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カンボジアの伝統文化:プチュンバンと水祭り

カンボジアだより

2010年11月25日

 

 こんにちは。カンボジア事務所の筒井です。カンボジアでは、年始の1日はお休みですが、それ以外はクリスマス、年末、お正月もなく、ふだんどおり仕事をします。その代わり、伝統行事を祝う大型連休が4月、5月、10月、11月にあります。今回は、少し趣旨を変えて、カンボジアの伝統的な文化に目を向けてみたいと思い、10月のプチュンバン(お盆)と11月の水祭りについて、当会スタッフのチョムロンに記事を書いてもらいました。ところがその直後に、(日本でも大きく報道されたようですが)今年の水祭で300人以上の犠牲者を出す惨事が起きてしまいました。カンボジアの人びとみんながとても楽しみにしているお祭りで、このような痛ましい出来事が起きたのは何とも残念です。亡くなった方々のご冥福と、けがをされた方々の一刻も早いご回復を心よりお祈りいたします。

 

 


水祭り

スバイリエン州にてボートの練習をする人々cシーライツ 

 

 

水祭り

チョムロンです。今回はカンボジアの代表的な伝統行事についてお話したいと思います。水祭りはちょうど雨季の終わりごろに開催され、陰暦の満月に合わせて行われるため、毎年時期が変わります。この水祭りは、カンボジアの祝日のなかでももっとも楽しみにされている行事です。中でも、長細いボートを利用したレースがとても人気があります。ボートレースは、かつてのアンコール王朝期の水軍の力強さを再現しているともいわれています。

各州を代表する選りすぐりの選手たちがプノンペンに集結し、3日間にわたるレースが展開されます。選手だけではなく、この時期は見物のために国中からおよそ200万人もの人がプノンペンを訪れます。特にレースが行われる川沿いは歩くスペースもないほどです。今年は、420艇、28000人以上の参加があったそうです。夜になると、さまざまな催し物が開催されています。昼間はとても暑いですが、夜になると涼しくなり、人々はゴザを敷いてごちそうを食べたり話したりと余興を活発に楽しみます。若い人たちの出会いの場にもなっています。熱戦の後も、それぞれ各地に帰った選手たちは熱気が冷めやらず、地元でも純粋に楽しむためにレースをしばらく続けます。

 


プチュンバン

チョムロンの地元のお寺cシーライツ 

 

 

プチュンバン(カンボジアのお盆)

プチュンバンは、陰暦10月末日に行われるお祭りで、今年は10月でしたが年によっては9月のときもあります。仏教徒のカンボジア人にとっては、重要な宗教行事で、日本のお盆ととても似ていると思います。

お祭りは15日間続きます。この間、人々は地元のお寺だけではなく、遠くのお寺まで車に乗り合わせて出かけて、お布施をします。私たちの信仰では、先祖の魂と再会するために、少なくとも7か所のお寺を回らなければならないとされています。先祖の魂は、プチュンバンの15日間の間だけは自由に動き回ることを許され、人々が食べ物を供えて準備します。

プチュンバンは、「集める」という意味があります。15日目は特に家族全員が集まり、お寺に向かいます。カンボジア人はとても信仰深く、霊の存在を信じています。ご先祖様と会うために、このように家族でお寺をお参りするわけです。

 

 

水祭りとプチュンバンは、通学や仕事のために親元を離れて暮らしている人たちにとって、帰省するいい機会にもなっています。カンボジア人は家族思いで、通学するにしてもなるべく自分で学費を稼ぎ、就職しても給料のかなりの割合を家族に送金しているほどです。このようなカンボジア人にとって、水祭りとプチュンバンは、家族や親族が集まって団らんしたり、一緒に旅行に出かけたりする季節でもあります。私も必ず水祭りとプチュンバンの間は、地元に帰り、家族や親類と食事をとり、楽しい時間を共にしています。

 

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。