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3.子ども参加をともなう事業に関わるおとなの役割・資格をきちんと決めておく
(1)事業の遂行に関わるおとな 子ども参加をともなう事業には、多くの場合、さまざまなおとなが関わります。団体の役員など意思決定機関の構成員は、事業に直接関与するかどうかは別にしても、意思決定を行なうことによってその事業に影響を及ぼす立場です。事業を直接進めていくスタッフとしては、独立した担当者(担当チーム)が置かれる場合もあれば、事務局が多くの役割を担う場合もあります。また、子ども参加の側面(子どもとの連絡調整、子どものサポートetc.)を主に担当するスタッフを別に確保しておくことも、多くの場合には必要です。また、実務的な面についてはボランティアに多くを依拠することも考えられます。 これらのさまざまなおとながそれぞれどのような役割を果たすかについては、あらかじめきちんと検討・確認しておかなければなりません。そうしなければ、事業をスムーズに進めていくことがむずかしくなりますし、子どもの側でも、だれに何を言えばいいのか、だれにどういうことを期待できるのかといった点について混乱してしまいがちです。
そして、それぞれの役割を担うためにどのような知識・経験・スキルが求められるのかについてもはっきりさせ、適切な人材を割り振らなければなりません。ただし、子どもに日常的に接するスタッフについては子どもから信頼されること、言い換えれば子どもから「選ばれる」ことが大切なので、最初に決めた担当者に固執しないこと、自分には無理だと思ったら率直にそのことを申し出ることも必要でしょう。また、それぞれの知識・経験・スキルをさらに高めていくための機会を、個人としても組織としても確保することも大切です。
とくにボランティアを募集するときには、どのような役割を期待しているのか、そのためにどのような知識・経験・スキルが必要とされるのか、またボランティアの側からは何を期待することができるのかについて、募集の段階からはっきりさせておかなければなりません。
子ども参加をともなう事業に関わるスタッフ(ボランティアを含む)のなかには、ときとして、子どもたちをサポートするというよりも、子どもたちに接することによって自分自身の癒しやエンパワーメントを(無意識のうちに)求めようとしていることもあります。もちろん子どもとおとながおたがいにエンパワーしあうことは望ましいのですが、おとなの側のエンパワーメントが優先されてしまっては、子どもたちを利用していることになってしまいます。自分が無意識のうちにそういう気持ちを持っていないかどうか振り返るとともに、解決すべき問題が自分のなかにあることを自覚したら、子どもたちに依存するのではなく、別の場所で解決を模索することが必要です。
事業が進むにつれ、その事業固有の課題は少なからず生じます。子どもたちへの対応について話し合ったり、ときには支えあったりできる関係あるいは体制を、おとなのなかに意識的につくっておくことが大切です。役割分担のうえで子どもと直接対応するおとなが存在しますが、その人だけが一身に課題を背負ってしまうのは、子どもにとってもそのおとなにとっても良くありません。
(2)参加者としてのおとな
また、おとな自身も事業主体の一部となって子どもとともに事業を進めていくのか、それともおとなは子どものサポート役に徹するのかという問題もあります。どちらの方針をとるかによって適切な進め方も異なってきますので、この点もよく検討・確認しておかないといけません。とくに、「子ども」(一般的には18歳未満)と「若者」(一般的には18歳以上25~30歳未満)の両方に参加を呼びかけるときには注意が必要です。子どもに近い年代である若者が参加する場合、どちらの役割が期待されているのか(どちらの役割を期待できるのか)が曖昧にされてしまいがちだからです。 事業の内容・性質によっては、事業の過程で行なわれるイベント等に、一過性の形でおとなが参加してくることもあります。たとえば、討論会や交流集会がおとなに対しても開かれている場合などです。その場合にも、その会は子どもが討論・交流することを目的にしたものでおとなはオブザーバー(基本的には話を聴くだけ)なのか、それともおとなも子どもといっしょに発言することができるのかといった点について、告知の段階からはっきりさせるとともに、会の冒頭でも確認しなければなりません。おとなも発言できるのだとすれば、発言者の優先順位(子どもが発言したいときはそちらを優先するetc.)、発言の時間・内容・方法などについても確認しておく必要があります。
「ナマスカーラ」では、こうした点についてはっきりさせておかなかったために、本来はインドと日本の子どもたちが相互にエンパワーしあうことが目的であったにも関わらず、「若者」がキャンプの最初にしゃべりすぎてしまうということが起きました。そのため、「若者」と子どもの関わり方についてキャンプの最中に議論しなければなりませんでした。このようなことがないよう、事前に充分な検討・確認をしておく必要がありました。
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