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【活動報告】オンラインイベント 「子どもの権利が子ども・若者をエンパワーし社会が変わる〜世界子どもの日を記念して〜」

イベント

2021年12月1日

 

こんにちは!

シーライツインターンの福田と土田です。

今回は、シーライツ主催のオンラインイベント「子どもの権利が子ども・若者をエンパワーし社会が変わる〜世界子どもの日を記念して〜」の内容をご報告します。

 

写真は当日の様子です。

【概要】

日時:11月21日(日)14時~16時半

形式:オンライン(ZOOM)

参加人数:42名

*当日のプログラムと登壇者プロフィールは以下のリンクからご覧ください。http://www.c-rights.org/news/news3/20211101.html

 

【感想】

参加者の方々からいただいた感想とインターン2名の感想を、一部編集して紹介します。

 

参加者の感想

・大人が幸せでないと子どもも幸せになれないし、大人の社会は子どもの社会と基本的なことは同じだと思っています。子どもだけでなく、いろんな人の意見を聴いたり、対話することを余裕を持ってできる社会、効率重視の社会を変えていくことがまず前提にあるのではと思いました。

・「子どもの意見をわがままという大人にどう対処するか」という質問に、「わがままなのは誰なのか」「混乱すればいい」と喝破した鈴木さんの言葉には、鳥肌が立ちました。つい「空気を読んで」場を取り持とうとする、議論のできない日本人のクセが露呈されるリトマス試験紙のような瞬間だったと思います。子どもの権利を語る前に、大人もきちんと権利行使する・相手の権利も尊重する訓練が必要で、各人がどこの場所でもしていかなければ、上の世代にも伝わりませんし、何も変わらないように感じました。自戒を込めて、対話を繰り返していきたいと思います。

・子供の権利、を大人の私は初めて考える機会になりました。高校と中学の子供を持つ親として教育の現場で疑問を感じることが時々ありますが、大人の私たちが環境を整備していくことが大切だと実感しました。

 

インターンの感想

・お話を聞いて、子ども参加は子どもの権利を守ることにつながるだけでなく、子どもの主体性を育むことができるのかなと思いました。普段子どもとかかわるときに、この言葉って対等な言葉遣いなのかな?って思うときがあるなと考えさせられました。普段の言葉からどんな言葉を使うのがいいのか、どんな心向きであれたらよりよいのか考えながら生活していきたいです。(福田)

・パネルディスカッションで触れられた「日本の学校の役割負担」の話が特に印象的でした。日本では、「子ども」と言うと真っ先に連想されるのが「学校」、「家庭」だと思います。一方で、現実社会で子どもを取り巻く存在は、もっと多いはずです。学校や家庭に責任を全て負わせるのではなく、地域や企業などがそれぞれの立場で「子ども参加」に関わる必要があると強く感じました。(土田)

 

【スピーカーズコーナー】

スピーカーズコーナーでお話しいただいた甲斐田代表、両角さん、土肥さん、鈴木さんの4名の方のお話を簡単にご説明します。

 

◆「子どもの声を聴いて社会を変えるための子ども基本法」

 甲斐田万智子(認定NPO法人国際子ども権利センター (シーライツ)代表理事)

なぜ子どもの権利が子どもの参加につながるのか?

・権利によって子どもがエンパワーされ、諦めない気持ちになるから。

・権利を知ることで、子どもは一人で悩んだり、孤立しなくなるから。

・子どもたちが参加の権利を使うことを通して、子どもたちが主人公になり活躍できるから。

・子どもたちは、権利によって、仲間と一緒に社会をよりよいものに変えていけるから。

 

子どもの権利を知り、エンパワーされた子どもたちはどうなるか?

・「貧しいから仕方がない」と諦めない

・わがままではないと知り、「学校をやめたくない」と言える

・「危険な目にあいたくない」といえる

・ 親や社会の期待にあわせて危険で搾取される人生を送るのではなく、自分の可能性を広げ、様々な選択肢から人生を選びとっていく

・よりよい地域づくりに参加する

 

子どもの権利を知った子どもとおとなたちはどうなるか?

・子どもの気持ちや意思を無視しておとなの都合のいいように利用してはいけないと考える

=子どもとともに子どもにやさしい社会をつくっていく

 

わたしたち一人ひとりにできることは?

