お知らせ

共同通信の連載記事「世界はおとなだけのものじゃない!」を終えてのインタビュー(連載記事第10回)

お知らせ

2020年12月29日

 

甲斐田万智子代表理事へのインタビュー

シーライツインターン 山方凜

 

性暴力から子どもを守るために教えなくてはいけない。
『子どもは何も悪くない』

 

こんにちは。学生インターンの山方凜です。シーライツ代表理事の甲斐田万智子が、今年の7月から9月まで共同通信に「世界はおとなだけのものじゃない!」というタイトルのもと子どもの権利に関する連載記事を執筆していました。

 

その連載記事を基に学びを深めるきっかけになればと思い、インタビューをさせていただきました。

 

今回のテーマは 連載第10回の 「性被害 子どもは悪くない」についてです。

(以下にその記事を貼ります)

 

 

1996年から国際子ども権利センターで活動をしている甲斐田万智子。子どもたちが自信を持って活き活きと暮らせる社会にするために、子どもをエンパワーする働きかけを行ってきました。

現在、子どもに対する性的虐待は世界中で起きています。

 

加害者は父親や親せき、学校の教員など子どもの知人であるケースが少なくありません。

 

それまでの関係が壊れることを恐れて、拒絶することが困難な子供達もいます。

誰にも相談できず、何年も被害を受け続ける場合があります。

「子ども達は何も悪くない。」

このような子ども達が声をあげられる環境を作るために、
私たちに出来ることは何なのでしょうか。

コロナ禍で、オンライン上で子どもたちが性的被害を受けるリスクが高まっています。

そもそもなぜ性的虐待は起こってしまうのでしょうか。
加害者のおとなは、子どもに対して人間として、リスペクトすべきだと思いますが、できていません。

例えば、学校のシステムですが、
「先生が生徒にしつけるために体罰を与える」
これは当たり前の事でしょうか。
このような大人と子供が対等でない社会のあり方が、性的虐待を引き起こす原因になっているのではないでしょうか。

 

(甲斐田)「子どもと大人の関係が対等でない事から、このような事が起きてしまうのはというのはその通りだと思います。大人が性的虐待をしてしまう理由は性欲のみならず、支配欲を満たすためでもあると言われています。なぜ支配欲が生まれてしまうのかというと、自分の弱さを克服したい、子どものときに受けた虐待のトラウマを克服したいという気持ちの現われとも言われています。性的虐待をしてしまう大人は、標的に出来る子どもをすぐに見抜き、その子をめがけて性暴力を振るうそうです。そういう標的にする子どもとは、性的虐待の知識がなく、脅せば言う事を聞きやすいと思われる子どもです。それに対し、性的虐待の危険性を知り、自分の身体は自分のものであり、嫌なことをされたら訴えてもいいと理解している子どもは標的にされません。

だから私たちは子どもに対して、プライベートゾーンは触られない権利があることを伝えることが必要です。

そして、万が一、性被害を受けてしまった子供たちに対しては、『あなたは何も悪くない。加害者が悪い』と誰もが言える社会にする必要があります。」

 

性教育をタブー視しない社会が子どもたちを守ることができる

 

オランダでは、4歳からの初等教育で性教育が義務化されています。
日本でも、子どもたちに性教育として「プライベートゾーン(水着で隠れる場所)は自分以外の人に見られたり、触られたりしてはいけない大事な場所」という事を、教えていく必要があります。

 

甲斐田さんは、娘たちが小学校低学年の頃、横浜で行われた子どもの性的搾取に反対する世界会議に参加し、子どもを性被害から守るためには性教育が必要ということに気づきました。

 

「日本で性被害がこんなにも多い理由は、日本で性教育の足りていないからという事に気づきました。そして、小さい時から性教育を行うことの必要性を感じました。そして早速、自分の子どもに性教育のための本を買って見せました。どのようにして、子どもは生まれるのか、子どもは素朴な疑問や興味を持ちます。このような事を『いやらしいもの』として捉える情報に触れる前に、子どもが純粋な時に知るべきだと思います。」

 

プライベートゾーンは自分以外の人に見せてはいけない、触らせてはいけない。
そのことを伝えるために、乳児のおむつを替える際も、
「ここは、他の人に見せてはいけない大事な場所だけど、おむつを替えさせてね。」と、声をかけるようにしている保育士さんがいることを甲斐田さんは教えてくれました。

