お知らせ

共同通信の連載記事「世界はおとなだけのものじゃない!」を終えてのインタビュー(連載記事 第9回)

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2020年12月29日

 

こんにちは。学生インターンの栗原麻衣です。シーライツ代表理事の甲斐田万智子が、今年の7月から9月まで共同通信に「世界はおとなだけのものじゃない!」というタイトルのもと子どもの権利に関する連載記事を執筆していました。

 

 

 

 

その連載記事を基に学びを深めるきっかけになったらという思いで、インタビューをさせていただきました。

 

 

 

今回のテーマは 連載記事の第9回「LGBT 多様な性」についてです。

 

 

多様な性が当たり前の社会になるには?

 

Q 近年では社会のLGBTQへの認知度も高まってきました。しかし、それでもまだまだカミングアウトをするということに抵抗があるという子どもが多いということが現状です。そういう子どもたちと共に生きるためにできることは何か、甲斐田理事に聞いてみました。

 

 

 

A なぜ子どもたちや親やまわりにカミングアウトができないのか? その理由には周りの理解が進んでいないということが挙げられます。LGBTQの子どもを持つ親の方から、幼稚園や保育園のときから性的指向、性自認について学ぶ機会を作るということが大切と聞きました。私もそう思います。残念なことが偏見をもっている先生がまだ多いのが事実です。先生のために研修を行ったり、副教材を配布したりすることが求められます。また、LGBTQ当事者や当事者の家族の生の声を聞いてもらう機会があることも必要です。

 

 

 

“甲斐田理事の話から、子どものときから多様な性を受け入れていくための基盤づくりの大切さがよくわかりました。おとなになってから初めて多様な性について知るという状況では、LGBTQの子どもに対する理解が得られず当事者が生きづらい。このサイクルを根本から変えることが、マイノリティの子どもが差別されずに、多様な性が当たり前の社会になるために求められているのではないかと思いました。”

 

 

 

「男らしさ」と「女らしさ」って何だろう?

 

 

Q 日本では男らしさ、女らしさを求める社会の風潮はまだ続いています。幼いころに子どもたちが、女性は家事、男性は外に働くということがあたりまえという態度に触れていたり、教科書に女性しか家事をしている写真しかなかったりということが原因になると考えます。これらについてどう思いますか?

 

 

 

A  雑誌の特集や広告などのメディアによる影響がとても大きいですよね。ドラマなどを見ていてもサラダを取り分けるのは女性だなど無意識の内に女性の役割、男性の役割が刷り込まれてしまう。一度「これはおかしい」と気づくと当たり前だと思っていたことが当たり前ではないということに気づきますよね。「男なのだから泣いてはダメ」、「男の子みたいにさばさばしているね」など男らしさや女らしさを求められることは、LGBTQの子どもたちが苦しむ原因にもなります。たとえば、男の身体で生まれ、心は女の子であるトランスジェンダーの子どもは、「男なのに女みたいなふるまい」ということでいじめられ、自殺を考えることが多いという調査結果があります。あと夫婦別姓という考え方も日本ならではなのですが、女性にばかり姓を変えることを求め、女性が自由に姓を選べない状況は女性差別です。女性が選択できる制度に反対する人は家庭が壊れる絵と心配しますが、夫婦の名前が違うというだけで関係が崩れるということはありません。海外では夫婦で姓を選ぶことが一般的になっています。もっと世界を見てほしいです。

 

 

 

”(話を聞いて)男らしさと女らしさとは何なのか?見た目が女性だから、男性だからと相手を批判することについて、いったん立ち止まって考えてみる必要があると思いました。誰もが男らしさ、女らしさという概念に苦しまずに自分のありのままの性でいられる社会を築くために私たちは多様な性について理解をし、世の中の固定概念の問題に気づくことが求められているのではないでしょうか。”

 

 

 

Q 最後に第9回の記事のテーマに関してメッセージをお願いいたします。

 

A 実際にLGBTQの当事者の人と出会ってみないと偏見をもちがちだと思います。多様な性は当たり前だということを子どもたち、親や教師にもっと知ってほしいし、そのことが認められないために子ども達が苦しんでいることを知ってほしい。子どもたちは、親にも誰にも言えないで孤立して苦しんでいます。特に子どもの権利に関わる人には、この問題について理解をしてほしいと思います。

 

 

 

 

”お話を聞いて改めて多様な性についての認識はもっと広まるべきだと痛感しました。LGBTQの人たちが当たり前に認められる社会になるためにも、幼少期から多様な性について受け入れる機会を提供する。そのために、子どもと関わる先生や親、大人への啓発もなくてはならない。日常生活で男らしさ女らしさを求めることは何か違うのではないかという気づきを得る。そんなメッセージをもらいました。”

 

 

 

 

最後に 多様な性が当たり前の社会になるために次のことが大事だと思いました。

 

 

 

・幼少期から多様な性について学ぶ機会をつくる。

・先生や親など大人の理解のためにも当事者と会う機会をつくる。

・男らしさ、女らしさというレッテルによって苦しんでいる人の存在を知り、男らしさ、女らしさの考え方を見直す。

・ドラマや広告などメディアによる影響は大きいので、鵜呑みにせず自分で正しいのか考える。

・男女の役割を強調するジェンダー観への違和感は意識してみると社会にたくさんあることに気づく。

 

 

 

甲斐田理事、お忙しい中インタビューに時間をさいてもらいありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。

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共同通信の連載記事「世界はおとなだけのものじゃない!」を終えてのインタビュー(連載記事 第9回)

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2020年12月29日

 

こんにちは。学生インターンの栗原麻衣です。シーライツ代表理事の甲斐田万智子が、今年の7月から9月まで共同通信に「世界はおとなだけのものじゃない!」というタイトルのもと子どもの権利に関する連載記事を執筆していました。

 

 

 

 

その連載記事を基に学びを深めるきっかけになったらという思いで、インタビューをさせていただきました。

 

 

 

今回のテーマは 連載記事の第9回「LGBT 多様な性」についてです。

 

 

多様な性が当たり前の社会になるには?

