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【活動報告】第10回チャイルドライツ・カフェ「ジェンダーに対する権利意識はどう行動につながるのか?」

イベント

2022年04月4日

 

こんにちは!

 

シーライツインターンの土田向夏花です。

今回は3月24日に行われた第10回チャイルドライツ・カフェ「ジェンダーに対する権利意識はどう行動につながるのか?」の内容をご報告します。

 

↑参加者の皆さまと共に

 

概要

■開催日:2022年3月24日(木)

■実施方法:オンライン

■参加人数:24名

 

 

講師プロフィール

■鈴木由真さん

2017年よりちゃぶ台返し女子アクションの活動に参加し、ジェンダーやセクシュアリティに関連する問題に取り組む。現在は主に、学生などこれから活動を始める人向けの勉強会の企画・運営に携わる。博士課程に在籍し、介護や職業訓練、労働をテーマに研究を進めている。

 

■甲斐田 万智子

NPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)代表理事。文京学院大学教員。広げよう!子どもの権利条約キャンペーン共同代表。編著『世界中の子どもの権利をまもる30の方法』(合同出版)、共著『SDGsと開発教育 持続可能な開発目標のための学び』(学文社)、共編著『小さな民のグローバル学:共生の思想と実践を求めて』(上智大学出版)共著『対人援助のためのコミュニケーション学:実践を通じた学際的アプローチ』(文京学院大学総合研究所)ほか。

 

 

感想

参加者の方々からいただいた感想を、一部抜粋・編集してご紹介します。

 

 

 

鈴木さんのお話

鈴木さんのお話の一部をご紹介します。

 

■性暴力とは

・性暴力=性的同意のない性的言動

 

・誰もが性的自己決定権を持っている

→他者が無理やりに、勝手に決めることは権利侵害

 

・性的な個々人の踏み込まれたくない領域=「性的バウンダリー」

→ここまでは良いけれど、そこまでは踏み込まれたくないという思いは人それぞれ。

相手が自分と同じように感じるとは限らないため、同意を確認するのが大切。

 

■性的同意

性的同意をとる上で必要な条件↓

 

・同意をとる責任の所在は、性的言動を最初にする側にある=被害者は100%悪くない

→被害者非難(victim blaming)を避けた言動を。

 

■介入の重要性

・被害者でも加害者でもない第三者による介入=「第三者介入」

 

「第三者介入」の5つのD

・Direct 直接介入

:加害者にやめるように働きかける。(自分自身の安全が守られている場合)

 

・Distract 気をそらす

:飲み会などで、話題を変える。

 

・Delegate 委任する

:別の人に助けてもらうようお願いする。

 

・Document 証拠を残す

:後にアクションを起こすときに力になる。(勝手にSNSにはアップしない)

 

・Delay 被害にあった人が大丈夫か確認する

:その場での介入が難しくても、被害者に寄り添うことは出来る。

 

 

鈴木さん×甲斐田代表 クロストーク・質疑応答

クロストークや質疑応答で話された内容を一部編集して、紹介します。

 

↑意見を交わす鈴木さん(左)と甲斐田代表(右)

 

 

甲斐田代表:権利の視点から考えた時、性暴力や性的同意の問題に関連して「これは自分の権利なんだ」と感じた場面はありましたか?

 

鈴木さん:第三者介入についての冊子を大学の新入生に配ったことですね。諦めずに、仲間を増やしていく過程で、似た経験をした人に出会ったり、反対に全く違う経験をした人でも繋がれたのが大きかったです。

 

甲斐田代表:「性的バウンダリー」のお話をしていただきましたが、「バウンダリー」は性的同意以外にもありますよね。例えば、子どもと公園に遊びに来た時に、見かねた親御さんが「せっかく来たんだから、もっと遊びなさい。」と注意することがある。でも、周りの様子を見ているだけで幸せな子もいますよね。「ここまではお父さん・お母さんに決められたくないな」という「バウンダリー」は、子どもの権利にも関連する重要なテーマです。

 

 

質問:勉強会を開くにあたり、「安心の場作り」として心がけていることはありますか。

鈴木さん:「この場では、こういう差別は禁止しますよ」というアナウンスを必ずしてからメインの講義を始めることですね。トランスジェンダーやセックスワーカー、在日の方などへの差別を「おかしい」と思わずに、会に参加する方もいらっしゃいます。なので、事前に差別の内容を規定し、共有するようにしています。

 

質問:性的同意などに関して、「あるべき教育のあり方だ」と鈴木さんが思う国や地域はありますか。

鈴木さん:「具体的にこの国の教育が良い」というのはありませんが、教える側と教えられる側に上限関係があって、「こういうルールなのだから、これに従いなさい。」と一方的に強制されるのは嫌だなと思います。アウトプットの場を設けてはじめて、考えを育むことができると考えています。

 

 

インターンより

被害者の方に「強い個人」になるよう求める風潮があるというお話が印象に残りました。「強い個人」になるよう促す言葉の中には、「そんな恰好しないで」「女の子なんだから、夜は一人で歩いちゃダメ」といったよくある「忠告」も含まれるように思います。こうした「忠告」は、被害者(になる)側にも非があるような言い方になりかねず、悪意がないとしても注意しなければならないなと気づきました。特に、子どもたちに性暴力について教えるときは、自分と相手の性的バウンダリーを尊重することの大切さを伝えつつ、被害に遭った方をとがめるような表現をしていないかと立ち止まって考えようと思いました。

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