お知らせ

[報告]子どもの人身売買と性的搾取の防止

報告

2008年06月3日

 

 2007年度に行った事業の一つである、子どもの人身売買と性的搾取の防止事業の実施状況とその成果をご報告いたします。

事業名:子どもの人身売買・性的搾取防止事業
実施期間:2007年9月から2008年3月(2008年6月まで実施予定。その後、7月からさらに継続)
実施場所:カンボジア スバイリエン州チャントリア郡
目標:児童労働と人身売買のリスクが高いスバイリエン州の地域において人身売買をなくす

rice_provide2008.jpg スバイリエン州チャントリア郡は、ベトナムとの国境を接しており、小学校低学年の子どもたちがベトナムに物乞いや農作業の出稼ぎに行くことが多い地域です。その出稼ぎの過程で子どもたちは性的搾取や人身売買のリスクに遭いやすくなっています。
 シーライツでは、HCC(子どものためのヘルスケアセンター)とのパートナーシップのもと、この地域の10の小学校・中学校と二つの地域で子どもの権利や人身売買・性的搾取に関するトレーニングを実施し、「学校を拠点とする子どもの人身売買ネットワーク(SBPN School Based Prevention Network)」「地域を拠点とする子どもの人身売買ネットワーク(CBPN Community Based Prevention Network)」を作り、そのネットワークメンバーを通じて、子どもたち自身とその周辺の大人たちに、子どもの権利に関する知識や認識の普及をし、人身売買や子どもの性的搾取を防止することができました。
 あわせて、被害者になりやすい貧困層の子どもを対象に奨学金プログラムと出稼ぎを減らすための収入向上プログラム(最貧困家庭に牛を貸し出し、家庭菜園の農法指導と種子給付)を実施しました。この結果、特に子どもが人身売買に巻き込まれやすい危険な出稼ぎを食い止めることができました。(写真は、奨学金としてお米を受け取る少女)

この事業での裨益者は以下のとおりです。
・2つのコミューン(チュレとプレイコキー)でトレーニングを受けた地域のリーダー(CBPN) :15人
・2つのコミューン(チュレとプレイコキー)でトレーニングを受けた学校の子どもたち(SBPN):121人
・5つのコミューン(上記二つとバティ、バベット、プラサート)でCBPNによって情報を受け取った地域住民:8661名
・SBPNによって情報を受け取った子どもたち:1740名
・奨学金(米)を受け取った少女の家族:20世帯
・奨学金(文房具)を受け取った少女:50名
・収入向上プログラムでトレーニングおよび牛の貸し出しを受け、家庭菜園用の種子を受給した家庭:10世帯

 この事業は、国際ボランティア貯金、東京都、全労済、連合、サッポロビール労働組合、真如苑、エアラインズクラブから助成金を受けたほか、多くの個人の方々からのご寄付により実施することができました。
 ご支援くださった皆さま、どうもありがとうございました。
 引き続き、2008年度もどうぞよろしくお願いいたします。

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。