お知らせ

子どもの性的搾取反対会議 速報2

お知らせ

2008年12月3日

 

  こんにちは。甲斐田です。ブラジル会議速報2として二日目の昨日(11月27日)の会議についてお伝えします。
 二日目の午前は3つ目のテーマ「セクター間の包括的な政策」というもので、全体会と分科会がありました。

DSCN0870 small.jpg 全体会のパネルディスカッションでは4人のスピーカーと子ども代表が発表。印象的だったのは、ニュージーランドでオンブズパーソンなど子ども保護政策にかかわっている女性の発言で、一人の少女の例を紹介して、すべての機関で連携し子ども保護のシステムをつくり、セーフティネットをつくらなくてはならないというものでした。以下その少女の事例です。
 
 少数民族であるマオリ族のAさんは、86年生まれ。親はいずれも10代。4歳のときに母が一緒に暮らすようになった新しいパートナーに性的虐待され、祖母と暮らすようになる。しかし、その祖母が亡くなり今度は叔父に性的虐待されるようになる。教師に訴えるが何も助けてもらえず、数年後再度訴えたところ、子ども保護部局が介入し、叔父は起訴され有罪となる。しかし、彼女は親戚から責められ、再び母親と暮らすようになる。

 パートナーと別れて、3人の子どもを一人で育てていた母親は、極貧の中にあり、母親との関係は最悪。彼女はお酒などを飲む荒れた生活を送る。母親と同じように18歳で子どもを出産するが、赤ちゃんは胎児のときにアルコールの影響を受ける。その後も、アルコールに依存する生活を送るが二人目の子どもが生まれる。25歳のときにようやく彼女の話を真剣に聞いてくれる人が現れ、彼女は依存症の治療も受けながら施設で暮らすようになり、新しい人生を歩むことを考えられるようになった。

 Aさんのような少数民族に対する差別や、子どもや女性を所有物とみなし、男性の暴力に対して甘い社会の価値観も問題と指摘されていました。なお、発言された彼女もマオリ族出身とのことでした。

brazil 068small.jpg 午後は、「企業社会責任(CSR)のイニシアティブ」というテーマでシルビア王妃など4名と二人の子ども代表が発表。シルビア王妃は、企業はもはやビジネスを行う際に人権問題を無視することはできなくなったとし、政府と市民社会だけでなく、民間なくして人権問題は解決できないと訴えました。

 国連世界観光機関の代表は、子どもの性的搾取をなくすために市民社会と旅行業界の連携が不可欠であること、これまでどのような連携、対策がとられてきたかを報告しました。

 ブラジルのペトロブラス(Petrobras)というガソリンの会社(21万人の従業員)の代表からは、会社ぐるみで子どもの性的搾取反対キャンペーン活動を行い、ガソリンスタンドでの意識啓発活動やホットラインについての取り組み(200万件の通報あり)の報告がありました。

 全体会議よりは、各テーマのもとで開催される分科会の報告の方が興味深いのですが、今日も、もう出発の時間が近づいてきてしまいましたので、ワークショップなどの報告はまたの機会にさせていただきます。

 11月28日 朝6時過ぎ 甲斐田万智子

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。