・子どもに権利を伝える。

・子どもの権利を使っている子どもたちと出会う機会をもつ。

・日頃から子どもが権利の主体であり、共に社会を変えていく仲間(パートナー)として考える。

・困難な状況にある子どもを「かわいそうな」存在とみるだけでなく、困難をはねのけていけるリジリエンス(はねのける力、回復力)をもつ存在としてみる。

・子どもの権利によって子どもにエンパワーメントの機会をもつ。

*エンパワーメント=「子どもが自分のもっている力や権利に気づき、自信をつけ、他者を尊重し、社会をよりよく変えていくために、仲間とともに、自ら行動をとろうとすること」

 

◆「スウェーデンの子ども若者の政治参加と子どもの権利」

 両角達平さん(国立青少年教育振興機構研究員)

社会参加の意識が高いスウェーデンの子ども・若者

→スウェーデンの若者の投票率は85%

 

スウェーデンの若者活動の場「若者団体」

Q、若者団体とは?

若者中心の非営利団体。

・若者団体は趣味でつながっている→民主主義の実践

 

・スウェーデンの子ども・若者が社会をつくる主体となっている。

・民主主義・人権(子どもの権利)を社会で実現するという合意が社会全体にある

・学校・若者団体・ユースセンターが、それらを実現する活動の場となっている。

・そのための環境整備(法・施策・オンブズマン)、資源収入が潤沢である。

・あらゆる人の包括的な社会保障を実現する社会民主主義レジームによって支えられている。

 

◆「こども・若者政策立案はなぜ重要か」

 土肥潤也さん(NPO法人わかもののまち、こども政策の推進に係る有識者会議 臨時委員)

・いま⼦ども・若者の 社会参画は流⾏っている。

→事業を開始する⾃治体がここ数年で増加傾向︕

・子ども・若者参加により、子どもの権利が守られ(意見反映)、探究的な学習(学び)も充実する。

 

なぜ⼦ども・若者政策⽴案が重要であるか?

・まちづくりをベースとした参画事業が⼤きく増えた。しかし、権利の視点が弱い。いま改めてなんのために⼦ども・ 若者のまちづくり参加が必要なのか?を掲げる必要がある。 

・⼦ども・若者参加に先進的に取り組む⾃治体は⾸⻑のパ ワーが⼤きく影響している。⾸⻑が変わると、⼦ども・ 若者政策が弱まる。本当にそれで良いのか? 

・⽇本ではまだまだ学校教育の⽐重が⼤きい。ここを変えな ければ、⼦ども・若者を取り巻く環境は変わらない。

 

実効性の伴う⼦ども・若者政策に向けては?

・国レベルの政策をつくることはある種トップダウン的に実践を 広めることになる。それは⼦どもの権利の趣旨から外れないのか。

・良くも悪くも、さまざまな団体がさまざまな概念を提唱し、人材養成にも取り組んでいる。 

・無理にひとつの枠組みにまとめるのではなく、ゆるやかな連携 が求められているのではないか。 

・ひとつの参画事業に取り組めば、先進事例として取り上げられ る節がある。しかし、本来的には段階的な参画機会が重要。 

 

◆「『子ども』は『未熟』。その偏見はどこからくるのか?」

 鈴木洋一さん(NPO法人Wake Up Japan代表理事)

問い

・私たちは「子ども」に対してどのように接しているか?

・子どもたちが自分たちの存在を認識する機会(教育、メディア、家庭)においてどのようなコミュニケーションが行われているか?

※子どもの権利を守るという際に、身体的、精神的な暴力などから守るだけでなく、その意見を尊重することも行われているか?

 

「子ども参加」について日本社会で見聞きした言葉〉

「意識が高い」

「子どもはまず学ぶべき」

「まずは知識をもったうえで話をしよう」

その上で、国会議員との教育政策に対する対話に参加した子どもの感想は、

「国会議員の方が話を聞いてくれた時、尊重されていると感じた。それまでは私の意見なんて、声を上げてもしょうがないと思っていた。子どもでも声を上げていいんだなと実感できました。」

 

社会に対して重要なこと:

  • 子どもを含めた、一人ひとりの声にしっかり耳を傾けていく社会を作ることが重要。
  • 子ども基本法を含めた法整備はそうした環境を育むうえで有用。
  • 一方で、制度だけでなく、問題意識を持つ一人ひとりが誤った観念に対しては、声を上げ、社会を教育していくことも重要。

※社会全体の民主主義に対する質が問われていることでもある。

 

【パネルディスカッション】

シーライツの小川玲子理事を司会に、登壇者4名がパネルディスカッションを行いました。内容を一部抜粋して、ご紹介します。

 

写真はパネルディスカッションの様子です。

 

question①:子ども参加の成功体験を、日本の文脈の中で積むにはどうしたら良いのでしょうか?

