お知らせ

2017年度カンボジア事業報告③

お知らせ一覧

2018年09月12日

 

 

前回に続き、2017年度カンボジア、スバイリエン州コンポンロー群タナオ・コミューンにて実施した子どもの権利促進プロジェクトにおける活動について報告致します。

 

2.事業期間(2017年9月~2018年3月)

概要:

新しいピア・エデュケーターたちを選出し、トレーニングなどを通じて育成をおこない、また、子どもにやさしい学校、地域づくりのために教員と地域のリーダーと連携を

密にしつつ、研修を行う。

 

パートナー団体:

CCPCR(Cambodian Centre for the Protection of Children’s Rights)

 

2-1.   啓発活動

子ども対象

【ピア・エデュケーション】

・ピア・エデュケーターに対して、子どもの権利、違法な出稼ぎ・児童労働・人身売買の危険について啓発活動を行った。ピア・エデュケーターは、学んだ知識を学校や地域で子どもから子どもへと伝え、活動を広めた。

・これまでのピア・エデュケーターの多くが高校に進学したため、3つの小学校から新しくピア・エデュケーターを選出し、トレーニングを行った。

・3つの対象小学校の児童および住民1453人に子どもの権利を普及させた。

【新しくピア・エデュケーターになった子どもの数】

タナオ小学校25人、ポーマオン小学校20人、プレイロバ小学校15人(合計60人)

・子どもたちとのミーティングを実施。ミーティングの中で、参加した子どもたちからは、小学校をやめてベトナムに物乞いに行く子どもたちに対して学校に通い続けるよう説得しても、貧困があるために難しいという課題が出された。スタッフは、コーチングの手法を取り入れ、そういった子どもたちを根気強く説得するようピア・エデュケーターたちを励まし、子どもたちの活動をサポートした。

・ピア・エデュケーターの役割案について文書化した。(今後、さらに子どもたちの意見を取り入れて文書を完成させる)

 

【子どもクラブ】

・ 各村の「子どもクラブ」については、まだ活動が始まったばかりだが、子ども一人ひとりが暴力について絵を描くなど子どもにとって表現しやすい方法で問題を可視化し、親が叩いたり傷つける言葉を言ったり、無理やり働かせたりしない地域づくりについて子どもたち自身が考える機会を創出した。

 

 教員との連携

・ 教員に対して子どもの権利教育のトレーニングを行った。

・ 教員7名と「子どもにやさしい学校づくり」について意見交換を行った。教員は、児童労働と子どもの仕事の違いがよくわかっており、カードを使うなどアクティブラーニングを通して、子どもの権利を教えていることがわかった。しかし、子どもの権利教育のカリキュラムづくりにおいて、シーライツの支援が必要であるとのニーズを確認した。

・さらに教員から、学校に花壇や柵をつくり子どもたちが楽しく安全に勉強できる環境をつくりたいとのニーズがあることも確認できた。

 

行政・地域住民対象

・ シーライツとパートナー団体(CCPCR)が、コンポンロー郡の職員(郡評議会メンバー、教育局)、コミューン評議会メンバー、警察、村長、保護者を対象とし、「子どもの権利」および権利の責務履行者の役割について啓発を行った。

・トレーニングを行う前と行った後に試験を実施し、子どもの権利についてどれくらいの知識が増えたかを確認した。

・(8月)コミューン評議会議員、女性と子どものためのコミューン委員会のメンバー、村長、教員、保健所職員、警官など19名と、タナオの子どもたちが直面している問題と問題解決について話し合った。特に、ドラッグやギャンブルに依存している子どもたちに対しての対処活動をNGOと手を組んで行っていきたいと警官から意見が出された。

・(12月)コミューン評議会議員、女性と子どものためのコミューン委員会(CCWC)のメンバー、村長、教員、保健所職員、警官など村のリーダー、キーパーソンたち人に子どもの権利の研修を行ない、前後に試験を実施し研修の成果を確認した。

・(2018年2月から3月)プレイロバ村、カンダル村、クバルタノル村、カエワット村で子どもの権利と安全な移住に関する啓発イベントを5回実施し、住民201人(女性156人)が参加した。

