お知らせ

「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」   『甲斐田さんに聞いてみた』②

お知らせ

2020年09月1日

 

 

こんにちは。シーライツインターンの柳葉です。

今年で、国連子どもの権利条約が採択されて31年、日本が批准して26年が経ちます。昨年1月には、日本政府が提出した、子どもの権利条約の実施状況についての報告書に対し、子どもの権利委員会による第4回・第5回審査が行われました。2月には、審査に基づいた日本政府への勧告が出され、今後の対応が求められています。「子どもの権利条約」の実現と普及に向けて、日本政府、企業、市民社会などの様々な団体・個人が協働して取り組んでいく必要があるのです。

今回も、前回に引き続き、甲斐田さんへのインタビュー内容をお伝えします。子どもの権利について、より多くの人々に認識してもらうことで、子どもにやさしい社会の実現を目指していきます。

 

4.子どもの権利条約を批准していたとしても、その達成度合いは国によって異なります。紛争や自国の経済力など様々な要因によってそれぞれの国の状況は変わってくると思われますが、各国がこの国際的な条約に批准したことの意義や重要性とは何でしょうか?

・確かに、紛争が起きている地域ではすべての権利を保障することは難しいかもしれないと思いますが、条約への批准は、国の政府がどれだけ子どもの権利を重要視しているかに関わってくる、つまり、政治的意思に関わってきます。例えば、経済的に貧しい国でも、子どもに予算を使いたいと思い、政策を進めていくのなら、子どもの権利を保障することは可能です。国によって状況は変わってきますが、条約に批准したということは政府が条約に書かれていることを守りますと約束したことであり、子どもの権利条約にそって自国の法律を変えなくてはならない、政策を作らなくてはならない、予算を割り当てなくてはならない、というようになりました。

・ただ、批准したあとのフォローも大事です。批准を実効的なものにするためには、報告して勧告を受ける制度がとても大事だと思います。批准した政府は、国連子どもの権利委員会に報告書を提出した後には、勧告(総括所見)が出ます。勧告が出ても、日本政府のように聞く耳を持たない政府もいるので、ここで大事になってくるのが市民社会です。市民社会も、政府とは異なる市民レポート(オルタナティブレポート)を出し、そして、勧告が出た時点で、このように改善を勧告されている点があるのだから、政府は速やかにその状況を改善すべきだと言うことができます。それが国際的な条約に批准したことの意義であると思います。『宣言』だったら法的拘束力はないため、言いっぱなしで終わるかもしれませんが、『条約』にすることで、制度によってその後のフォローがあるということがポイントだと思います。

 

5.日本における、市民社会による活動の状況はどうでしょうか?

・頑張っている人達はたくさんいるのですが、それが政府を変えていく大きな力になかなかなれていないように思います。その背景として、政府が子どもの権利の重要性を広報しないため、市民の多くが子どもの権利の重要性を知る機会を得られていません。人権に関しても同じように、学校などでじっくり学ぶ機会が与えられていません。そうすると、子どもの権利や人権に関わる活動をサポートしようとする市民の層が薄くなってしまいます。その結果、人権にかかわる活動団体の多くが資金不足、人手不足であるがゆえに、十分な影響力を持てません。もちろん影響力のある人権団体もありますが、子どもの権利に特化したNGOは、まだ小さいのが現実です。そのため、メディア対策もできず、メディアに流してもらえず、メディアを通しても市民は権利について知らないままになる、という悪循環が起きているように思います。だから、子どもの権利条約30周年の昨年、子どもの権利の重要性を普及させるチャンスということで、「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」が始まりました。

 

6.「権利」という言葉に対して抵抗がある人が多いのではないかと思いますが、どうでしょうか?

・Rightという英語が翻訳されたときに不幸が起きたと思います。「権利」という言葉には、「権力」の権と「利益」の利の文字の2つが含まれています。その漢字のイメージが怖いですよね。英語のRightsは、例えばyou’re right (そうだね)のように、ふだんから使っている言葉であり、権利というものが当たり前のことと思えます。でも、日本語の漢字の「権利」だと、当たり前でないように思えてしまいます。もしかしたら、チャイルドライツのようにカタカナで言った方がいいのかもしれませんね。

 

インタビュー内容は次回に続きます。お楽しみに!

