お知らせ

3月5日の報道ステーション放送をうけて

お知らせ

2019年03月7日

 

昨日のテレビ朝日「報道ステーション」でシーライツの代表理事、甲斐田万智子のコメントが放送されました。

 

 

放送された動画はこちらからご覧いただけます。

 

今回のブログでは、放送されなかった部分や補足情報をみなさまにお届けできればと思います。

 

(1)体罰は「しつけ」ではなく「子どもに対する暴力」

 

2006年の国連総会に提出された「子どもに対する暴力に関する報告書」では、子どもに対する暴力がすべての国、社会、家庭を含む集団のなかでおこっているというもので、それらはいずれも決して容認されてはならないというものでした。しかし、この報告書の内容について、日本ではあまり報道されることはありませんでした。

 

それから9年がたった2015年、持続可能な開発目標16.2で子どもに対する暴力の撤廃が定められ、世界中で体罰を含む子どもへの暴力をなくすための取り組みが活発化していきます。

 

現在、家庭を含むあらゆる状況における子どもへの体罰を法的に禁止した国は、54ヵ国に上っています。

 

そうした世界の動きの中で、日本は先月、国連子どもの権利委員会から、家庭内を含む様々な場面で子どもへの暴力が行われており、それを容認する社会があること、それをなくすための取り組みをすべきとの勧告を受けています。

 

 

これまで、日本ではどうして体罰を禁止することが受け入れられなかったのでしょうか。

 

シーライツのニュースレター94号のなかで、子どもすこやかサポートネットの代表理事、田沢茂之さんはこう問題提起してくれています。「大人に対して許されない『叩く』などの暴力行為が、子どもたちに対しては許され、時には、積極的な使用さえ許されてしまっているのはなぜでしょうか。~中略~子どもを権利の主体として見てないからではないでしょうか。」

 

 

報道ステーションの取材時、甲斐田はこのように回答しています。

 

子どもは叩かないと分からないという子ども観。子どもは叩かなくてもきちんと話せば理解できる、と子どもを信じる子ども観。後者は子どもの権利に基づく子ども観です。日本で子どもの権利教育がすすんでいないことも、体罰が容認されてしまう一因だと思います。

 

 

子どもは叩かないと分からない、叩くべきだという考えがまだ日本では根強いと思います。叩いて子どもが言うことを聞いても、それは恐怖により一時的に子どもが言うことを聞いているだけ。叩いたり怒鳴ったりすることは、子どもにとって有害であるとの科学的な根拠がいくつもあります。

 

また、アメリカの保険会社の調査によると、体罰を受けて育つなど、子どもが逆境体験をしたことによって社会に与える影響と社会的な損失があるとのデータもあります。子ども本人と社会にとって、体罰は大きな問題であることが科学的根拠をもとに示されてきていることが、もっと多くの人に伝わると良いと思っています。

 

 

(2)法制化だけでは不十分

 

法制化だけでは、子どもへの暴力、体罰をなくすことは難しいと甲斐田はインタビューで回答しています。

 

他の国では、法制化とあわせて体罰をなくすための啓発活動を同時に行うことで成果をあげています。

 

例えば、今、日本では年間50名の子ども(1週間に約1人の割合)が虐待で亡くなっています。体罰禁止の法制化と啓発活動を取り組んできたスウェーデンでは虐待により亡くなる子どもの数は年間4名程度となっています。

 

また、啓発活動とあわせて、親に対するサポートも重要であると甲斐田は答えていました。

 

 

(3)体罰をしないで子育てするには、どうすれば良いの?

 


 

体罰禁止の法制化とあわせて、体罰によらない「しつけ」をするにはどうすれば良いのか。それには親にとってしつけの方法を教わる場が用意されることだとテレビでは放映されました。さらに、そうしたしつけを教わる場に来られない親に対する経済的な支援も必要だと甲斐田は回答しています。

 

また、インタビューでは下記のようにも答えていました。

 

叩く」「怒鳴る」ことが、「しつけ」ではなく「子どもに対する暴力」なのだ、と訴えると、そのように育てられた人にとっては、自分の親を否定するように感じてしまう人もいます。

 