 

2-2.図書室・アクティビティルームの運営管理

地域住民が組織した運営管理委員会によるコミュニティ・センターのチャイルド・フレンドリー・スペース(図書室とアクティビティルーム)の管理・運営を支援した。

チャイルド・フレンドリー・スペースにおいて、学校に通っていない(または、やめてしまった)子どもを含め、地域の子どもたちが読書をしたり、自由に学べる環境を提供した。

※本の傷みが激しいので早急に新しい図書を買う必要があることを把握した。

下記、2017年9月~2018年3月に図書室を利用した子どもたちの人数

 

年月       図書室を利用した子どもの合計数

合計  女子       男子

2017年9月         118        75          43

2017年10月       79          44          35

2017年11月       188        133        55

2017年12月       149        115        34

2018年1月         175        99          76

2018年2月         147        80          67

2018年3月         119        70          49

 

8月にタナオ・コミューンのシーライツの現地事務所を引き払ったため、その後、事務所で保管していた子どもたちの練習用ノートパソコンを管理できる人が見つからず、コンピュータを子どもたちに教えることができなかった。

※2018年度はインストラクターを雇用し、子どもたちにコンピュータを教える。

 

 

3.事業終了時(2020年3月)に向けた検討

ピア・エデュケーションを学校で効果的に実施するため、シーライツとパートナー団体(CCPCR)は学校・教師との信頼関係を強化し、引き続き連携をすすめる。

事業終了時にチャイルド・フレンドリー・スペースの運営・管理を地元のどの団体・機関にどのように委譲するのが適当か情報収集を行い検討する。

 

4.モニタリング

日本から理事4名がそれぞれ8月と2月に現地に赴き、モニタリング・情報収集を実施した。

子どもの権利を知識で知らせるだけでなく、子どもたちがどのように権利を使えば良いかということについてもトレーニングするよう、パートナー団体(CCPCR)へ技術指導、助言を行った。

 

以上

子どもの権利についての研修や人身売買・児童労働に関する子ども向けの啓発に必要な文房具を配布することができます。

童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

村の清掃と衛生について学ぶ「ゴミ拾いキャンペーン」を1回開催することができます。

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2017年度カンボジア事業報告③

お知らせ一覧

2018年09月12日

 

 

前回に続き、2017年度カンボジア、スバイリエン州コンポンロー群タナオ・コミューンにて実施した子どもの権利促進プロジェクトにおける活動について報告致します。

 

2.事業期間(2017年9月~2018年3月)

概要:

新しいピア・エデュケーターたちを選出し、トレーニングなどを通じて育成をおこない、また、子どもにやさしい学校、地域づくりのために教員と地域のリーダーと連携を

密にしつつ、研修を行う。

 

パートナー団体:

CCPCR(Cambodian Centre for the Protection of Children’s Rights)

 

2-1.   啓発活動

子ども対象

【ピア・エデュケーション】

・ピア・エデュケーターに対して、子どもの権利、違法な出稼ぎ・児童労働・人身売買の危険について啓発活動を行った。ピア・エデュケーターは、学んだ知識を学校や地域で子どもから子どもへと伝え、活動を広めた。

・これまでのピア・エデュケーターの多くが高校に進学したため、3つの小学校から新しくピア・エデュケーターを選出し、トレーニングを行った。

・3つの対象小学校の児童および住民1453人に子どもの権利を普及させた。

【新しくピア・エデュケーターになった子どもの数】

タナオ小学校25人、ポーマオン小学校20人、プレイロバ小学校15人(合計60人)

・子どもたちとのミーティングを実施。ミーティングの中で、参加した子どもたちからは、小学校をやめてベトナムに物乞いに行く子どもたちに対して学校に通い続けるよう説得しても、貧困があるために難しいという課題が出された。スタッフは、コーチングの手法を取り入れ、そういった子どもたちを根気強く説得するようピア・エデュケーターたちを励まし、子どもたちの活動をサポートした。

・ピア・エデュケーターの役割案について文書化した。(今後、さらに子どもたちの意見を取り入れて文書を完成させる)

 

