お楽しみに!

 

11月20日が、子どもの権利条約が採択された日であることから、シーライツでは、インド・フィリピンより、ゲストをお2人お迎えしたシンポジウムを明治学院大学国際平和研究所(PRIME)と共同で開催し、40名もの皆様にご来場いただきました。

最初にインドのNGO・バタフライズの代表リタ・パニッカ―さん(写真右)より、2004年のスマトラ沖地震で被災したアンダマン・ニコバル諸島の子どもたちとの復興についてのスピーチがありました。 

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次にフィリピンの子ども権利活動家・アイリーン・フォナシア・フェリサールさん(写真中央)から、学校や家庭生活の中に根強く残る子どもに対する暴力や、子どもに対する暴力をなくすための各国の取り組みについてのスピーチがありました。 

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最後に、ーライツ代表理事・甲斐田万智子(写真左)より、事業地のカンボジアにおいて児童労働・性的搾取をはじめとする、子どもの権利が侵害されている現状が紹介されました。

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冒頭のアイスブレイキングの様子

このシンポジウムの前日、ゲストのお二人と甲斐田は、福島県の子どもたちの話を聴く交流会をもちました。そこで、子どもたちが話してくれた悲しいこと(・・放射能の線量が高いために外で遊べないこと、自転車に乗れないことなど)、楽しいこと(・・・友だちと会って話をすることなど)を少し紹介しました。そして、子どもたちが放射能汚染の環境に住まなくてはならないことなどの問題も「子どもに対する暴力である」ということが再確認され、お互いに協力し子どもたちの声を国連や世界に伝えていこうという確認をしました。

 

以下は、参加者からの感想です。

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問題解決のために子どもが主体となって活動することが解決に大いに重要であるということがよくわかりました。リタさんのアンダマン・ニコバル諸島のお話は、子どもの参画が復興・政府の再建に貢献したとてもよい事例だと思いました。

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本日のお話は、海外の事例であっても全て、福島の子どもの問題に置きかえて考えられると思いました。あらゆる形態の「暴力」があるのだということを、学ぶことができてよかったです。

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ご参加いただきました、皆様、ありがとうございました。


 


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