 

「子どもには、相手を思いやる人権を伴った性教育を教える必要があります。例えば、小学校では性教育を行っている実践者が経験を共有しあう「人間と性教育研究協議会」という団体があり、『セクシャリティ』という雑誌を発行しています。そこでは、セックスは相手を愛する表現であり、相手が嫌がっていたらしてはいけないことを教える教員の実践が載っています。このように、どのようにして赤ちゃんが生まれるのかだけでなく、人権を伴った性教育を行うべきです。

 

子どもたちが出しているサイン

 

現在、性被害を受けた子ども達のメンタルケアはきちんと行われているわけではありません。

 

「日本では子供達へのケアはあまり進んでいません。性被害を受けた子どものケアは早ければ早いほど良いです。しかし、現状では誰からも癒されず一人で抱え込んでしまっている子たちが多いです。そして長い間抱え込み、ある日PTSDを発症することがあり、そうなると本当に回復することが難しくなることがあります。受けた性的虐待があまりにもつらく、乖離性障害といって、多重人格になってしまう場合あります。そのような場合は専門家に相談する必要があります。」

 

子どもの性被害を発見するために、
私たちが怖くて声をあげられない子どもたちに気づく術として
「インフォームド・トラウマケア」というものがあります。

 

「子どもは長期に渡って性的虐待を受けると、特別行動を起こす可能性があります。小さい子はプライベートゾーンをよく触ってしまう。大きい子は、大人にベタベタしてくる傾向にあります。この事をまず大人が理解する必要があります。そして、そのような行動をしている子どもに出会ったら、批判的な目で見るのではなく、『もしかしたら性的虐待を受けているのでは?』と気づくべきです。」

 

NOと言える環境を作れるのは私達

 

子ども達への性被害を止めるためには、子ども達が声をあげられる環境が必要です。
現時点で被害を受けている子どもたちは声をあげることが大変むずかしい状況にあります。

 

「例えば18歳の女子高校生が、写真を売られる性的被害を受けて退学になってしまったり、芸能人から性被害を受けた女の子たちに対して、バラエティ番組でコメンテーターが責めたりすることがあります。絶対的に悪いのは加害者なのに、子どもを責めることは絶対にすべきではありません。性的被害にあった子どもは悪くない、というメッセージをメディアは社会に伝えるべきです。また、親も、子どもが性的被害に遭った場合は、『あなたに隙があったのでは?』と、子どもを責めるのではなく、子どもの味方でいることが本当に大切です。」

 

子ども達が安心して声を挙げられる社会にするために。

 

「一番大事なのは、性教育を熱心な先生だけが取り組むのではなく、国全体で行うことです。また、そこで大事なのは人権を含めて教育するということ。そして、また特に、男の子に加害とならないように相手の人権を考えた性について教えるべきです。そうすることによって、女の子の性的な写真がオンラインで販売されてしまう性的被害を止めるべきです。」

 

話を聞き、大人が被害に遭った子どもを受け入れ、味方になるべきであること、
性被害を受けてしまった子どもに今不足しているのはメンタルケアであること、
それらを解決するためには性教育を行ったり、性被害のトラウマについて理解を深めていくことであることがわかりました。子どもたちを性被害から守る環境を作れるのは私達一人ひとりだと思います。

 

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。

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甲斐田万智子代表理事へのインタビュー

シーライツインターン 山方凜

 

性暴力から子どもを守るために教えなくてはいけない。
『子どもは何も悪くない』

 

こんにちは。学生インターンの山方凜です。シーライツ代表理事の甲斐田万智子が、今年の7月から9月まで共同通信に「世界はおとなだけのものじゃない!」というタイトルのもと子どもの権利に関する連載記事を執筆していました。

 

その連載記事を基に学びを深めるきっかけになればと思い、インタビューをさせていただきました。

 

今回のテーマは 連載第10回の 「性被害 子どもは悪くない」についてです。

(以下にその記事を貼ります)

 

 

1996年から国際子ども権利センターで活動をしている甲斐田万智子。子どもたちが自信を持って活き活きと暮らせる社会にするために、子どもをエンパワーする働きかけを行ってきました。

現在、子どもに対する性的虐待は世界中で起きています。

 

加害者は父親や親せき、学校の教員など子どもの知人であるケースが少なくありません。

 

