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【活動報告】第7回チャイルドライツ・カフェ 「カンボジアの子どもの教育に必要なものは? 読書とアクティブラーニング」

イベント

2021年10月18日

 

こんにちは! 

シーライツインターンの福田利紗と土田向夏花です。

報告が遅くなってしまいましたが、今回は7月17日に行われた第7回チャイルドライツ・カフェの内容をご報告します。

 

概要

 開催日:2021年7月17日(土)

実施方法:オンライン

 

講師プロフィール

◆中村健司

関西大学法学部、同大学院法学研究科修了、イギリス・ハル大学大学院グローバリゼーションとガバナンス修了。ラーニングファシリテーターとして、発展途上国・新興国の教育機関、NGO、企業で、人やチームが学ぶことを楽しみ、成長するのを支援。NGOでの活動、フィールドワーク、日本とイギリスの大学院での研究、カンボジア料理店の開業と経営といった多様な経験を活かした企画サポートや講演も行う。モットーは、学術研究を活用できる現場の実践者であること。好きな本を持ち寄る事前読み不要のオンライン読書会、自ら問いを作り課題を解決する問いトレなど、学びを楽しむワークショップ多数。

 

◆甲斐田 万智子

NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)代表理事。文京学院大学教員。広げよう!子どもの権利条約キャンペーン共同代表。編著『世界中の子どもの権利をまもる30の方法』(合同出版)、共著『SDGsと開発教育 持続可能な開発目標のための学び』(学文社)、共編著『小さな民のグローバル学:共生の思想と実践を求めて』(上智大学出版)共著『対人援助のためのコミュニケーション学:実践を通じた学際的アプローチ』(文京学院大学総合研究所)ほか。

 

 

カフェの様子

 

 

インターンからの感想

 

中村さんのお話

カンボジアの教育事情

◆識字率は着実に向上。

◆ただ、「読解力」に課題があることが分かった。=読書体験が必要。

 

読書普及の課題:本・読書体験の事情

◆クメール語の書籍が質量ともに不足。:

①著作権保護の課題、② 書店や図書館自体の少なさ、③カンボジア人作家の不足。

◆読書を勧める教師や大人に読書習慣がない。:

大人自身に「楽しい読書体験」が少ない。

 

読書普及の課題:教育支援活動の事情

◆教育省、国際機関、NGOなどが連携し、子どもの読解力育成の活動が増えている。

◆ただ、決まったカリキュラムやプロジェクトを実践するのは現場の教員。

→では、彼ら・彼女らに楽しい読書体験がなければ?

=子どもだけでなく、まず、大人が読書の楽しさに気づける経験が必要。

 

教員支援の取り組み

◆ 教員養成大学における読書科目のパイロット実施

 

中村さんが大事にされていること

◆これまでに積み重ねられてきた実績、信頼関係、支援があってこその活動。

◆現地の必要と自分の情熱や強みが重なることにだけ関わる。ただし、現地の必要に対応するのが最優先。自分の情熱や強みばかりを優先すると、大切な「声」が聞こえなくなってしまう。

◆1)価値判断しない、2)ためらわない、3)助け合う、4)楽しむがワークショップのグランドルール。

 ◆伝えることは、「やり方」より「マインド」。現地に合う「やり方」は、やはり現地の人の方が知っている。

 

 

甲斐田代表による「読書と子どもの権利」の話

子どもの権利条約について

子どもの権利条約で読書に関連している、以下の条文があります。

1、読書そのものが権利保障と定めているもの

第17条 十分で適切な情報にアクセスできる権利

第28条 教育を受ける(学習の)権利

第29条 教育(学習)の目的 人権、ジェンダー、多文化共生

2、読書によって実現される権利

第12条 意見表明権(知識を得て、考察し、自信がついた結果)

第15条 グループ・集会の自由(本を読んで感じたこと、考えたことを話す)

第39条 被害にあった子どもは、心身の回復のためのケアを受ける権利

3、読書によって子どもの権利や法律を知ることによって実現される権利

第19条 親やおとなから虐待されない権利

第32条 児童労働から守られる権利

第34条 性的虐待・性的搾取に守られる権利

第35条 人身売買から守られる権利

 

甲斐田代表の読書に対する思い

「子どもの権利でもある読書を通して、生きていく力、困難に立ち向かう力を養うことができると考えています。そうすることで、泣き寝入りしたり、諦めたりしない人生をつくっていくことができます。それが結果的に、読書を楽しめる人生を送ることにつながると考えます。」

 

 

質疑応答

質疑応答の一部を紹介致します。

 

Q、現在、カンボジアにおけるコロナ禍の影響はどのようなものがありますか?

中村さん:コロナ禍の影響でほぼ教育は止まっています。特に地方においては、オンラインの対応が難しいというのが現状です。

 

Q、どうしてアクティブラーニングをしようと思ったのですか?

中村さん:自分自身も楽しく学べたという原体験があったからです。また、カンボジアで実際にやった時に、自信をあまり持ってなかった人が積極的になった姿を見て、彼の姿が忘れられないからです。

 

Q、子どもの主体性を子どもの権利の顕微鏡で見るとしたら、どう捉えますか?

中村さん:みんな好きなことは集中するので、好奇心だと思っています。いかにその好奇心を伸ばすか、抑えつけないようにするかを意識しています。

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童話や物語の本を5冊購入し、本が傷まないように補強してから図書室に届けることができます。

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