そのため、親自身が自分を大切に思えることがまずは大切だと思います。自分はダメな親ではないかという不安や、「いい子に育てなければ」というプレッシャーから、どうしていいかわからず、手が出てしまうこともあるでしょう。完璧な親はいないのに、「いい子に育てなければ」と追い込まれてしまう。

 

 

暴力によらないしつけとは、どんなおとなになりたいかを話し合う子どもとの対話からうまれてきます。そのためには、まずは親自身が自分を大切にし、自分も大切な存在であるのと同様に、子どもにも人格があることを気づき、対話していけるようになることだと思います。

 

体罰によらない子どもへのしつけについて(親だけでなく学童指導員さんなどにも)、シーライツでは様々な講座を用意しています。興味のある方はぜひお問合せフォームからご連絡ください。

 

今回、甲斐田がインタビューを受けましたが、子どもに対する暴力をなくすために活動する人、組織は多くあります。

 

昨夜の放送で興味を持ってくださった方、ぜひ以下のページもご覧ください。

 

 

 

●子どもすこやかサポートネット

 

子どもの生活に対する体罰の法的禁止のプラスの影響

 

体罰の弊害についての科学的根拠

 

※いずれも「子どもすこやかサポートネット」さんHPより参照

 

●高祖常子さん

 

★高祖さんと甲斐田の対談がシーライツのFacebookにのっていますので、興味のある方ぜひご覧ください。

 

●セーブ・ザ・チルドレン 叩かない怒鳴らない子育て ポジティブ・ディシプリン

 

 

 

 

 

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。

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2019年03月7日

 

昨日のテレビ朝日「報道ステーション」でシーライツの代表理事、甲斐田万智子のコメントが放送されました。

 

 

放送された動画はこちらからご覧いただけます。

 

今回のブログでは、放送されなかった部分や補足情報をみなさまにお届けできればと思います。

 

(1)体罰は「しつけ」ではなく「子どもに対する暴力」

 

2006年の国連総会に提出された「子どもに対する暴力に関する報告書」では、子どもに対する暴力がすべての国、社会、家庭を含む集団のなかでおこっているというもので、それらはいずれも決して容認されてはならないというものでした。しかし、この報告書の内容について、日本ではあまり報道されることはありませんでした。

 

それから9年がたった2015年、持続可能な開発目標16.2で子どもに対する暴力の撤廃が定められ、世界中で体罰を含む子どもへの暴力をなくすための取り組みが活発化していきます。

 

現在、家庭を含むあらゆる状況における子どもへの体罰を法的に禁止した国は、54ヵ国に上っています。

 

そうした世界の動きの中で、日本は先月、国連子どもの権利委員会から、家庭内を含む様々な場面で子どもへの暴力が行われており、それを容認する社会があること、それをなくすための取り組みをすべきとの勧告を受けています。

 

 

これまで、日本ではどうして体罰を禁止することが受け入れられなかったのでしょうか。

 

シーライツのニュースレター94号のなかで、子どもすこやかサポートネットの代表理事、田沢茂之さんはこう問題提起してくれています。「大人に対して許されない『叩く』などの暴力行為が、子どもたちに対しては許され、時には、積極的な使用さえ許されてしまっているのはなぜでしょうか。~中略~子どもを権利の主体として見てないからではないでしょうか。」

 

 

報道ステーションの取材時、甲斐田はこのように回答しています。

 

子どもは叩かないと分からないという子ども観。子どもは叩かなくてもきちんと話せば理解できる、と子どもを信じる子ども観。後者は子どもの権利に基づく子ども観です。日本で子どもの権利教育がすすんでいないことも、体罰が容認されてしまう一因だと思います。

 

 

子どもは叩かないと分からない、叩くべきだという考えがまだ日本では根強いと思います。叩いて子どもが言うことを聞いても、それは恐怖により一時的に子どもが言うことを聞いているだけ。叩いたり怒鳴ったりすることは、子どもにとって有害であるとの科学的な根拠がいくつもあります。

 

また、アメリカの保険会社の調査によると、体罰を受けて育つなど、子どもが逆境体験をしたことによって社会に与える影響と社会的な損失があるとのデータもあります。子ども本人と社会にとって、体罰は大きな問題であることが科学的根拠をもとに示されてきていることが、もっと多くの人に伝わると良いと思っています。

 

 

