お知らせ

【後編:第2回】「子どもと向き合う人間の安全保障」連続セミナー、大変盛況です!

報告

2016年06月6日

 

「子どもと向き合う人間の安全保障」連続セミナー、大変盛況です! ~第2回報告~

5/11の第2回セミナーでは、ギニア出張からご帰国されたばかりの勝間靖先生より、UNICEF職員としてのメキシコやアフガニスタンにおけるご経験や、アフリカでのマラリアやエボラ出血熱の調査を踏まえ、「平和研究」「開発研究」「人権研究」と「人間の安全保障」の関係、子どもを中心に据えた「人間の安全保障」の理論の再検討、また人権・人道・開発各分野におけるアクター同士が「子どもの安全保障」の問題にどう折り合いをつけて向き合っていくべきかということについて、包括的な視点を持つことの重要性が強調されました。

学内外より43名の方にお越しいただきました。

今回コメンテーターを務めたHSP(東大・人間の安全保障プログラム)学生代表からは、勝間先生の講義中の
①持続可能性と企業の役割
②官民連携、パートナーシップの強化
③エボラ出血熱における埋葬の伝統と人類学
について、
司会を務める関谷先生からは、
①人類学における子どもの概念と子どもの権利条約
②人間の安全保障の理論の意義
③開発と子どもの人権
について問題提起がなされ、より踏み込んだ議論がなされました。

勝間先生は参加者に質問を投げかけ、対話形式でセミナーが進められました。
勝間靖先生が子どもの安全保障の理論を図で説明してくださいました。

セミナーで印象的だったのは、
・子どもの権利をはじめとする「人権」概念の理想と現実にのギャップついて、「規範」を設定することの重要性。
・(アフガニスタンの女子教育の事例から)「教育」というと反発されるが、「学ぶこと」と言葉を変えると、意義を理解してもらえる。
・平和構築や貧困削減などの議論で、ファッションとして「人間の安全保障」という言葉が付されている傾向。「人間の安全保障」の理論が付加価値を持つような研究が必要である。
ということです。

質疑応答では、第1回に続き多くの質問が寄せられ、あらゆる開発現場でみられる、諸アクターの掲げる「原則」の対立とバランスや、自身の研究テーマにおける「人間の安全保障」理論の適用・意義、グローバル化と個のアイデンティティの危機などについて問題提起がなされました。

セミナーには、シーライツの理事・ユースメンバーや、活動を応援してくださっている方、東京大学の学生、他大学・他機関で子どもの安全保障の問題に関心を持っている方など、さまざまな方にお集まりいただき、セミナー終了後もしばらく教室がにぎわっていました。

ユースのメンバーも積極的に質問していました。

濃密な議論なだけに、時間の制約が惜しいですが、引き続き「子どもと向き合う人間の安全保障」ゼミの履修生とともに、セミナーであげられた問題点について議論を深める予定です(ゼミの議論に参加されたい他大学の方はご連絡ください)。

第3回公開セミナーは6月15日、セーブザチルドレンの堀江由美子さんに「ビジネスと子どもの安全保障」というテーマでご講演いただきます。

奮ってご参加ください!

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。