 

Q 近年では社会のLGBTQへの認知度も高まってきました。しかし、それでもまだまだカミングアウトをするということに抵抗があるという子どもが多いということが現状です。そういう子どもたちと共に生きるためにできることは何か、甲斐田理事に聞いてみました。

 

 

 

A なぜ子どもたちや親やまわりにカミングアウトができないのか? その理由には周りの理解が進んでいないということが挙げられます。LGBTQの子どもを持つ親の方から、幼稚園や保育園のときから性的指向、性自認について学ぶ機会を作るということが大切と聞きました。私もそう思います。残念なことが偏見をもっている先生がまだ多いのが事実です。先生のために研修を行ったり、副教材を配布したりすることが求められます。また、LGBTQ当事者や当事者の家族の生の声を聞いてもらう機会があることも必要です。

 

 

 

“甲斐田理事の話から、子どものときから多様な性を受け入れていくための基盤づくりの大切さがよくわかりました。おとなになってから初めて多様な性について知るという状況では、LGBTQの子どもに対する理解が得られず当事者が生きづらい。このサイクルを根本から変えることが、マイノリティの子どもが差別されずに、多様な性が当たり前の社会になるために求められているのではないかと思いました。”

 

 

 

「男らしさ」と「女らしさ」って何だろう?

 

 

Q 日本では男らしさ、女らしさを求める社会の風潮はまだ続いています。幼いころに子どもたちが、女性は家事、男性は外に働くということがあたりまえという態度に触れていたり、教科書に女性しか家事をしている写真しかなかったりということが原因になると考えます。これらについてどう思いますか?

 

 

 

A  雑誌の特集や広告などのメディアによる影響がとても大きいですよね。ドラマなどを見ていてもサラダを取り分けるのは女性だなど無意識の内に女性の役割、男性の役割が刷り込まれてしまう。一度「これはおかしい」と気づくと当たり前だと思っていたことが当たり前ではないということに気づきますよね。「男なのだから泣いてはダメ」、「男の子みたいにさばさばしているね」など男らしさや女らしさを求められることは、LGBTQの子どもたちが苦しむ原因にもなります。たとえば、男の身体で生まれ、心は女の子であるトランスジェンダーの子どもは、「男なのに女みたいなふるまい」ということでいじめられ、自殺を考えることが多いという調査結果があります。あと夫婦別姓という考え方も日本ならではなのですが、女性にばかり姓を変えることを求め、女性が自由に姓を選べない状況は女性差別です。女性が選択できる制度に反対する人は家庭が壊れる絵と心配しますが、夫婦の名前が違うというだけで関係が崩れるということはありません。海外では夫婦で姓を選ぶことが一般的になっています。もっと世界を見てほしいです。

 

 

 

”(話を聞いて)男らしさと女らしさとは何なのか?見た目が女性だから、男性だからと相手を批判することについて、いったん立ち止まって考えてみる必要があると思いました。誰もが男らしさ、女らしさという概念に苦しまずに自分のありのままの性でいられる社会を築くために私たちは多様な性について理解をし、世の中の固定概念の問題に気づくことが求められているのではないでしょうか。”

 

 

 

Q 最後に第9回の記事のテーマに関してメッセージをお願いいたします。

 

A 実際にLGBTQの当事者の人と出会ってみないと偏見をもちがちだと思います。多様な性は当たり前だということを子どもたち、親や教師にもっと知ってほしいし、そのことが認められないために子ども達が苦しんでいることを知ってほしい。子どもたちは、親にも誰にも言えないで孤立して苦しんでいます。特に子どもの権利に関わる人には、この問題について理解をしてほしいと思います。

 

 

 

 

”お話を聞いて改めて多様な性についての認識はもっと広まるべきだと痛感しました。LGBTQの人たちが当たり前に認められる社会になるためにも、幼少期から多様な性について受け入れる機会を提供する。そのために、子どもと関わる先生や親、大人への啓発もなくてはならない。日常生活で男らしさ女らしさを求めることは何か違うのではないかという気づきを得る。そんなメッセージをもらいました。”

 

 

 

 

最後に 多様な性が当たり前の社会になるために次のことが大事だと思いました。

 

 

 

・幼少期から多様な性について学ぶ機会をつくる。

・先生や親など大人の理解のためにも当事者と会う機会をつくる。

・男らしさ、女らしさというレッテルによって苦しんでいる人の存在を知り、男らしさ、女らしさの考え方を見直す。

・ドラマや広告などメディアによる影響は大きいので、鵜呑みにせず自分で正しいのか考える。

・男女の役割を強調するジェンダー観への違和感は意識してみると社会にたくさんあることに気づく。

 

 

 

甲斐田理事、お忙しい中インタビューに時間をさいてもらいありがとうございました!