報告
2013年06月9日
代表理事・甲斐田がファシリテーターとして、メコン・ウォッチなど国内外で活動するNGOに対して、活動を行う上で守られなければならない子どもの安全・子ども保護に関する方針やルールである「チャイルド・プロテクション・ポリシー」についてお話させていただきました。
国際NGOでは、かなり以前から策定されている「チャイルド・プロテクション・ポリシー」ですが、日本のNGOの間では普及は遅れています。「チャイルド・プロテクション・ポリシー」(以下CPP)という単語を初めて聞く、という人も多いのが現状です。
例えば、NGOの職員が広報のために活動地で子どもの写真を撮るという行為。撮影前に、子どもたち(保護者にも)に「写真を撮ってもよいか」、「撮った写真をホームページや会報に掲載してもよいか」を尋ね、「(特にWeb上で)掲載することによって発生するかもしれないリスク」を説明した上で、撮影しているでしょうか。また、掲載された写真が悪用されないよう、最大限の配慮をしているでしょうか。
例えばNGO主催のスタディツアー。事業地を訪れ子どもたちと交流するプログラムを組んだとします。ツアー参加者に対して、子どもに接する際のガイドラインを設定しているでしょうか。また、事前に参加者に説明をし、同意・誓約書を取り付けているでしょうか。
CPPは、組織の職員だけでなく、理事や会員・支援者、パートナー団体など、全ての関係者が遵守しなければならないものです。また、CPPは、子どもたちを身体的・精神的・性的虐待や搾取、ネグレクトから守るだけでなく、そのような目的を持って組織に近づいてくるような外部の人間から、組織を守ることにもつながります。
性的虐待から身を守る知識を学んだ子どもには加害者が近づかないのと同じように、日頃から子どもが被害に遭う可能性はどこにでもあることに注意を払っている団体には加害者は近づこうとしません。このことを忘れないで私たちもチャイルド・プロテクション・ポリシーの大切さを折にふれて組織内で話し合っていけたらと思います。
お話に先立って甲斐田はオックスファム・オーストラリアの担当スタッフからブリーフィングを受けたのですが、子どもの権利を守るためにこうした行動規範を順守しなければならないという点だけでなく、団体がグッドプラクティスを実行するためにもチャイルド・プロテクション・ポリシーは大切と言っていたことを心に留めていきたいと考えています。
【参考】
シーライツにおける『チャイルド・プロテクション・ポリシー』
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