(2)法制化だけでは不十分

 

法制化だけでは、子どもへの暴力、体罰をなくすことは難しいと甲斐田はインタビューで回答しています。

 

他の国では、法制化とあわせて体罰をなくすための啓発活動を同時に行うことで成果をあげています。

 

例えば、今、日本では年間50名の子ども(1週間に約1人の割合)が虐待で亡くなっています。体罰禁止の法制化と啓発活動を取り組んできたスウェーデンでは虐待により亡くなる子どもの数は年間4名程度となっています。

 

また、啓発活動とあわせて、親に対するサポートも重要であると甲斐田は答えていました。

 

 

(3)体罰をしないで子育てするには、どうすれば良いの?

 


 

体罰禁止の法制化とあわせて、体罰によらない「しつけ」をするにはどうすれば良いのか。それには親にとってしつけの方法を教わる場が用意されることだとテレビでは放映されました。さらに、そうしたしつけを教わる場に来られない親に対する経済的な支援も必要だと甲斐田は回答しています。

 

また、インタビューでは下記のようにも答えていました。

 

叩く」「怒鳴る」ことが、「しつけ」ではなく「子どもに対する暴力」なのだ、と訴えると、そのように育てられた人にとっては、自分の親を否定するように感じてしまう人もいます。

 

そのため、親自身が自分を大切に思えることがまずは大切だと思います。自分はダメな親ではないかという不安や、「いい子に育てなければ」というプレッシャーから、どうしていいかわからず、手が出てしまうこともあるでしょう。完璧な親はいないのに、「いい子に育てなければ」と追い込まれてしまう。

 

 

暴力によらないしつけとは、どんなおとなになりたいかを話し合う子どもとの対話からうまれてきます。そのためには、まずは親自身が自分を大切にし、自分も大切な存在であるのと同様に、子どもにも人格があることを気づき、対話していけるようになることだと思います。

 

体罰によらない子どもへのしつけについて(親だけでなく学童指導員さんなどにも)、シーライツでは様々な講座を用意しています。興味のある方はぜひお問合せフォームからご連絡ください。

 

今回、甲斐田がインタビューを受けましたが、子どもに対する暴力をなくすために活動する人、組織は多くあります。

 

昨夜の放送で興味を持ってくださった方、ぜひ以下のページもご覧ください。

 

 

 

●子どもすこやかサポートネット

 

子どもの生活に対する体罰の法的禁止のプラスの影響

 

体罰の弊害についての科学的根拠

 

※いずれも「子どもすこやかサポートネット」さんHPより参照

 

●高祖常子さん

 

★高祖さんと甲斐田の対談がシーライツのFacebookにのっていますので、興味のある方ぜひご覧ください。

 

●セーブ・ザ・チルドレン 叩かない怒鳴らない子育て ポジティブ・ディシプリン

 

 

 

 

 

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3月5日の報道ステーション放送をうけて

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2019年03月7日

 

昨日のテレビ朝日「報道ステーション」でシーライツの代表理事、甲斐田万智子のコメントが放送されました。

 

 

放送された動画はこちらからご覧いただけます。

 

今回のブログでは、放送されなかった部分や補足情報をみなさまにお届けできればと思います。

 

(1)体罰は「しつけ」ではなく「子どもに対する暴力」

 

2006年の国連総会に提出された「子どもに対する暴力に関する報告書」では、子どもに対する暴力がすべての国、社会、家庭を含む集団のなかでおこっているというもので、それらはいずれも決して容認されてはならないというものでした。しかし、この報告書の内容について、日本ではあまり報道されることはありませんでした。

 

それから9年がたった2015年、持続可能な開発目標16.2で子どもに対する暴力の撤廃が定められ、世界中で体罰を含む子どもへの暴力をなくすための取り組みが活発化していきます。

 

現在、家庭を含むあらゆる状況における子どもへの体罰を法的に禁止した国は、54ヵ国に上っています。

 

そうした世界の動きの中で、日本は先月、国連子どもの権利委員会から、家庭内を含む様々な場面で子どもへの暴力が行われており、それを容認する社会があること、それをなくすための取り組みをすべきとの勧告を受けています。

 

 

これまで、日本ではどうして体罰を禁止することが受け入れられなかったのでしょうか。

 

