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よりよい活動にするために〜カンボジアで事業評価を実施しました

カンボジアだより

2017年03月1日

 

よりよい活動にするために〜カンボジアで事業評価を実施しました

シーライツは2014年4月からカンボジア・スバイリエン州コンポンロー郡タナオコミューンで、ベトナムへの出稼ぎによる子どもの人身売買及び児童労働防止事業を実施してきました。2017年3月に事業の第一期が終了することから、外部コンサルタントによる事業の評価を2016年11月から12月にかけて行いましたので、その結果を皆さまにご報告したいと思います。

■事業の目的・活動、その実績

タナオコミューンは非常に貧しい農村地域で、農業だけで生計を立てるのが困難であり、また、化学肥料を購入するための借金がかさんだことから、子どもを伴って隣国のベトナムに違法な出稼ぎに出ていく家族があとをたちませんでした。シーライツは、子どもたちが人身売買や児童労働の被害に遭うことなく、学校に通い続けられるよう啓発活動を行いながら、「子どもの権利」が大切にされる「子どもにやさしい地域社会」をめざしてきました。具体的には①シーライツの職員から「子どもの権利」、「児童労働・人身売買の危険」等の研修を受けた子ども代表(ピア・エデュケーター)が地域の子ども・おとなへ学んだ知識を伝えるピア・エデュケーション、②子ども同士の助け合い・学び合いの場となる「子どもクラブ」を各村で結成・運営、③子どもたちが自由に学び・活動できる「図書室」と「多目的ルーム」を備えた「チャイルド・フレンドリー・スぺ―ス(以下CFS)」を建設、地域住民と協同で運営、④地域行政・学校との連携、に取り組みました。

■評価の結果概要

調査では、合計161人の住民や子ども、関係者にグループ・ディスカッションとインタビューを行いました。

その結果、事業の目的はカンボジア政府の政策や地域のニーズに合ったものであり、特にCFSは子どもたちにとって重要な場となっていること、それが子どもたちが自信を得てエンパワメントに結びついていることが確認されました。また、事業は、子どもに重要なインパクトを与えており、子どもたち同士の助け合いやキャンペーンマーチの実施等子どもが積極的に社会を変える活動に参加していることが示されました。

一方、事業計画づくりにおける子どもへのヒアリング、学校教員や地域や同じ分野で活動する他NGOとの連携、保護者への啓発、ピア・エデュケーターの研修カリキュラム整備や教材配布、ピア・エデュケーターへの活躍機会のさらなる提供、危機管理体制、CFSや子どもクラブの持続性において、なお改善が必要であることが指摘されました。

全体をとおしてみると、子どもへのアプローチでは一定の成果をあげていて、CFSも多くの子どもたちに利用されているものの、保護者や学校・行政、他NGOなど、地域のおとなたちとの連携強化に関する、さまざまな課題が明らかになりました。なお、過去2~3年の間に事業地近郊の経済特区に多くの多国籍企業が進出し、工場で働く機会が増え、子どもたちが働かされるようになった一方で、ベトナムへの子どもの出稼ぎは確実に減少しており、今後もその傾向が継続するだろうということも確認されました。

■今後の対応

評価の結果を踏まえ、今後の新たな事業においては、同じ地域で活動するほかのNGOを調べ連携もっと連携していくこと、事業や年間計画を立てるときに子ども参加を徹底すること・また策定した計画を関係者と共有すること、保護者・地方行政などの責任を負っている人に対する啓発を強化すること、職員教育や危機管理など運営体制を見直すこと、ピア・エデュケーターの役割の明確化(文書)と教材の充実化、子どもクラブの指針の明確化(文書)と運営マニュアル作成、参加型の事業計画・立案の徹底と進捗管理体制の整備等を着実に実践し、これまで以上に戦略を練り、さらに地域住民がオーナーシップを持って子どもたちの活動をサポートできるようになることをめざします。今後ともご支援をよろしくお願い申し上げます。

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。