 

両角さん

日本の若者支援、まちづくりの現場では、人権・民主主義という言葉が出てこず、成長や主体性ばかりが主張されています。成長や主体性、探求を縦軸だとするなら、民主主義、人権、連帯といった横軸がないと、批判的視点を持てなくなる。例えば、戦前の日本では「積極的に」という呼び掛けのもと、若者が戦争に行ってしまった過去がありますよね。どの場面でも、人権という横軸が共有されていくことが「子ども参加」の転機となると思います。

 

土肥さん

自治体の流れで今懸念しているのは、「学校が公共や探求という科目を設置したから、地域の側はやらなくていい」という流れがでてきたこと。地域の公共教育の文脈で実践してきたことが、学校内に押し込められていると言えます。また、教師の忙しさも相まって、学校で人権を教えようとするとどうしてもパターン化しやすい。したがって、学校内と学校外という2つの視点もポイントになってくると思います。

 

鈴木さん

日本では、世代を越えた交流が少ないと思います。勿論、国内にも社会変革を担ってきた市民はいるけれども、その経験が共有されてない。子どもが平場でおとなたちの経験を学べる機会が必要だと思います。

 

甲斐田代表

地域のメンバーとなるため、「順応のための参加」は日本でも認められていると思います。一方で、社会に批判的になってより良くしていくための「変革的な参加」は認められていないという現状がある。「従順な子どもは良いけど、現状批判的はけしからん」という風潮を変えていかなければなりません。

 

question②:学校教育のどこを変えれば、生きづらい学校が変わると思いますか?

 

両角さん

学校を民主化すべきだと思っています。日本の子どもは、規範意識として「権利は大事」と答えるのが得意でも、本質的な理解をしているかと言われればそうではない。やはり、学校が民主的に運営されていると教員自身が実感することが大切です。スウェーデンでは子どものいる教室でだけではなく、教職員同士の運営体制が民主化されていることが重要視されています。科目として啓蒙的に教えるのではなく、権利が大事にされているとはどういう社会なのか、どういう学校なのかを子どもの身近なところから実現していくことが大切だと思います。

 

鈴木さん

権利という言葉を使うとき、日本では「権利を尊重する」と表現しますが、アメリカや韓国では権利を守ると言います。権利について「他の人に配慮しよう」と教わるのか、「あなたの内側にある輝きを出していいんだよ」と伝えられるのか。教え方の問題も関係すると思います。

 

小川理事

私も「子どもの権利」を、「思いやり」という言葉に簡単に置き換えてほしくないと思います。

 

甲斐田代表

大人だったら、叩いたら違法なのに子どもにはしつけだと言われる。スウェーデンなどは、意識が変わる前に体罰禁止法やひとり親への支援に関連する法律を作っていた。意識変革を待つのではなく、意識と制度の改革を並行して行うのが大切だと思います。

 

土肥さん

地域作りに携わるなかで、地域愛着教育を刷り込んでいないかという問題意識があります。また、学校が役割をなくしていくことが必要だなと思っています。

 

両角さん

日本の学校の社会規範が強すぎるなと思います。スウェーデンには、部活動や塾がありません。隙間時間がいっぱいあって、放課後は地域に帰って、余暇活動ができる。余暇という言葉には何かから解放されて自由になるという意味がありますが、この点から考えると、日本の子どもに余暇はないですよね。学校が縮小する方向にいかないと、放課後や探求活動すらもプログラム化されて行くと思います。

 

小川理事

私もオランダにいたことがありますが、オランダでも子どもは地域に帰っていく。主体性確立といいながら、「日本人としてのアイデンティティ」というものが先に待っている日本の学校教育は問題があると思います。

 

【質疑応答】

質疑応答の内容を一部、ご紹介します。

question:若者参画について、年長者から「無知による社会の混乱」を懸念する意見が出されることがあります。それについてどう思われますか?

 

甲斐田代表

子どもが意見を言う場に参加してない方の考えかなと思います。子どもは、話し合うなかで意見を修正していく力を確かに持っています。

 

両角さん

生き方が固定化されていない時代においては、専門家だけが主導するのがいいという意見は通用しなくなると思います。

 

土肥さん

思い込みを抱いてきた大人たちが、素直に子どもの持つ意見の力を受け入れることができるかが重要になると思います。また、子どもが意見を伝えやすいように質問の仕方を考えるなど、設計を模索する必要もあります。

 

鈴木さん

民主主義は、そもそも対立と混乱を含んでいて、大人だけの話し合いでもそれは生まれます。また、子ども時代に適切な対立を経験したかも大切。対立する意見は主張してはいけないと思わずに、たとえ相手の考えを理解できなくても共存していくんだと子どもが実感できる土壌が必要だと思います。

 

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