それまでの関係が壊れることを恐れて、拒絶することが困難な子供達もいます。

誰にも相談できず、何年も被害を受け続ける場合があります。

「子ども達は何も悪くない。」

このような子ども達が声をあげられる環境を作るために、
私たちに出来ることは何なのでしょうか。

コロナ禍で、オンライン上で子どもたちが性的被害を受けるリスクが高まっています。

そもそもなぜ性的虐待は起こってしまうのでしょうか。
加害者のおとなは、子どもに対して人間として、リスペクトすべきだと思いますが、できていません。

例えば、学校のシステムですが、
「先生が生徒にしつけるために体罰を与える」
これは当たり前の事でしょうか。
このような大人と子供が対等でない社会のあり方が、性的虐待を引き起こす原因になっているのではないでしょうか。

 

(甲斐田)「子どもと大人の関係が対等でない事から、このような事が起きてしまうのはというのはその通りだと思います。大人が性的虐待をしてしまう理由は性欲のみならず、支配欲を満たすためでもあると言われています。なぜ支配欲が生まれてしまうのかというと、自分の弱さを克服したい、子どものときに受けた虐待のトラウマを克服したいという気持ちの現われとも言われています。性的虐待をしてしまう大人は、標的に出来る子どもをすぐに見抜き、その子をめがけて性暴力を振るうそうです。そういう標的にする子どもとは、性的虐待の知識がなく、脅せば言う事を聞きやすいと思われる子どもです。それに対し、性的虐待の危険性を知り、自分の身体は自分のものであり、嫌なことをされたら訴えてもいいと理解している子どもは標的にされません。

だから私たちは子どもに対して、プライベートゾーンは触られない権利があることを伝えることが必要です。

そして、万が一、性被害を受けてしまった子供たちに対しては、『あなたは何も悪くない。加害者が悪い』と誰もが言える社会にする必要があります。」

 

性教育をタブー視しない社会が子どもたちを守ることができる

 

オランダでは、4歳からの初等教育で性教育が義務化されています。
日本でも、子どもたちに性教育として「プライベートゾーン(水着で隠れる場所)は自分以外の人に見られたり、触られたりしてはいけない大事な場所」という事を、教えていく必要があります。

 

甲斐田さんは、娘たちが小学校低学年の頃、横浜で行われた子どもの性的搾取に反対する世界会議に参加し、子どもを性被害から守るためには性教育が必要ということに気づきました。

 

「日本で性被害がこんなにも多い理由は、日本で性教育の足りていないからという事に気づきました。そして、小さい時から性教育を行うことの必要性を感じました。そして早速、自分の子どもに性教育のための本を買って見せました。どのようにして、子どもは生まれるのか、子どもは素朴な疑問や興味を持ちます。このような事を『いやらしいもの』として捉える情報に触れる前に、子どもが純粋な時に知るべきだと思います。」

 

プライベートゾーンは自分以外の人に見せてはいけない、触らせてはいけない。
そのことを伝えるために、乳児のおむつを替える際も、
「ここは、他の人に見せてはいけない大事な場所だけど、おむつを替えさせてね。」と、声をかけるようにしている保育士さんがいることを甲斐田さんは教えてくれました。

 

「子どもには、相手を思いやる人権を伴った性教育を教える必要があります。例えば、小学校では性教育を行っている実践者が経験を共有しあう「人間と性教育研究協議会」という団体があり、『セクシャリティ』という雑誌を発行しています。そこでは、セックスは相手を愛する表現であり、相手が嫌がっていたらしてはいけないことを教える教員の実践が載っています。このように、どのようにして赤ちゃんが生まれるのかだけでなく、人権を伴った性教育を行うべきです。

 

子どもたちが出しているサイン

 

現在、性被害を受けた子ども達のメンタルケアはきちんと行われているわけではありません。

 

「日本では子供達へのケアはあまり進んでいません。性被害を受けた子どものケアは早ければ早いほど良いです。しかし、現状では誰からも癒されず一人で抱え込んでしまっている子たちが多いです。そして長い間抱え込み、ある日PTSDを発症することがあり、そうなると本当に回復することが難しくなることがあります。受けた性的虐待があまりにもつらく、乖離性障害といって、多重人格になってしまう場合あります。そのような場合は専門家に相談する必要があります。」

