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【報告】2011夏・カンボジアスタディツアー

報告

2011年09月25日

 

今回は学生14名、社会人2名の合計16名で行ってまいりました。

1日目、成田空港からベトナム・ホーチミンへ。
シーライツのスタディツアーは、ホーチミンからベトナムの国境Moc Bai(モックバイ)までバスで移動し、カンボジアの国境・Bavet(バベット)を歩いて入国します。

IMG_7232.jpg 2日目は、ベトナムとの国境沿いのスバイリエン州チャントリア郡の農村を視察しました。
このあたりは、農業だけで生計をたてるのが困難なため、首都プノンペンや隣国のベトナムに出稼ぎに行く住民が多い地域です。中には、家計を助けるために子どもたちまでもが出稼ぎや物乞いに行きます。子どもたちが学校を辞め、出稼ぎ・物乞いとして働くのは児童労働にあたります。また、出稼ぎや物乞いに行く過程で人身売買に巻き込まれるケースもあり、とても危険です。
今回は、Me Sa Thngakという地域の小学校で、このような児童労働と人身売買防止のネットワーク活動(SBPN=School Based Prevention Network)に取り組む小・中学生と交流し、活動についての発表を聞きました。

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午後は、同じ地域で、シーライツとパートナーNGO・HCC(Healthcare Center for Children)から収入向上のための農業技術支援などを受けている家庭を訪問したり、学校に通い続けられるようにと学用品の支給を受けている女の子の家庭を訪問しました。どの家庭も貧しいですが、私たちの訪問を温かく迎えてくれました。

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3~4日目は、プノンペンに入り、パートナーNGOを訪問しました。
「フレンズ・インターナショナル」は、都市部や観光地の路上で暮らす子どもたち(ストリートチルドレン)を支援している国際NGOです。特にシーライツは、旅行者による暴力、搾取などから路上の子どもたちを守る取り組み「チャイルドセーフ・ネットワーク事業」を支援しています。フレンズ・インターナショナルのオフィスでは、スタッフから説明を受けたり、子どもを守る活動に賛同しているトゥクトゥク(バイクタクシー)の運転手さんへのインタビューを通して、カンボジアでは、貧困から路上生活を送る子どもが多いこと、彼・彼女たちが日常的に様々な危険にさらされていること、社会復帰へ向けた長期的な取り組みについてなどを学びました。

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「幼い娼婦だった私へ」の著者ソマリー・マムさんが創設したNGO「アフェシップ」では、買春宿などで性的搾取されていた女性たちを救出し、ケアし、教育や職業訓練を提供し、社会に復帰させるという一連の活動を行っていますが、スタッフからの説明で、買春宿から女性を救出することの困難や心身ともに傷ついた被害者の女性が自立していくことの大変さを学びました。

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系列の洋裁所「アフェシップ・フェアファッション」では、職業訓練を終え、縫製の仕事で生計を立てている元被害者の女性たちが働く様子と、洋裁所内に設けれた幼い子どもを預かる保育室(シーライツが支援している保育事業)を視察しました。

5日目は、半日かけてプノペンからアンコール遺跡群のあるシェムリアップまでバスで移動です。6時間もかかりますが、車窓から見えるカンボジアの景色は楽しいものです。人々の暮らしや美しい風景、日本語ガイドさんの楽しい案内・・・、これもシーライツのスタディツアーならではのものです。

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6日目は、旅のクライマックス、アンコール・ワットを見学。ほかにも、アンコール・トムやタ・プロームを訪れました。そして、7日目に朝、無事に帰国いたしました。

P1020068.jpg今回のツアーでは、海外旅行が初めてでドキドキしながら参加された方や、日ごろから途上国の問題や現状に対して関心が高い方など、バックグラウンドやツアー参加の目的が全く異なるメンバーが7日間を一緒に過ごしたのですが、最後には、皆さん意気投合し、「カンボジアが好きになりました」、「自分にできる支援を考えたいと思います」というご感想をいただきました。

次回のスタディツアーは2012年3月を予定しております。

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。