お知らせ

【国連機関、東南アジア洪水被害における子どもたちへの影響を懸念】

カンボジアだより

2012年02月6日

 

こんにちは。
シーライツ翻訳グループの櫻井です。
今回ご紹介する記事は、国連ニュースセンター(http://www.un.org/news/)発行による、東南アジアを襲った大規模洪水で被災した子どもたちに関する記事です。
被災したのは、もちろん大人だけではありません。多くの子どもたちも被害に遭っています。記事によると2011年10月18日までに200人以上が溺死、何十万もの子どもたちが学校に通えなくなるなど様々な被害が報告されております。東南アジア(特にタイ)では、多くの日系企業が進出していることもあり、日本のマスメディアでは、そういった日本企業の被害を中心に報道がされていました。しかし、現地の人々や子どもが実際どのような被害にあったのかについての報道はあまりなされていなかったように記憶しています。

シーライツが支援してきた家族や人身売買防止のために活動してきた子どもたちの家庭合計40家庭も被害に遭いました。詳しくはこちら

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私たちシーライツでは、カンボジアの大規模洪水被害に対して昨年10月より緊急支援募金を呼びかけ、1月には支援を行いました。現在は復興支援への協力をお願いしています。この記事を通じて1人でも多くの方々に子どもたちの置かれている現状を知って頂き、是非洪水復興支援募金にご協力いただけますようお願いします。

 

【国連機関、東南アジア洪水被害における子どもたちへの影響を懸念】
 ”UN agencies voice concern at impact of South-East Asian floods on children”
2011年10月21日  By UN News Centre
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=40156&Cr=asia&Cr1=flood#

東南アジアでの大規模洪水は、子どもたちにまで甚大な被害をもたらした。国連機関による2011年10月21日の発表によれば、洪水で犠牲となった児童200人以上のほとんどが溺死し、さらに何十万もの子どもたちがインフラの損傷により、学校に通えない危険に晒された。

季節的な豪雨と頻繁に発生する熱帯低気圧がもたらした洪水は、カンボジア、ラオス、フィリピン、タイ、ベトナムにおいて8万人もの人々に影響を与えた。

2011年10月18日までに、200人以上の子どもを含む745人が洪水により死亡したと報告されている。カンボジアのみをとっても、80人の子どもが亡くなっており、そのほとんどは溺死である。

国連児童基金(UNICEF)によれば、子どもたちにとって今最も必要なのは、清潔な水、伝染病拡大を防止するための衛生物資、食糧供給、安全に遊ぶことのできる避難所である。UNICEFは、影響を受けた各国政府・行政機関と共に、そうした緊急支援を最も必要とする人々のために提供している。

国連世界食糧計画(WFP)は、カンボジアにおいて米の配給を近々開始するという形で、12,000世帯、60,000人が必要とする緊急食糧支援への取り組みを開始するという。

WFPによると、50万ドル(日本円:約4,000万円)の緊急措置の主な目的は、すでに被災家族が行っている、米を高金利で借りたり、資産を売却したり、子供たちを学校から連れ出したり、食糧摂取量を減らしたりというような、その場しのぎの災害対処方法を回避することにより、人命を助け、生活を保護するというものであった。

被害を受けた多くの国々で、新学期が10月に開始される予定だったとWFPは言及している。しかし、学校の施設や設備への甚大な被害は何十万の子どもが何週間もしくは何か月間か学校に行けなくなるかもしれないことを意味する。

カンボジアの1,300以上の学校(これは全体の17%に当たる)が洪水による被害を受けている。これらの学校のうち約75%は10月1日からの新学期を開始することができず、450,000人の子どもたちが影響を受ける。タイでは、3,000を超える教育機関が影響を受けている。

国連国際防災戦略(UNISDR)も、洪水で多くの子どもたちが死亡した事と共に、工場プラントが洪水の影響を受けた土地にあったために、復職できない何千人もの労働者について懸念を表明している。この表明では、民間の工場が災害地域に位置することから、労働者の保護の改善を図り、安全性が懸念される地域に労働者が家を建てないようにするためには、どのような調整が必要とされるか、被災国政府が民間部門と討論を開始することを要請している。

地域全体で、工業プラントは閉鎖に追い込まれ、また、農業は復興に苦しんでいるために、無事だった数百万の人々が急激に生きる糧を失う危険にさらされているとUNISDRは言及する。

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した世界情報・早期警戒システム報告書によると、正確な数字は未だ明らかではないが、この洪水により3万ヘクタールを超える地域全体の耕作地が被害を受けたと推定されている。さらに、家畜や養鶏の損失、加えてかなりの数が瀕死の状態であることが報告されている。

【参考】
・国連児童基金(UNICEF)  http://www.unicef.org/
・国連世界食糧計画(WFP)  http://www.wfp.org/
・国連国際防災戦略(UNISDR)http://www.unisdr.org/
・国際連合食糧農業機関(FAO)http://www.fao.org/
 世界情報・早期警戒システム http://www.fao.org/giews/english/index.htm

(2011年12月3日 櫻井智子・翻訳)

 

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