お知らせ

子どもの権利条約批准20周年記念連続セミナー第5回を開催しました

報告

2015年03月10日

 

子どもの権利条約批准20周年記念連続セミナー第4回を開催しました

「子どもの家庭で暮らす権利を守る ~報告書『夢がもてない』の意味は?」

 2015年1月31日、子どもの権利条約批准20周年記念連続セミナー第5回目となる今回はヒューマン・ライツ・ウォッチとの共催で「子どもの家庭で暮らす権利を守る ~報告書「夢がもてない」の意味は?」を開催しました。学生を含む、20名の方にご参加いただきました。

会場の様子

 ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗さんに日本の里親や養子縁組制度の仕組みや子どもの置かれている状況について、シーライツ代表理事の甲斐田が子どもの権利をベースに子どもにとって幸せな家庭とはどんな家庭なのかと、子どもに優しいまちづくりについてそれぞれお話いただき、グループディスカッションを交えながら「子どもにとって幸せな環境とは何か」「私たちには何ができるのか」ということについて考えを深め,参加型でセミナーが行われました。

土井香苗さんによるお話

 土井さんからは、1)動画「夢をもてない」を通して日本の里親や施設の現状について、2)脱施設・家庭養護による子どもと政府にとってのメリットについて、3)調査したことを「知らせる」ことにより、多くの人がこれらの問題を子どもの権利侵害として認識する。これら3つの点についてお話いただきました。なぜ施設が最終手段となるべきなのかということを、子どもの置かれる現状をお話から知ることで理解が深まりました。また、施設や里親からの一時的な支援だけでなく永続的で安定した支援が重要であるということを改めて実感しました。甲斐田代表からは、ユースの事前学習会で出た疑問への回答を交えながら、「子どもにとって幸せな環境づくり」についてお話いただきました。家庭とは子どもが安心して生きることのできる空間であり、家庭以外の空間でも子どもに対して温かい目が向けられるような子どもにやさしいまち(空間)づくりが重要であると言うことを知りました。

グループディスカッション

 セミナーの後半からは「パートナーに、里親にならないかと言われたらあなたはどうするか」というテーマで当事者の気持ちになってグループでディスカッションを行いました。実際に里親になろうか考えた時期があったという体験談なども含め、多くの意見が出されました。その後、ディスカッションをへて出た疑問を参加者全員で共有し、土井さんと甲斐田代表に答えていただきました。参加者からは「18歳になって施設を出た子どもや、施設から里親のもとにいく子どもに対するケアはあるのか」という質問に対して、施設出身者によって作られたコミュニティ組織が存在する。しかし、現在では多く見られないため、定期的に相談にのるボランティアや同じ境遇にいる子どもが安心して悩みや不安を話すことのできる場をふやす必要がある、という回答がなされました。

セミナーのコーディネートを担当したユースメンバー

子どもにとってやさしい社会をつくるには、子どもの権利と子どもにとってどんな問題があるのかを知らなければ状況を変えていくことはできません。子どもたちが幸せに生きることのできる環境をつくるのは、私たち一人ひとりの責任だということを感じることができたセミナーでした。

Youth for Rights(シーライツ・ユース) 大学生 西岡あゆみ

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。