 

子どもの性被害を発見するために、
私たちが怖くて声をあげられない子どもたちに気づく術として
「インフォームド・トラウマケア」というものがあります。

 

「子どもは長期に渡って性的虐待を受けると、特別行動を起こす可能性があります。小さい子はプライベートゾーンをよく触ってしまう。大きい子は、大人にベタベタしてくる傾向にあります。この事をまず大人が理解する必要があります。そして、そのような行動をしている子どもに出会ったら、批判的な目で見るのではなく、『もしかしたら性的虐待を受けているのでは?』と気づくべきです。」

 

NOと言える環境を作れるのは私達

 

子ども達への性被害を止めるためには、子ども達が声をあげられる環境が必要です。
現時点で被害を受けている子どもたちは声をあげることが大変むずかしい状況にあります。

 

「例えば18歳の女子高校生が、写真を売られる性的被害を受けて退学になってしまったり、芸能人から性被害を受けた女の子たちに対して、バラエティ番組でコメンテーターが責めたりすることがあります。絶対的に悪いのは加害者なのに、子どもを責めることは絶対にすべきではありません。性的被害にあった子どもは悪くない、というメッセージをメディアは社会に伝えるべきです。また、親も、子どもが性的被害に遭った場合は、『あなたに隙があったのでは?』と、子どもを責めるのではなく、子どもの味方でいることが本当に大切です。」

 

子ども達が安心して声を挙げられる社会にするために。

 

「一番大事なのは、性教育を熱心な先生だけが取り組むのではなく、国全体で行うことです。また、そこで大事なのは人権を含めて教育するということ。そして、また特に、男の子に加害とならないように相手の人権を考えた性について教えるべきです。そうすることによって、女の子の性的な写真がオンラインで販売されてしまう性的被害を止めるべきです。」

 

話を聞き、大人が被害に遭った子どもを受け入れ、味方になるべきであること、
性被害を受けてしまった子どもに今不足しているのはメンタルケアであること、
それらを解決するためには性教育を行ったり、性被害のトラウマについて理解を深めていくことであることがわかりました。子どもたちを性被害から守る環境を作れるのは私達一人ひとりだと思います。

 

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甲斐田万智子代表理事へのインタビュー

シーライツインターン 山方凜

 

性暴力から子どもを守るために教えなくてはいけない。
『子どもは何も悪くない』

 

こんにちは。学生インターンの山方凜です。シーライツ代表理事の甲斐田万智子が、今年の7月から9月まで共同通信に「世界はおとなだけのものじゃない!」というタイトルのもと子どもの権利に関する連載記事を執筆していました。

 

その連載記事を基に学びを深めるきっかけになればと思い、インタビューをさせていただきました。

 

今回のテーマは 連載第10回の 「性被害 子どもは悪くない」についてです。

(以下にその記事を貼ります)

 

 

1996年から国際子ども権利センターで活動をしている甲斐田万智子。子どもたちが自信を持って活き活きと暮らせる社会にするために、子どもをエンパワーする働きかけを行ってきました。

現在、子どもに対する性的虐待は世界中で起きています。

 

加害者は父親や親せき、学校の教員など子どもの知人であるケースが少なくありません。

 

それまでの関係が壊れることを恐れて、拒絶することが困難な子供達もいます。

誰にも相談できず、何年も被害を受け続ける場合があります。

「子ども達は何も悪くない。」

このような子ども達が声をあげられる環境を作るために、
私たちに出来ることは何なのでしょうか。

コロナ禍で、オンライン上で子どもたちが性的被害を受けるリスクが高まっています。

そもそもなぜ性的虐待は起こってしまうのでしょうか。
加害者のおとなは、子どもに対して人間として、リスペクトすべきだと思いますが、できていません。

例えば、学校のシステムですが、
「先生が生徒にしつけるために体罰を与える」
これは当たり前の事でしょうか。
このような大人と子供が対等でない社会のあり方が、性的虐待を引き起こす原因になっているのではないでしょうか。

 

