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 「子ども参加」にとりくむときに注意しなければならないこと
「子ども参加」にとりくむときに注意しなければならないこと
~国際子ども権利センターの経験から~


5.子ども観を共有するとともに、子どもには特有のニーズがあることに配慮する

 国連・子どもの権利条約に体現された「子どもは権利の主体である」という子ども観を共有しておくことは重要です。おとなは、無意識のうちに子どもを軽く見ている場合があります。たとえば、子どもが発言したときには理解・賛成しないのに、おとなが(あるいは専門家が)同じ趣旨のことを言ったら理解できるというのは、そのような子ども軽視の表れと言えるでしょう。子どもの発言の趣旨がよくわからない場合には、適切な質問をするなどして、本当は何を言いたいのかを理解するように努める必要があります。                                                                             
 一方で、子どもには子ども特有のニーズがあること、また子どもひとりひとりにも異なったニーズがあることを踏まえておくことは、決定的に重要です。子どもとおとなは「人間として同じ」ではあっても「同じ人間」ではありません。社会的な立場の違いや、おとな-子ども間の権力関係も存在しますし、子どもにはおとなとは異なる特有のニーズも存在します。たとえば、子どもは必ずしもおとなと同じペースで物事を進められるわけではないこと、一般的にはおとなよりも傷つきやすく、経験や訓練も不足していることなどです。                                                                             
 こうした違いを無視して子どもを「同じ人間」として扱うことは、子どもを傷つけることにつながる可能性があります。シーライツでも、総会、理事会(当時運営会)、プロジェクトの会議などさまざまな場で、こうした子どものニーズに対する配慮が足りなかったために子どもに充分な意見表明を保障できなかったことが起こってきました。                                                                             
 そのようなことがないよう、話し合いなどの場では、子どもが自由に意見を言える雰囲気があるかどうか、常に確認することが必要です。たとえば、子どもが何人かしかいなくて残りの参加者はおとなばかりであった場合、子どもは威圧感を覚えて意見を言えなくなってしまうかもしれません。事前に子どもだけの話し合いの機会を設けてその結果を報告してもらう、子どもがおたがいにサポートしあえるような人数の参加を保障するなどの配慮が必要です。4で述べた「話し合いのルール」も、おとながかなり意識して守ることが求められます。                                                                             
 また、子どもからの意見は、たとえ自分が賛成できない場合でもまず共感をもって受けとめることが大切です。すぐに反対意見を言ったりすれば、その後の発言を押さえこんでしまうことにもなりかねません。シーライツ(当時JICRC)では、4で述べた「子ども会」会費の件に子どもが総会で意見を述べたとき、たくさんの人が異論を述べたことがありました。多数の人が参加する場では、子どものニーズに対する配慮を全員が共有することはむずかしい面がありますが、そのような場合には、司会、議長、スタッフなどが子どもをサポートすることが大切です。                                                                             
 このような一般的な子どものニーズのほかに、ひとりひとりのニーズの違いもあります。たとえば、これまでにその事業に参加してきた子どもと新しく参加してきた子ども、あるいはほかの場で活動した経験のある子どもとそのような経験がない子どもでは、物事の進め方、会議のやり方、問題の認識などについてギャップがあることは避けられません。子どもたちをサポートするスタッフは、そのようなニーズにも配慮しながら事業の遂行や話し合いをコーディネートすることが求められます。子どもたちだけで話し合いをしたら意見を言いにくい子がいそうな場合には、おとながサポートスタッフとして話し合いの場に参加することも必要かもしれません。

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