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。

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「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」   『甲斐田さんに聞いてみた』②

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2020年09月1日

 

 

こんにちは。シーライツインターンの柳葉です。

今年で、国連子どもの権利条約が採択されて31年、日本が批准して26年が経ちます。昨年1月には、日本政府が提出した、子どもの権利条約の実施状況についての報告書に対し、子どもの権利委員会による第4回・第5回審査が行われました。2月には、審査に基づいた日本政府への勧告が出され、今後の対応が求められています。「子どもの権利条約」の実現と普及に向けて、日本政府、企業、市民社会などの様々な団体・個人が協働して取り組んでいく必要があるのです。

今回も、前回に引き続き、甲斐田さんへのインタビュー内容をお伝えします。子どもの権利について、より多くの人々に認識してもらうことで、子どもにやさしい社会の実現を目指していきます。

 

4.子どもの権利条約を批准していたとしても、その達成度合いは国によって異なります。紛争や自国の経済力など様々な要因によってそれぞれの国の状況は変わってくると思われますが、各国がこの国際的な条約に批准したことの意義や重要性とは何でしょうか?

・確かに、紛争が起きている地域ではすべての権利を保障することは難しいかもしれないと思いますが、条約への批准は、国の政府がどれだけ子どもの権利を重要視しているかに関わってくる、つまり、政治的意思に関わってきます。例えば、経済的に貧しい国でも、子どもに予算を使いたいと思い、政策を進めていくのなら、子どもの権利を保障することは可能です。国によって状況は変わってきますが、条約に批准したということは政府が条約に書かれていることを守りますと約束したことであり、子どもの権利条約にそって自国の法律を変えなくてはならない、政策を作らなくてはならない、予算を割り当てなくてはならない、というようになりました。

・ただ、批准したあとのフォローも大事です。批准を実効的なものにするためには、報告して勧告を受ける制度がとても大事だと思います。批准した政府は、国連子どもの権利委員会に報告書を提出した後には、勧告(総括所見)が出ます。勧告が出ても、日本政府のように聞く耳を持たない政府もいるので、ここで大事になってくるのが市民社会です。市民社会も、政府とは異なる市民レポート(オルタナティブレポート)を出し、そして、勧告が出た時点で、このように改善を勧告されている点があるのだから、政府は速やかにその状況を改善すべきだと言うことができます。それが国際的な条約に批准したことの意義であると思います。『宣言』だったら法的拘束力はないため、言いっぱなしで終わるかもしれませんが、『条約』にすることで、制度によってその後のフォローがあるということがポイントだと思います。

 

5.日本における、市民社会による活動の状況はどうでしょうか?

・頑張っている人達はたくさんいるのですが、それが政府を変えていく大きな力になかなかなれていないように思います。その背景として、政府が子どもの権利の重要性を広報しないため、市民の多くが子どもの権利の重要性を知る機会を得られていません。人権に関しても同じように、学校などでじっくり学ぶ機会が与えられていません。そうすると、子どもの権利や人権に関わる活動をサポートしようとする市民の層が薄くなってしまいます。その結果、人権にかかわる活動団体の多くが資金不足、人手不足であるがゆえに、十分な影響力を持てません。もちろん影響力のある人権団体もありますが、子どもの権利に特化したNGOは、まだ小さいのが現実です。そのため、メディア対策もできず、メディアに流してもらえず、メディアを通しても市民は権利について知らないままになる、という悪循環が起きているように思います。だから、子どもの権利条約30周年の昨年、子どもの権利の重要性を普及させるチャンスということで、「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」が始まりました。

 

6.「権利」という言葉に対して抵抗がある人が多いのではないかと思いますが、どうでしょうか?

・Rightという英語が翻訳されたときに不幸が起きたと思います。「権利」という言葉には、「権力」の権と「利益」の利の文字の2つが含まれています。その漢字のイメージが怖いですよね。英語のRightsは、例えばyou’re right (そうだね)のように、ふだんから使っている言葉であり、権利というものが当たり前のことと思えます。でも、日本語の漢字の「権利」だと、当たり前でないように思えてしまいます。もしかしたら、チャイルドライツのようにカタカナで言った方がいいのかもしれませんね。

 

インタビュー内容は次回に続きます。お楽しみに!