(甲斐田)「子どもと大人の関係が対等でない事から、このような事が起きてしまうのはというのはその通りだと思います。大人が性的虐待をしてしまう理由は性欲のみならず、支配欲を満たすためでもあると言われています。なぜ支配欲が生まれてしまうのかというと、自分の弱さを克服したい、子どものときに受けた虐待のトラウマを克服したいという気持ちの現われとも言われています。性的虐待をしてしまう大人は、標的に出来る子どもをすぐに見抜き、その子をめがけて性暴力を振るうそうです。そういう標的にする子どもとは、性的虐待の知識がなく、脅せば言う事を聞きやすいと思われる子どもです。それに対し、性的虐待の危険性を知り、自分の身体は自分のものであり、嫌なことをされたら訴えてもいいと理解している子どもは標的にされません。

だから私たちは子どもに対して、プライベートゾーンは触られない権利があることを伝えることが必要です。

そして、万が一、性被害を受けてしまった子供たちに対しては、『あなたは何も悪くない。加害者が悪い』と誰もが言える社会にする必要があります。」

 

性教育をタブー視しない社会が子どもたちを守ることができる

 

オランダでは、4歳からの初等教育で性教育が義務化されています。
日本でも、子どもたちに性教育として「プライベートゾーン(水着で隠れる場所)は自分以外の人に見られたり、触られたりしてはいけない大事な場所」という事を、教えていく必要があります。

 

甲斐田さんは、娘たちが小学校低学年の頃、横浜で行われた子どもの性的搾取に反対する世界会議に参加し、子どもを性被害から守るためには性教育が必要ということに気づきました。

 

「日本で性被害がこんなにも多い理由は、日本で性教育の足りていないからという事に気づきました。そして、小さい時から性教育を行うことの必要性を感じました。そして早速、自分の子どもに性教育のための本を買って見せました。どのようにして、子どもは生まれるのか、子どもは素朴な疑問や興味を持ちます。このような事を『いやらしいもの』として捉える情報に触れる前に、子どもが純粋な時に知るべきだと思います。」

 

プライベートゾーンは自分以外の人に見せてはいけない、触らせてはいけない。
そのことを伝えるために、乳児のおむつを替える際も、
「ここは、他の人に見せてはいけない大事な場所だけど、おむつを替えさせてね。」と、声をかけるようにしている保育士さんがいることを甲斐田さんは教えてくれました。

 

「子どもには、相手を思いやる人権を伴った性教育を教える必要があります。例えば、小学校では性教育を行っている実践者が経験を共有しあう「人間と性教育研究協議会」という団体があり、『セクシャリティ』という雑誌を発行しています。そこでは、セックスは相手を愛する表現であり、相手が嫌がっていたらしてはいけないことを教える教員の実践が載っています。このように、どのようにして赤ちゃんが生まれるのかだけでなく、人権を伴った性教育を行うべきです。

 

子どもたちが出しているサイン

 

現在、性被害を受けた子ども達のメンタルケアはきちんと行われているわけではありません。

 

「日本では子供達へのケアはあまり進んでいません。性被害を受けた子どものケアは早ければ早いほど良いです。しかし、現状では誰からも癒されず一人で抱え込んでしまっている子たちが多いです。そして長い間抱え込み、ある日PTSDを発症することがあり、そうなると本当に回復することが難しくなることがあります。受けた性的虐待があまりにもつらく、乖離性障害といって、多重人格になってしまう場合あります。そのような場合は専門家に相談する必要があります。」

 

子どもの性被害を発見するために、
私たちが怖くて声をあげられない子どもたちに気づく術として
「インフォームド・トラウマケア」というものがあります。

 

「子どもは長期に渡って性的虐待を受けると、特別行動を起こす可能性があります。小さい子はプライベートゾーンをよく触ってしまう。大きい子は、大人にベタベタしてくる傾向にあります。この事をまず大人が理解する必要があります。そして、そのような行動をしている子どもに出会ったら、批判的な目で見るのではなく、『もしかしたら性的虐待を受けているのでは?』と気づくべきです。」

 

NOと言える環境を作れるのは私達

 

子ども達への性被害を止めるためには、子ども達が声をあげられる環境が必要です。
現時点で被害を受けている子どもたちは声をあげることが大変むずかしい状況にあります。

 

「例えば18歳の女子高校生が、写真を売られる性的被害を受けて退学になってしまったり、芸能人から性被害を受けた女の子たちに対して、バラエティ番組でコメンテーターが責めたりすることがあります。絶対的に悪いのは加害者なのに、子どもを責めることは絶対にすべきではありません。性的被害にあった子どもは悪くない、というメッセージをメディアは社会に伝えるべきです。また、親も、子どもが性的被害に遭った場合は、『あなたに隙があったのでは?』と、子どもを責めるのではなく、子どもの味方でいることが本当に大切です。」