【子どもクラブ】

・ 各村の「子どもクラブ」については、まだ活動が始まったばかりだが、子ども一人ひとりが暴力について絵を描くなど子どもにとって表現しやすい方法で問題を可視化し、親が叩いたり傷つける言葉を言ったり、無理やり働かせたりしない地域づくりについて子どもたち自身が考える機会を創出した。

 

 教員との連携

・ 教員に対して子どもの権利教育のトレーニングを行った。

・ 教員7名と「子どもにやさしい学校づくり」について意見交換を行った。教員は、児童労働と子どもの仕事の違いがよくわかっており、カードを使うなどアクティブラーニングを通して、子どもの権利を教えていることがわかった。しかし、子どもの権利教育のカリキュラムづくりにおいて、シーライツの支援が必要であるとのニーズを確認した。

・さらに教員から、学校に花壇や柵をつくり子どもたちが楽しく安全に勉強できる環境をつくりたいとのニーズがあることも確認できた。

 

行政・地域住民対象

・ シーライツとパートナー団体(CCPCR)が、コンポンロー郡の職員(郡評議会メンバー、教育局)、コミューン評議会メンバー、警察、村長、保護者を対象とし、「子どもの権利」および権利の責務履行者の役割について啓発を行った。

・トレーニングを行う前と行った後に試験を実施し、子どもの権利についてどれくらいの知識が増えたかを確認した。

・(8月)コミューン評議会議員、女性と子どものためのコミューン委員会のメンバー、村長、教員、保健所職員、警官など19名と、タナオの子どもたちが直面している問題と問題解決について話し合った。特に、ドラッグやギャンブルに依存している子どもたちに対しての対処活動をNGOと手を組んで行っていきたいと警官から意見が出された。

・(12月)コミューン評議会議員、女性と子どものためのコミューン委員会(CCWC)のメンバー、村長、教員、保健所職員、警官など村のリーダー、キーパーソンたち人に子どもの権利の研修を行ない、前後に試験を実施し研修の成果を確認した。

・(2018年2月から3月)プレイロバ村、カンダル村、クバルタノル村、カエワット村で子どもの権利と安全な移住に関する啓発イベントを5回実施し、住民201人(女性156人)が参加した。

 

2-2.図書室・アクティビティルームの運営管理

地域住民が組織した運営管理委員会によるコミュニティ・センターのチャイルド・フレンドリー・スペース(図書室とアクティビティルーム)の管理・運営を支援した。

チャイルド・フレンドリー・スペースにおいて、学校に通っていない(または、やめてしまった)子どもを含め、地域の子どもたちが読書をしたり、自由に学べる環境を提供した。

※本の傷みが激しいので早急に新しい図書を買う必要があることを把握した。

下記、2017年9月~2018年3月に図書室を利用した子どもたちの人数

 

年月       図書室を利用した子どもの合計数

合計  女子       男子

2017年9月         118        75          43

2017年10月       79          44          35

2017年11月       188        133        55

2017年12月       149        115        34

2018年1月         175        99          76

2018年2月         147        80          67

2018年3月         119        70          49

 

8月にタナオ・コミューンのシーライツの現地事務所を引き払ったため、その後、事務所で保管していた子どもたちの練習用ノートパソコンを管理できる人が見つからず、コンピュータを子どもたちに教えることができなかった。

※2018年度はインストラクターを雇用し、子どもたちにコンピュータを教える。

 

 

3.事業終了時(2020年3月)に向けた検討

ピア・エデュケーションを学校で効果的に実施するため、シーライツとパートナー団体(CCPCR)は学校・教師との信頼関係を強化し、引き続き連携をすすめる。

事業終了時にチャイルド・フレンドリー・スペースの運営・管理を地元のどの団体・機関にどのように委譲するのが適当か情報収集を行い検討する。

 

4.モニタリング

日本から理事4名がそれぞれ8月と2月に現地に赴き、モニタリング・情報収集を実施した。

子どもの権利を知識で知らせるだけでなく、子どもたちがどのように権利を使えば良いかということについてもトレーニングするよう、パートナー団体(CCPCR)へ技術指導、助言を行った。

 

以上