シーライツのニュースレター94号のなかで、子どもすこやかサポートネットの代表理事、田沢茂之さんはこう問題提起してくれています。「大人に対して許されない『叩く』などの暴力行為が、子どもたちに対しては許され、時には、積極的な使用さえ許されてしまっているのはなぜでしょうか。~中略~子どもを権利の主体として見てないからではないでしょうか。」

 

 

報道ステーションの取材時、甲斐田はこのように回答しています。

 

子どもは叩かないと分からないという子ども観。子どもは叩かなくてもきちんと話せば理解できる、と子どもを信じる子ども観。後者は子どもの権利に基づく子ども観です。日本で子どもの権利教育がすすんでいないことも、体罰が容認されてしまう一因だと思います。

 

 

子どもは叩かないと分からない、叩くべきだという考えがまだ日本では根強いと思います。叩いて子どもが言うことを聞いても、それは恐怖により一時的に子どもが言うことを聞いているだけ。叩いたり怒鳴ったりすることは、子どもにとって有害であるとの科学的な根拠がいくつもあります。

 

また、アメリカの保険会社の調査によると、体罰を受けて育つなど、子どもが逆境体験をしたことによって社会に与える影響と社会的な損失があるとのデータもあります。子ども本人と社会にとって、体罰は大きな問題であることが科学的根拠をもとに示されてきていることが、もっと多くの人に伝わると良いと思っています。

 

 

(2)法制化だけでは不十分

 

法制化だけでは、子どもへの暴力、体罰をなくすことは難しいと甲斐田はインタビューで回答しています。

 

他の国では、法制化とあわせて体罰をなくすための啓発活動を同時に行うことで成果をあげています。

 

例えば、今、日本では年間50名の子ども(1週間に約1人の割合)が虐待で亡くなっています。体罰禁止の法制化と啓発活動を取り組んできたスウェーデンでは虐待により亡くなる子どもの数は年間4名程度となっています。

 

また、啓発活動とあわせて、親に対するサポートも重要であると甲斐田は答えていました。

 

 

(3)体罰をしないで子育てするには、どうすれば良いの?

 


 

体罰禁止の法制化とあわせて、体罰によらない「しつけ」をするにはどうすれば良いのか。それには親にとってしつけの方法を教わる場が用意されることだとテレビでは放映されました。さらに、そうしたしつけを教わる場に来られない親に対する経済的な支援も必要だと甲斐田は回答しています。

 

また、インタビューでは下記のようにも答えていました。

 

叩く」「怒鳴る」ことが、「しつけ」ではなく「子どもに対する暴力」なのだ、と訴えると、そのように育てられた人にとっては、自分の親を否定するように感じてしまう人もいます。

 

そのため、親自身が自分を大切に思えることがまずは大切だと思います。自分はダメな親ではないかという不安や、「いい子に育てなければ」というプレッシャーから、どうしていいかわからず、手が出てしまうこともあるでしょう。完璧な親はいないのに、「いい子に育てなければ」と追い込まれてしまう。

 

 

暴力によらないしつけとは、どんなおとなになりたいかを話し合う子どもとの対話からうまれてきます。そのためには、まずは親自身が自分を大切にし、自分も大切な存在であるのと同様に、子どもにも人格があることを気づき、対話していけるようになることだと思います。

 

体罰によらない子どもへのしつけについて(親だけでなく学童指導員さんなどにも)、シーライツでは様々な講座を用意しています。興味のある方はぜひお問合せフォームからご連絡ください。

 

今回、甲斐田がインタビューを受けましたが、子どもに対する暴力をなくすために活動する人、組織は多くあります。

 

昨夜の放送で興味を持ってくださった方、ぜひ以下のページもご覧ください。

 

 

 

●子どもすこやかサポートネット

 

子どもの生活に対する体罰の法的禁止のプラスの影響

 

体罰の弊害についての科学的根拠

 

※いずれも「子どもすこやかサポートネット」さんHPより参照

 

●高祖常子さん

 

★高祖さんと甲斐田の対談がシーライツのFacebookにのっていますので、興味のある方ぜひご覧ください。

 

●セーブ・ザ・チルドレン 叩かない怒鳴らない子育て ポジティブ・ディシプリン