 

子ども達が安心して声を挙げられる社会にするために。

 

「一番大事なのは、性教育を熱心な先生だけが取り組むのではなく、国全体で行うことです。また、そこで大事なのは人権を含めて教育するということ。そして、また特に、男の子に加害とならないように相手の人権を考えた性について教えるべきです。そうすることによって、女の子の性的な写真がオンラインで販売されてしまう性的被害を止めるべきです。」

 

話を聞き、大人が被害に遭った子どもを受け入れ、味方になるべきであること、
性被害を受けてしまった子どもに今不足しているのはメンタルケアであること、
それらを解決するためには性教育を行ったり、性被害のトラウマについて理解を深めていくことであることがわかりました。子どもたちを性被害から守る環境を作れるのは私達一人ひとりだと思います。

 

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共同通信の連載記事「世界はおとなだけのものじゃない!」を終えてのインタビュー(連載記事第10回)

お知らせ

2020年12月29日

 

甲斐田万智子代表理事へのインタビュー

シーライツインターン 山方凜

 

性暴力から子どもを守るために教えなくてはいけない。
『子どもは何も悪くない』

 

こんにちは。学生インターンの山方凜です。シーライツ代表理事の甲斐田万智子が、今年の7月から9月まで共同通信に「世界はおとなだけのものじゃない!」というタイトルのもと子どもの権利に関する連載記事を執筆していました。

 

その連載記事を基に学びを深めるきっかけになればと思い、インタビューをさせていただきました。

 

今回のテーマは 連載第10回の 「性被害 子どもは悪くない」についてです。

(以下にその記事を貼ります)

 

 

1996年から国際子ども権利センターで活動をしている甲斐田万智子。子どもたちが自信を持って活き活きと暮らせる社会にするために、子どもをエンパワーする働きかけを行ってきました。

現在、子どもに対する性的虐待は世界中で起きています。

 

加害者は父親や親せき、学校の教員など子どもの知人であるケースが少なくありません。

 

それまでの関係が壊れることを恐れて、拒絶することが困難な子供達もいます。

誰にも相談できず、何年も被害を受け続ける場合があります。

「子ども達は何も悪くない。」

このような子ども達が声をあげられる環境を作るために、
私たちに出来ることは何なのでしょうか。

コロナ禍で、オンライン上で子どもたちが性的被害を受けるリスクが高まっています。

そもそもなぜ性的虐待は起こってしまうのでしょうか。
加害者のおとなは、子どもに対して人間として、リスペクトすべきだと思いますが、できていません。

例えば、学校のシステムですが、
「先生が生徒にしつけるために体罰を与える」
これは当たり前の事でしょうか。
このような大人と子供が対等でない社会のあり方が、性的虐待を引き起こす原因になっているのではないでしょうか。

 

(甲斐田)「子どもと大人の関係が対等でない事から、このような事が起きてしまうのはというのはその通りだと思います。大人が性的虐待をしてしまう理由は性欲のみならず、支配欲を満たすためでもあると言われています。なぜ支配欲が生まれてしまうのかというと、自分の弱さを克服したい、子どものときに受けた虐待のトラウマを克服したいという気持ちの現われとも言われています。性的虐待をしてしまう大人は、標的に出来る子どもをすぐに見抜き、その子をめがけて性暴力を振るうそうです。そういう標的にする子どもとは、性的虐待の知識がなく、脅せば言う事を聞きやすいと思われる子どもです。それに対し、性的虐待の危険性を知り、自分の身体は自分のものであり、嫌なことをされたら訴えてもいいと理解している子どもは標的にされません。

だから私たちは子どもに対して、プライベートゾーンは触られない権利があることを伝えることが必要です。

そして、万が一、性被害を受けてしまった子供たちに対しては、『あなたは何も悪くない。加害者が悪い』と誰もが言える社会にする必要があります。」

 

性教育をタブー視しない社会が子どもたちを守ることができる

 

オランダでは、4歳からの初等教育で性教育が義務化されています。
日本でも、子どもたちに性教育として「プライベートゾーン(水着で隠れる場所)は自分以外の人に見られたり、触られたりしてはいけない大事な場所」という事を、教えていく必要があります。

