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人身売買容疑でカンボジア人夫婦の身柄を拘束

カンボジアだより

2012年06月26日

 

 先日(6月19日)、米国国務省が今年の人身売買報告書を発表しました。それによると世界で最大2700万人が現在も奴隷状態の下に暮らしていると推計されています。毎年、世界185か国・地域で人身売買の状況と政府の取り組みが調査され、ランク付けされているのですが、カンボジアは、日本同様、今年も「人身売買根絶の最低基準を満たさない国」として第二階層(Tier 2)にランクづけされました。しかし、カンボジア政府は最低基準を満たす努力をかなり行なっているとし、昨年よりも20人多い62人の人身売買加害者が処罰されていることなどが評価されています。実際は、これよりもはるかに多い人身売買が行われており、加害者が逮捕され、処罰を受けるのは氷山の一角といえます。
 以下の記事は、そのような例の1つで、タイで5歳の男の子を売買した罪で逮捕されたカンボジア人夫婦について報じています。驚くべきことに、この夫婦は過去20回も逮捕されているということです。それだけ、子どもの売買がお金になり、量刑が軽いために釈放されてはすぐに同じ犯罪を繰り返すのでしょう。5歳の男の子が売買され、物乞いの道具とされたり、性的搾取されたりするような犯罪は、もっと厳しく取り締まってほしいと願うばかりです。(甲斐田万智子)

 

人身売買容疑でカンボジア人夫婦の身柄を拘束
ザ・ネーション紙2012年5月9日号
Cambodian couple held for trafficking
The Nation May 9, 2012
http://www.nationmultimedia.com/national/Cambodian-couple-held-for-trafficking-30181566.html

タイ警察は昨日、長い金髪で少女のような格好をした5歳の男児を追跡し、その先で発見したカンボジア人夫婦を人身売買および移民法違反の疑いで逮捕した。
警察の人身売買対策局は、自身の前妻アンゴンさん(33歳)の義理の息子を誘拐し、物乞いをさせるためにバンコクへ連れ去った疑いで、ロム・サン(50歳)容疑者とその妻のパッド・サン(36歳)容疑者を逮捕した。
警察はラムカムヘン大学の前で物乞いをしている女装の男児を発見した後、彼が帰宅するところを尾行した。
両容疑者は誘拐の容疑を認めている。警察当局は過去7年間に移民法違反で20回逮捕されたことを明らかにしたが、夫婦は人身売買をせざるを得ない状況に追い込まれたと供述している。
人身売買対策警察署長を務めるチャオワリット・サワエングペッチ警察少尉によると、当局は人身売買を厳重に取り締まる予定であるという。子どもたちが物乞いや花売りをしている観光地に特に力を入れ、プーケットが最初の取り締まり地域となる。

(2012年6月7日 訳・植田あき恵)

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