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こんにちは。シーライツインターンの柳葉です。

今年で、国連子どもの権利条約が採択されて31年、日本が批准して26年が経ちます。昨年1月には、日本政府が提出した、子どもの権利条約の実施状況についての報告書に対し、子どもの権利委員会による第4回・第5回審査が行われました。2月には、審査に基づいた日本政府への勧告が出され、今後の対応が求められています。「子どもの権利条約」の実現と普及に向けて、日本政府、企業、市民社会などの様々な団体・個人が協働して取り組んでいく必要があるのです。

今回も、前回に引き続き、甲斐田さんへのインタビュー内容をお伝えします。子どもの権利について、より多くの人々に認識してもらうことで、子どもにやさしい社会の実現を目指していきます。

 

4.子どもの権利条約を批准していたとしても、その達成度合いは国によって異なります。紛争や自国の経済力など様々な要因によってそれぞれの国の状況は変わってくると思われますが、各国がこの国際的な条約に批准したことの意義や重要性とは何でしょうか?

・確かに、紛争が起きている地域ではすべての権利を保障することは難しいかもしれないと思いますが、条約への批准は、国の政府がどれだけ子どもの権利を重要視しているかに関わってくる、つまり、政治的意思に関わってきます。例えば、経済的に貧しい国でも、子どもに予算を使いたいと思い、政策を進めていくのなら、子どもの権利を保障することは可能です。国によって状況は変わってきますが、条約に批准したということは政府が条約に書かれていることを守りますと約束したことであり、子どもの権利条約にそって自国の法律を変えなくてはならない、政策を作らなくてはならない、予算を割り当てなくてはならない、というようになりました。

・ただ、批准したあとのフォローも大事です。批准を実効的なものにするためには、報告して勧告を受ける制度がとても大事だと思います。批准した政府は、国連子どもの権利委員会に報告書を提出した後には、勧告(総括所見)が出ます。勧告が出ても、日本政府のように聞く耳を持たない政府もいるので、ここで大事になってくるのが市民社会です。市民社会も、政府とは異なる市民レポート(オルタナティブレポート)を出し、そして、勧告が出た時点で、このように改善を勧告されている点があるのだから、政府は速やかにその状況を改善すべきだと言うことができます。それが国際的な条約に批准したことの意義であると思います。『宣言』だったら法的拘束力はないため、言いっぱなしで終わるかもしれませんが、『条約』にすることで、制度によってその後のフォローがあるということがポイントだと思います。

 

5.日本における、市民社会による活動の状況はどうでしょうか?

・頑張っている人達はたくさんいるのですが、それが政府を変えていく大きな力になかなかなれていないように思います。その背景として、政府が子どもの権利の重要性を広報しないため、市民の多くが子どもの権利の重要性を知る機会を得られていません。人権に関しても同じように、学校などでじっくり学ぶ機会が与えられていません。そうすると、子どもの権利や人権に関わる活動をサポートしようとする市民の層が薄くなってしまいます。その結果、人権にかかわる活動団体の多くが資金不足、人手不足であるがゆえに、十分な影響力を持てません。もちろん影響力のある人権団体もありますが、子どもの権利に特化したNGOは、まだ小さいのが現実です。そのため、メディア対策もできず、メディアに流してもらえず、メディアを通しても市民は権利について知らないままになる、という悪循環が起きているように思います。だから、子どもの権利条約30周年の昨年、子どもの権利の重要性を普及させるチャンスということで、「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」が始まりました。

 

6.「権利」という言葉に対して抵抗がある人が多いのではないかと思いますが、どうでしょうか?

・Rightという英語が翻訳されたときに不幸が起きたと思います。「権利」という言葉には、「権力」の権と「利益」の利の文字の2つが含まれています。その漢字のイメージが怖いですよね。英語のRightsは、例えばyou’re right (そうだね)のように、ふだんから使っている言葉であり、権利というものが当たり前のことと思えます。でも、日本語の漢字の「権利」だと、当たり前でないように思えてしまいます。もしかしたら、チャイルドライツのようにカタカナで言った方がいいのかもしれませんね。

 

インタビュー内容は次回に続きます。お楽しみに!