 

甲斐田さんは、娘たちが小学校低学年の頃、横浜で行われた子どもの性的搾取に反対する世界会議に参加し、子どもを性被害から守るためには性教育が必要ということに気づきました。

 

「日本で性被害がこんなにも多い理由は、日本で性教育の足りていないからという事に気づきました。そして、小さい時から性教育を行うことの必要性を感じました。そして早速、自分の子どもに性教育のための本を買って見せました。どのようにして、子どもは生まれるのか、子どもは素朴な疑問や興味を持ちます。このような事を『いやらしいもの』として捉える情報に触れる前に、子どもが純粋な時に知るべきだと思います。」

 

プライベートゾーンは自分以外の人に見せてはいけない、触らせてはいけない。
そのことを伝えるために、乳児のおむつを替える際も、
「ここは、他の人に見せてはいけない大事な場所だけど、おむつを替えさせてね。」と、声をかけるようにしている保育士さんがいることを甲斐田さんは教えてくれました。

 

「子どもには、相手を思いやる人権を伴った性教育を教える必要があります。例えば、小学校では性教育を行っている実践者が経験を共有しあう「人間と性教育研究協議会」という団体があり、『セクシャリティ』という雑誌を発行しています。そこでは、セックスは相手を愛する表現であり、相手が嫌がっていたらしてはいけないことを教える教員の実践が載っています。このように、どのようにして赤ちゃんが生まれるのかだけでなく、人権を伴った性教育を行うべきです。

 

子どもたちが出しているサイン

 

現在、性被害を受けた子ども達のメンタルケアはきちんと行われているわけではありません。

 

「日本では子供達へのケアはあまり進んでいません。性被害を受けた子どものケアは早ければ早いほど良いです。しかし、現状では誰からも癒されず一人で抱え込んでしまっている子たちが多いです。そして長い間抱え込み、ある日PTSDを発症することがあり、そうなると本当に回復することが難しくなることがあります。受けた性的虐待があまりにもつらく、乖離性障害といって、多重人格になってしまう場合あります。そのような場合は専門家に相談する必要があります。」

 

子どもの性被害を発見するために、
私たちが怖くて声をあげられない子どもたちに気づく術として
「インフォームド・トラウマケア」というものがあります。

 

「子どもは長期に渡って性的虐待を受けると、特別行動を起こす可能性があります。小さい子はプライベートゾーンをよく触ってしまう。大きい子は、大人にベタベタしてくる傾向にあります。この事をまず大人が理解する必要があります。そして、そのような行動をしている子どもに出会ったら、批判的な目で見るのではなく、『もしかしたら性的虐待を受けているのでは?』と気づくべきです。」

 

NOと言える環境を作れるのは私達

 

子ども達への性被害を止めるためには、子ども達が声をあげられる環境が必要です。
現時点で被害を受けている子どもたちは声をあげることが大変むずかしい状況にあります。

 

「例えば18歳の女子高校生が、写真を売られる性的被害を受けて退学になってしまったり、芸能人から性被害を受けた女の子たちに対して、バラエティ番組でコメンテーターが責めたりすることがあります。絶対的に悪いのは加害者なのに、子どもを責めることは絶対にすべきではありません。性的被害にあった子どもは悪くない、というメッセージをメディアは社会に伝えるべきです。また、親も、子どもが性的被害に遭った場合は、『あなたに隙があったのでは?』と、子どもを責めるのではなく、子どもの味方でいることが本当に大切です。」

 

子ども達が安心して声を挙げられる社会にするために。

 

「一番大事なのは、性教育を熱心な先生だけが取り組むのではなく、国全体で行うことです。また、そこで大事なのは人権を含めて教育するということ。そして、また特に、男の子に加害とならないように相手の人権を考えた性について教えるべきです。そうすることによって、女の子の性的な写真がオンラインで販売されてしまう性的被害を止めるべきです。」

 

話を聞き、大人が被害に遭った子どもを受け入れ、味方になるべきであること、
性被害を受けてしまった子どもに今不足しているのはメンタルケアであること、
それらを解決するためには性教育を行ったり、性被害のトラウマについて理解を深めていくことであることがわかりました。子どもたちを性被害から守る環境を作れるのは私達一人ひとりだと思います。